どうもこんにちは。
今これを書いているのは朝の7時前。
今日も仕事を終えて、帰ってきたところです。
土曜日の今日は一日お休み。なんだか雲行きが朝から怪しいですね。
来週から6連勤なので、今日はゆっくりと休みを満喫したいです。
(読書)
さて、昨日書いてなかった分も含めて、今日は2冊。
- ゼロの焦点 (新潮文庫)/松本 清張
- ¥700
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前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、
鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。
ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!
夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。
戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、
名作『点と線』と並び称される著者の代表作。
…松本氏の著作を読んだのは、これが生まれて初めてです。
彼を起点として、所謂「社会派ミステリー」が台頭してきた。っていうのも最近知ったくらいですし。
初めての松本作品ということで、『点と線』と並びメジャーなこの作品を読んでみました。
率直な感想を言うと、「まだ僕が読むのには早かったのかな」(年齢的な意味で)
と思いました。
謎の失踪を遂げてしまった夫の行方を捜す。っていうのが基本的なストーリーです。
物語り全体が淡々としていて、スピード感があったりダイナミックな仕掛けがあったり、
犯人探しやどんでん返しなんかもなく、
よく言えば落ち着いた、そうでなければ地味な物語でした。
人間的なドラマや愛憎なんかもそこまで深く書かれていないような気がしたし、
もしかしたら僕にはまだこの作品の深さが分からないのかな、と思いました。
真犯人の検討もすぐついたし、その通りだったので逆に驚きました。(笑)
推理小説、ミステリーとして読むというより、「小説」として読んだ方が良いかもしれません。
僕はこれから進んでは松本氏の著作は読むことはないと思いますけどね。
2冊目はこちら。
- 闇の底/薬丸 岳
- ¥1,575
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少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、
かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。
身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。
狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。
絶対に捕まらない―。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。
…薬丸氏の著作を読むのはこれが2冊目ですね。
以前は『天使のナイフ』を読みましたが、これは今でも印象に残っています。
そんな中、この『闇の底』を読みましたが、前作は少年犯罪をテーマにしていたのに対して、
今回は幼女誘拐殺人事件がテーマ。
リアルタイムで幼女が誘拐、殺害されていくたんびに、
過去に似たような事件を起こし、捕まって刑期を終えて、出所した人間が殺されていく。
そしてマスコミに挑戦状を送り、
世間に対して、「私は少年犯罪者を全て排除する」
と、世論を味方にしてしまうほどのパフォーマンスを続けます。
果たして、犯人は、真相は…?
今回は犯人の視点、そして子供の頃妹を殺された警察官、そしてもう1人の警察官。
この3つの視点で物語りは進行していきます。
僕はこの流れで大好きな貫井先生の『修羅の終わり』を思い出しました。(笑)
それに勝るとも劣らないくらい、物語り全体の雰囲気は重たいです。
幼女誘拐、殺人という事件の残酷さ、残忍さも手伝って、
特に過去に妹を事件で失った警察官の視点の物語は暗いか欝かのどちらかです。(笑)
どんな可能性も見捨ててはいけないと、元性犯罪者の家に訪ねては殴りかかりそうになったり、
犯罪被害者の家へ行っては、自分の過去と重ねてなんともいえない気持ちなったり。
このあたりの心の葛藤がとても印象的でした。
(↓ネタバレ注意)
そして多視点ものとくればミステリー小説が好きな人はもうお気づきでしょうが、
この作品には○○トリックが使われています。
ネタバレになりますが、最初僕は「あぁこの視点の人は実は○○だな」と思っていたのですが、
最後見事に騙されました。あんたかよ!みたいな。(笑)
薬丸氏も○○トリックの使い手になったんだな、と思いました。
ただ、○○事件の方があっさり解決しすぎてここをもう少し掘り下げて書いて欲しかったかな、とも思います。
犯人が簡単に捕まりすぎかなぁ…と。
読後感は褒め言葉ですが後味悪いです。
本当の解決にはなってないですね。
でもそれは性犯罪事件がこの世からなくならない限り、解決は無いな、と思いました。
『天使のナイフ』同様、とても面白かったです。
貫井さんの暗い雰囲気の小説が好きな人や、前作からの薬丸氏のファンでも楽しめると思います。
今日はこんな感じですね。
それでは、また明日…。