貨幣の流通速度を上げるには? | グレッグのブログ

グレッグのブログ

ブログの説明を入力します。

http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html


日本の名目GDPが低下をし続けている。

今年は1991年と同じレベルになるようだ。

実はマネーストックは微増である。

ここで貨幣数量理論を登場させる。


MV = PT

Mはマネーストック、Vは貨幣の流通速度、Pは物価、Tは産出量である。

つまり右辺は名目GDPに等しい。

Mはマネタリーベース×信用乗数である。

マネーストックが増えているにも関わらず、名目GDPが減り続けているということは貨幣の流通速度が落ちている証拠である。

つまり、貨幣が動かず、人から人へ流通していないことを示している。


日銀の白川総裁が「日本銀行のバランスシートは名目GDPとの比で先進各国並みに既に大きくなっている」と胸を張った。

彼には貨幣流通速度への思慮が欠けている。

日本は日銀がインフレを許容していないので持続するデフレ予想、円高シンドロームの状態なのである。

貨幣が少しでも価値が落ちようものなら、直ちに日銀の引き締めが来るのは想像に難くない。

実際にGDPデフレーターが低下の一途であった2000,2006年は金融を引き締めている。

だから国民も市場も今後もおカネの価値が上がり、持続する円高を予想しているのである。

そんな状態で誰が貨幣を手放すというのか?


日銀は量的緩和をしながらインフレを許容しないという動学的に不整合な政策を採用し、市場が日銀の緩和を素直に行動に取り込めないでいるのである。

日銀は完全に市場のコントロール機能を失っている、と考えていい。

正に無能中央銀行である。

そして「量的緩和は効果がない」「財政規律を確立せよ」など寝ぼけたことを言うのである。


デフレの今、増税をアナウンスする民主党政権と日銀は日本国民にどれだけの苦痛を与えているだろうか?

全く、怒りを禁じえない。