円高に対する理解の根本的な欠如 | グレッグのブログ

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昨今のマスコミ報道を見ていると円高に対する根本的理解の欠如がわかる。

まず、高いインフレを忌避しようという期待形成が政治家にも官僚にもあるなら円高は容認されなければならない。

他国は高めのインフレに中央銀行が誘導しているのである。

貨幣の価値が下がるインフレに誘導している他国と貨幣の価値が上がるデフレを容認しているわが国で、通貨価値の高低に差が出るのは当たり前である。

ビックマックの値段が1杯300円だったのが250円に下がれば円の価値は上がっている。

しかし、海外ではビックマックの値段が上がり続けている。

海外の貨幣価値は下がっているのである。

そうなれば必然的に名目での円の価値は上がるに決まってる。


日本は他国より貨幣価値が年々上がっているのに、円高はけしからんとは何事だろうか?

安住財務大臣などは全く経済の初歩もわかっていないようだ。

投機筋という実体のないものと戦っている。

投機筋は将来の期待を織り込んで行動するものである。

円高で産業空洞化に懸念があるなら、円の価値を他国並みに落とさなければならないはずだ。

つまり他国並みのインフレが必要なのである。


しかし、今回も日銀は5兆円という信じられないほど少額の緩和を行った。

ハッキリ言ってゼロがひとつ足りないし、インフレへのコミットメントや具体的な為替へのコミットメントもない。

こんなもんで市場の予想が動くはずはないのである。

しかし相も変わらずマスコミは「金融政策は限界」「日銀は大量の資金を供給しても円高は是正できない」

全く話しにもならないのである。


自国のインフレ率が他国並みにならないと円高は持続する。

そういう市場の予想が投資を控えているのである。

放置しておけば貨幣価値が上がるのに誰が好き好んで危ない橋を渡り、投資するだろうか?

物価は年々下がるのに誰が好き好んで、急いで貨幣を財やサービスに換えるだろうか?

持続する円高シンドロームの中で誰が好き好んで外債に手を出すだろうか?

円で持ってジッとしてるのが得策なのである。

そういう状態が持続しているのに財やサービスの産出量が増えるわけないのである。


円高も不況もデフレが原因なのである。

そういう基本的な理解がこの国では全くないのである。