山本洋一ブログ とことん正論

元日経新聞記者が政治、経済問題の裏側を解説!


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 民進党の新代表に蓮舫氏が選ばれました。蓮舫氏の評価については、今日は論評しませんが、代表選の様子を見ていてある光景が浮かびました。5年前に、巷の予想を裏切って当選した野田佳彦前首相の演説です。


 当時、私は政治部で総務省の担当記者。菅直人首相の辞意表明で各役所は機能不全に陥っていたため、「暇だろう」と与党だった民主党の代表選取材に駆り出されていたのでした。2011829日、私はホテルニューオータニで野田氏の声に耳を傾けていました。


 いわゆる「どじょう演説」として知られていますが、相田みつをさんの有名な「どじょうがさ、金魚のまねすることねんだよなあ」という言葉を引用したのは最後の最後。そこに至るまでも、多くの言葉が胸に響きました。


 例えば時代小説が好きな私は、こんな言葉を今も覚えています。


「時代小説が大好きです。時代小説で政治の素養というものを学んだと思っています。司馬遼太郎から夢と志の世界を、藤沢周平から下級武士の凛としたたたずまい、矜持を、山本周五郎から人情の機微を学びました」


そして、こう続けました。「政治に必要なのは、夢、志、矜持、人情、血の通った政治だと思います。今それらが足りないから、政治に対する不信、政治に対する不安が出てきているんではないかと思います」


 そして最後に、相田みつをの言葉を引用してこう結んだのです。「ルックスはこのとおりです。私が仮に総理になっても支持率はすぐ上がらないと思います。だから、解散はしません。どじょうですが、泥臭く国民のために汗をかいて働いて、政治を前進させる。どじょうの政治をとことんやり抜いていきたいと思います」(中略)


 野田氏のほかに海江田万里氏、前原誠司氏、鹿野道彦氏、馬淵澄夫氏の4氏が乱立した代表選。一回目の投票では小沢一郎氏が支援し、下馬評の高かった海江田氏が首位でしたが、演説は内容が練られておらず、練習もしておらず、ひどいものでした。


 一方で野田氏と馬淵氏の演説は別格。会場内が静まり返り、全員が一つ一つの言葉に聞き入りました。決選投票では「演説を聞いて決める」としていたグループや議員が多く、彼らの多くは一回目に2位だった野田氏に投票。大逆転勝利となりました。


 野田氏の演説を巡っては「政策が見えない」といった批判もありましたが、私は日本の政治史に残る演説だと思っています。野田氏の首相としての仕事ぶりも賛否両論あると思いますが、当時は鳩山、菅という2人の首相のせいで民主党の支持率がガタ落ちしていた時期。平時なら、もっと功績を遺せたのではないかと思います。


 本日の蓮舫氏の演説を聞いて、皆さんはどう感じたでしょうか。私は野田氏ほどの覚悟や意気込みを感じられませんでしたが。

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