関西3空港問題で最大の焦点だった大阪(伊丹)空港のあり方は、今後10年の維持・活用で合意したものの、首長らの思惑の違いから、将来像はまた、先送りされた。

 自治体、経済団体トップが集まった12日の関西3空港懇談会。大阪府の橋下徹知事が「あいまいなとりまとめでは、国は1ミリも動かない」と伊丹廃港の決断を迫る一方、兵庫県の井戸敏三知事らは「壊し屋の議論ばかりではダメだ」と包囲網を作って反対し、会合は紛糾、一向に埋められない地域間の立場の違いだけが際立った。

 「大阪府は合意しません」。橋下知事は事務局の関西経済連合会がまとめた合意案に対し、いきなり難色を示した。当面の伊丹活用には理解を示す一方、リニア中央新幹線(東京―名古屋)の開通などを見据えて将来像を示すべきだとし、「今後10年(の存続)では対症療法にすぎない。30年後を見通して策を突きつけていくべきだ」と、国に関西空港の債務圧縮と合わせて伊丹廃港の提案を迫った。

 これに対し、井戸知事は「国がやってくれないと思いこんで、働きかけをしない方が問題だ」と反論。座長の下妻博・関経連会長が「今回の取りまとめには、それなりの方向性がある」と理解を求めた。

 その後も橋下知事は、合意案に「(長期的には)空港存廃の判断も含めて見直していく」と記されながら、存廃を検討する空港を明示しなかった点に反発。橋下知事が「伊丹と神戸(が検討対象)だと明示すべきだ」と求めたが、井戸知事は「それなら私は(合意案から)降りる」「関空だって、維持にいくらかかっているのか」と発言するなど両知事は譲らないまま。下妻会長は「幼稚園の子どもみたいなことを言わないで」と橋下知事をたしなめ、両知事に「(存廃対象を)じゃんけんで決めて」と繰り返す場面も。

 話し合いは予定の倍近い約2時間に。反対意見も明記することでようやく議論を取りまとめた下妻会長は、その後の記者会見で、「(会議が)紛糾したと言われると異質感がある。首長さんの政治的スタンスの違いはあるが、関空を盛り上げようという機運は高まった」と強調した。

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