冬型の気圧配置が緩み高気圧が張り出してきて、気持ち良い晴れ。
ここに住み、シャルマン火打スキー場で働き、こんなに近くに存在し、そして能生谷の降雪量の多さの不思議をもたらしているかもしれない「権現岳」
標高は1100mくらいと高山ではないもののそそり立つ壁を感じる勇ましさは特に降雪期に感じていた。
登りたい、登りたいなぁーと思いながらなかなか行けてなかったこの山に。
今回、柵口から入山し、権現岳ー鉾ヶ岳ー島道に縦走するルートを選んだ。
行動時間7時間くらい。
高低差が1000m近いので、登り出したらすぐに急登。
三点確保してる時が大げさでなく2/3あったのでは…と思ってしまうほど、急登。
胎内洞ってとこは大きな岩が重なりその間を通り抜ける。
そしてよじ登る。
その後は岩に挟まれるが如く、また狭い。
すごい。山頂からの眺めはパノラマ。
シャルマン火打スキー場~放山、奥には火打、焼山。
思わず始めて使うパノラマ撮影。
火打、焼山、雨飾、これから向かう鉾ヶ岳、そして海。
今日進むはまだ1/4くらい。さぁ、先に進もう。
権現岳から次のピークはトッケ峰。ここはナイフリッジ。
まさにシャルマン火打スキー場からいつも見ている権現岳の尾根。
こんなに薄いのか…
まさに壁だな…
歩く幅は肩幅くらい。
いつも見上げている山のリッジに立つ不思議な気持ち。
トッケ峰から鉾ヶ岳へのアクセスは気持ちよい快適極楽ロード。
そして、美しいナメコちゃんを発見。もちろん確保。
地図と見比べながら、多分五竜岳、鹿島槍まで見えてる。
さぁ、ここから下り。
島道鉱泉にデポした車めざして。
ただの下りではない…激下り。
たったと歩けないほど急登の逆。落ち葉で足元は確保しずらく、時々あるロープに頼らざる負えない。
そして、またしばらく気の抜けぬリッジの下り。
深い沢。
見上げると切り立つ壁。
ドキドキせずにはいられない。
沢を渡ると登山道のあるべき道は崩れ登れ無いほどハングっている。
少し下に目をやると、新たな登れそうな場所あり、ほっ。
だいぶマイナールートであろう、道は獣も暫く通ってないかの如く草が茂っている。
少し水気を帯びた草をかき分け進む道は否が応でも心臓が高なる。
時々笛を鳴らしながら、山葡萄のツルに実がなってないかみたり(あれば採りたいけど、あったら熊もいる!と思う恐怖)
どうやら植生は豊かではない。
キノコも、さほど無いし、実もない。写真もない。
兎に角これでもかーと思うほど最後の最後まで激下り。アンカーを確認しつつもロープに頼る。
気休めの緩やかな道は10分くらい。
膝カクカクで、島道鉱泉に到着。
気持ちよい湯を頂きました。
創業は大正。
宿のお母さんの心配りが染み渡る、旅の終わり。
いつも見上げている山は誇らしく、そして勇ましく…
谷筋に入った時のドキドキ感は、その時は精気を吸い取られるような気がしたけど、山のパワーが強過ぎたのかも…と思いつつ。
山を登って今まで感じたことのない感覚がある山。
そして標高が1500mもないとみくびってはいけない山。
地図だけでは見えないものが沢山ある。
また次の雪がどうなるのか、期待膨らますことにしよう。