脳梁の大きさに男女差なし

リーセ・エリオットが率いる英国のロザリンド・フランクリン医科学大学の研究により、これまで「男性脳」「女性脳」の根拠とされてきた「脳の性差」は実際には存在しないという研究成果が発表された。

研究チームは、6,000件を超えるsMRI(構造的核磁気共鳴画像法)検査の結果をメタ分析した結果、まずは、脳の海馬の大きさに大きな男女差はないことを示した。

さらに今回の研究では、大規模なメタ分析により、海馬以外のふたつの性差説も否定されたという。具体的には、左右の大脳半球をつなぐ神経線維が束になった脳梁は、大きさに男女差があるという説が否定された。また、男女の脳は半球による言語処理の方法に大きな違いがあるという説も否定されたという。

「男性脳」「女性脳」は存在しない?:英国の研究結果

“女性はマルチタスクが得意”本当か?最新調査で否定された脳の性差

イスラエルのテルアビブ大学心理科学部のダフネ・ジョエル教授らが昨年11月末に「Proceedings of the National Academy of Sciences」に発表した研究論文によれば、性による違いは脳のごく一部にみられるものの、個々の脳に大きな男女の差は存在していないという。

教授らは1,400人以上の脳をMRIでスキャンし、脳のさまざまな部位における組織の厚みや重さなど、脳の働きよりも解剖学的特性に注目した。個々の脳の部位を測定してポイントをつけ(たとえばある部分の組織が厚く・重ければ10ポイントなど)、男女の脳で特性が見られるかどうか分析を行ったが、個々の脳が男女どちらかに明確に分けられるケースはほとんど見当たらなかった。

また教授らは、過去に5,000人以上の被験者に対して行なった、2つの研究を見直し同様の分析を行ったが、結果は同様だったという。

解剖学的みかたでは、男女の脳にはほとんど違いはないようだ。​

そもそも脳梁が太いと発表した学者が調べたサンプルが20個に過ぎなかった。

1982年に切断されホルマリン漬けされた脳を調査したある学者が、女性の方が左右の脳を繋ぐ神経の束の部位、つまり脳梁が厚いと発表した。しかし、彼が調べたサンプルの脳は僅か20個に過ぎなかった。現在、MRIを使い、100人もの脳梁を調べた結果、男女でこの部位の厚さに違いは見られなかった。

女性はマルチ行動に優れているのか

 

サンプルがたった20個しかない研究と、数千人以上調べた研究どちらが信頼できる調査かは一目瞭然である。


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