ここ数日のゲームニュースを一考 | テレビゲームのソムリエになりたい - yzxのつぶやき

ここ数日のゲームニュースを一考

まだWii本体を開封すらしていないyzxです。こんにちわ。

ちょっと、カルドのデパッグに時間取られてます…開発がこれまでの大宮ソフトではなく、ロケットスタジオという会社が行っており、大宮ソフトから前作までのソースコードの提供もほぼなかったと思うので、プログラムベースを1から作り込んだために、そうそうないインターフェイス周りの退化が起きたんだと。

で、ベースが違うから、もっさり感が生まれて、結果として開発側のデバッグもそこまで時間を割けなかったんだとも思う。そもそも、演出エフェクトが前作より少なくなっていることが、いかに作りこめなかったかを表している。だから、開発環境はかなりドタバタしていたんじゃないかと。

尚、このもっさり感でCPU戦は1ステージ通常1~2時間。
私の過去の経験から察するに、ポールトゥウインなどにデバック作業を頼めば、1コマ7時間単位での発注になるのだが、ゲームによって「200コマ」や「40コマ」という単位で発注するわけで、カルドはCPU戦のチェックだけでも全30面あるから、1ステージを1回きりだけのチェックの場合は1ステージ2時間と考えて、約8.5コマが必要。9人で1日がかり。

当然、デバッグなのだからバグも出てくるので、その都度修正・バージョンアップしていくので1回きりのチェックはまずありえない。そして、ストーリーモードの進行とは別にネット対戦のチェック、500種類を超える各カードの効果・演出、組み合わせによる不整合等のチェックも必要なので、カードゲームのチェックリストの項目は非常に多岐に渡る。

そして、それらの動作チェック全てにおいて、ベースがこれまでと違うために処理が全体的に重く、当初予定していたデバッグに使う予定期間内に全てが終わらずに発売Goサインが出たんであろうなと。もっとも、その通りであれば、そのGoサインが一番間違っているのだが、それでも発売されたということは、予想売上本数の面から見た損益分岐点はとっくに越えていたのかも知れない。

何にせよ、開発のしやすいXBOXという環境で、ありえないぐらいのもっさり感が出たというのは、初期の設計段階に大きなミスがあったんだとも感じている。また、そのミスによって、12月中に予定されているパッチがちゃんと適用できるかどうかも私としてはかなり怪しいのではなかろうかとも思う。(私は360をネットに繋いでいないので、ダウンロード式のパッチがリリースされても意味はないのだが)

12/1にはキッド倒産のニュースが出たばかりで、バンダナムコゲームスも今後販売するゲームとの販売期間の重複というリスクも考えて、どうしても販売せざるを得なかったのだろうと。

まぁ、ここに書いてあることは全て私の独り言なのではあるけれども、『テレビゲームというビジネス』を追求した際の、悪い部分がたくさん重なったのは事実なのではなかろうかと。

もっとも、キッドに関してはソフトの粗製濫造があったのは事実。売るための宣伝(広告費)には力を入れていたみたいだけど、出すゲームの『面白く感じるロジック』がどれも一緒だったのではユーザーも無関心になるだろうと。ここの開発者達はエロゲに流れるのかな? 何にせよ、ユーザーの求めていないものを作りすぎた上に、無駄な広告費も投入しすぎたのではと。結局のところ、人を雇いすぎたのが原因だったのかは分からんが。
KIDのホームページはまだ残ってる

一方で同じく同日、批判の多かった九多良木氏を社長から会長職へと現場から離れる人事を行い、PS3にて今月よりダウンロード販売を予定していた「グランツーリスモHD」を「グランツーリスモHDコンセプト」として無料ダウンロードで提供するとした上で、新たに「グランツーリスモ5」の発売を発表したSCEは、PS3の大幅値下げといい、ユーザーの求めている視点を重視するようになっているようで、好感が持てる。

もっとも、ユーザーの求めているのは業界的にも「グランツーリスモ5」よりも、「グランツーリスモを超えたグランツーリスモ」であって、そういったコンセプトでユーザーに「面白い」を提供できるかが今後のSCEのカギだろう。GT4コンセプト発売時に「子供にも遊んでもらえるように」と言っていた山内氏のコメントが私の記憶に妙に残っていて、当初のダウンロード販売もSCEが抱える現状の閉塞感を打破するためであって、それなりにチャレンジしているが結びついていないのが今のSCEといった所か。値下げは転売を引き起こす引き金にもなっていてソニーの対応による不味さもあってアレだが(PS2の不具合もあるが…)、それによって当初よりも安く買えるようになったのは事実だし。

とりあえず、ユーザーに対して「面白いメカニズム」ではなく「楽しい趣味」的なゲームを提供して来た感のあるSCEが、いかに「面白いメカニズム」今後を生み出せるかにPS3の命運はかかっているのではないかと。ソフトウェア制作をサードパーティーの会社ばかりに頼るのではなく、ソードメーカーとしてのSCEが任天堂のようにソフト面でもぐいぐい引っ張っていかなればならない。

とりあえず、カルドに関しては、書きすぎた感もあるのでこれからは以前のエントリーに追記して更新していくということに。

あと、今日は以下のニュースに関してリンクを貼っておく。
センサーバーをうまく設置することがWiiリモコンを生かすカギ

最近、度々チェック入れるようにしているニュースサイト impress のゲーム欄の記事。Wiiリモコンのレスポンス(反応)が悪い人は、今一度確認して見るといいのではないかと。