当院で眼内レンズを導入するに際して、準備期間として、数年を要しました。
米国眼科学会に出席しているうちに、”ヒーロン”という言葉がしきりに聴かれるようになりました。初めは何のことだかわかりませんでしたがヒアルロン酸製剤の商品名のこととわかって、眼内レンズ手術に際して、安全のために必須の製品であることがわかりました。
そこで、日本国内でヒアルロン酸製剤をさがすことにしました。
東北大学抗酸菌病研究所にヒアルロン酸研究会があって、問合せたところ、眼科については長崎大学の眼科高久功教授(故人)に聴いてみるようにアドバイスを受け、早速高久教授にTelしました。
高久先生は東北大学講師時代が長く、私達はよく面倒をみてもらいましたので、何の気がねもありません。
高久教授「東村山市の生化学工業㈱に奥山先生という工場長が居るから自分の名前を使って直接もらいに行きなさい。そこの製品は人眼に使ってもOKだ」とあっさり言ってくれて、早速その通りにしました。
生化学工業㈱のヒアルロン酸製剤は参天製薬で「オペガン」として製品化されました。
私の場合、眼内レンズ手術にあたって、初めからヒアルロン酸を用いることが出来て大変ラッキーでした。
ヒーロンが輸入出来るようになったのはその1年位後だったと思います。