どうもこんにちは。

今これを書いているのは朝の6時半過ぎ。

今日も仕事を終えて、帰ってきたところです。

金曜日の今夜出勤して、明日はお休み。

変則的になりますが、日曜日は出勤で、月火がお休みです。

予定は無いけど、Qさまがリアルタイムで観られるのが嬉しいです。(笑)

さて、今日から5月ですね。


(読書)

今朝まででこちらを読み終えました。

激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)/鳥飼 否宇
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マラソンを舞台にスピード感溢れるミステリ
北京オリンピックの代表が決まる福岡国際マラソン。

有力選手、外国招待選手、そして有望視されている新人など各ランナーの思惑が錯綜する。

そのなかで実力がありながらペースメーカーとして出場する市川。

彼もまたこの福岡にひとつの思いを持っていた。

レース途中に、有力選手の死亡事故があったが(それは殺人なのかまた事故なのか。

先導する白バイの警官が、その謎に挑戦する)、白熱のレースは続く。

モノローグのように、各選手の過去が綴られ、次第に謎が明らかにされていく。

勝負はトラックまでわからない。

そして最後の直線100メートルの激走がその答えを出した。

…鳥飼氏の著作を読むのはこれが初めてですね。

タイトルに魅かれて読んでみたのですが、間違いなく最近読んだ中でも名作となる1冊になりました。

最近、「設定は良いんだけど…」

っていうミステリーを何作か読んでいて、正直これはどんなもんなのかな?

設定だけで終わっちゃうのかな、と思いながら読みましたが、

むしろ、「設定を活かす小説っていうのはこういうのをいうんだよ」っていう、

まさに教科書のような物語でした。


舞台は福岡国際マラソンで、そこには様々な選手が出場して、

次回のオリンピックの座を狙おうと虎視眈々としているんですよね。

健常者はもちろん、視覚障害者も併用してレースをするため、

パラリンピックの選考会も同時に行われるんですよね。

今にして思えば、ここから作者のトリックのベースは作られていたのかもしれません。


ペースメーカーのみとしての役割を与えられた市川の本当の夢とは?

そして出場選手たちの様々な思惑、彼らを結び付けていた過去が、

レースの進行とともに徐々に明らかになっていきます。

レース運びと同じ歩調で、謎が少しずつ明らかになっていくのですが、

この物語の進め方がとても上手だな、と思いました。

マラソンのゴール時のカタルシスと、ミステリの真相が解けた時のカタルシスは、

意外に似ているのかもしれません。


さて、今作でミステリ、謎の部分となるのは、レース中に起こったとある選手の死ですね。

これは事故なのか、事件なのか…。

まぁ事件なんですけど、(笑)このトリックも凄く面白かったです。

古典にこのようなトリックがあったと思うんですけど、僕はその古典のトリックは凄く好きだった、

(賛否両論ある有名なトリック)

賛成派だったので、とても楽しめました。

説得力のあるトリック解明も快感でしたね。(笑)


最後は誰が優勝するのか?ハラハラしながら読み終えることが出来ました。

選手の視点、実況席、応援席、白バイの運転手などなど、

様々な視点から語られることによって、よりマラソンの展開に疾走感が出たのでは、と思います。

それこそ、テレビでマラソン中継を観ているような感じですね。

読後感もよく、僕ははっきり言って文句のつけようがありません。

またお気に入りの作家さんが増えたかも、と思いました。


…謎や真相が滝のように解明されていくさま、

何気ない描写に伏線が沢山隠されている感じなどは、

道尾秀介氏の作風が好きな人なら楽しめると思います。

中篇程度のボリュームにコンパクトにまとめつつ、

どんでん返しや怒涛の伏線回収が好きな人にはオススメできます。

というわけで、とても面白かったです。


今日はこんな感じですね。

それでは、また明日…。