前2回、アメリカで女性が活躍してる話を書きましたが、アメリカ在住のマチスさんから、「日本人男性でこんな風に考えてくださる人が、もっと増えることを願います」とコメントをいただきました。


私は、長銀調査部にいましたが、ここは、80年代から女性エコノミストを意識的に育ててました。私もずいぶんこれをやりましたが、調査部担当役員だった竹内宏さんが、おれは女性を育てたので役員になったんだ、とよく自慢してました。数ヶ月前に会ったときも、この話をしてたので、よほど頭にそう思ってるのでしょう。


そんなわけで、女性が基幹労働力になるのを不思議なこととは思いませんが、この問題を考えて見ます。結論は、産業構造が、ハードからソフトに変わるので、必然だ、です。


既に、アメリカとイギリスがそうで、製造業で、日本などのアジアに負けた結果、ソフト産業への移行が一層進み、女性が活躍する経済になってますが、日本でも、タイムラグがあるだけで、同じです。


産業構造のソフト・クリエイティブ化→女性の基幹労働力化→製造業に適応してた古い制度の変更の順で、現在は、2番目と3番目の先端現象が、日本で起こってるのです。政治家や政策をつくる官僚が、市場の力に尻を打たれて、追いかけられてる姿が浮かびます。


来年度予算で、育児をしやすい政策をつくるのが今の流行ですが、これは、産業が女性向に変ってるのに、古い制度のままで女性が働きづらい、それを修正しようという現象だと思ってます。


残業規制など、女性保護の規制があり、だいぶんなくなりましたが、こんなのもなくさないといけません。


IT産業、金融、消費財での商品開発などで、既に女性の活躍が見られますが、社会の制度が追いついていないのがダメで、この辺りは、安部さんへ期待したいことです。「再チャレンジ」を政策の軸にかかげてるので、女性の再チャレンジ、ソフト経済で主力労働力になる、でいいじゃないですか。


製造業社会については、「ネット進化論」を書いた梅田望夫さんも、日本企業のものづくり体質について怒ってることをブログに書いてますが、ものづくりしか賞賛せず、ソフトづくりを讃える風潮がないことを嘆いてるのです。問題の根っこは同じです。


梅田さんは、日本の大企業をコンサルしており、シリコンバレー風の開発をすすめてるんですが、そのリアクションとして怒りが湧く。私も、ソフト化経済センターを経営していたので、全く同感で、今考えると、腹がたつことが多々あった。


しかし、なくなって行くトレンドで、ろうそくの最後の輝きみたいなものですから、冷静に見つめてるだけでよく、最後のロウソクを眩しいと怒るのは、無益なことだと、いつも思ってました。