期待経路が理解できない人たち | グレッグのブログ

グレッグのブログ

ブログの説明を入力します。

量的緩和しても銀行の日銀当座預金が積み上がるだけだから、効果がない。

量的緩和は日銀当座預金が使われなければ円安になりようがない。

インフレを起こすことは通貨当局にできるわけがない・・。


挙げればキリがないが、こういうトンデモ話がまことしやかに語られる昨今。

デフレで資金流通量が低下しているのに、そこから増税しようとする政府。

まさに大飢饉時に、お上の台所が苦しいからと年貢を取り立てる悪代官と同じである。

それを是としているマスコミ・・。

全く話しにならない。


国債を日銀が買って現金化するということは過去に実際に使われた債務を帳消しにすることである。

現在使われようが過去に使われようが債務帳消し行動であることは明白である。

そして大事なことは量的緩和をすることで市場の貨幣が確実に増えるということだ。

この行動は市場に貨幣が増え続けるという「予想」を喚起する。

つまり、人々がおカネを保持することに機会費用が発生するわけである。

言いかえれば、おカネを保持することは損になるという「予想」が生まれる。


でなぜ日本では量的緩和が効かないんだろう?

まさしく日銀の市場へのアナウンスメント効果であろうと思う。

「異常な事態のいち早い解消が必要」「1%のインフレを希望する」など・・。

ゼロインフレで引き締める気が満マンである。

そして実際に2000年2006年とゼロインフレで利上げをした。

こういう状態で誰が貨幣を持つことの機会費用を実感できると言うのか?

一時的な量的緩和は効果がないのである。

市場は常に将来を睨んで現在の行動を決定しているからだ。


実際に消費や投資を行う主体が必ずしも政府でなくても良いのである。

それより大事なことはインフレターゲットを明確に宣言すること、である。

そうすれば貨幣を保持することは損になるわけだから、民間が勝手に貨幣を財やサービスやその他資産に換えていく。

そういう民間の期待経路を無視するから、上記のような馬鹿げた議論になるのである。


今必要なのは「民間のインフレ予想」なのである。