よく学生から「なんでまっつんさんはエンジニアではなく人事をやっているんですか?」
と聞かれる事があります。


そもそも、9歳からプログラミングをしていて、人事をやっている人なんて
日本中でも、世界中でもほとんど居ないと思います。
普通であれば、エンジニアとしての道を究めているところ、
なぜ、いま、人事なのか。
その理由は、下の3つに集約されます。



人類の多様性を最大化させたい

私が最も成し遂げたいのは"全ての人がやりたいことを見つけられて、
それを仕事にできる世の中を創る"
ということです。


人がよりクリエイティブなことに集中できる環境があれば、
自然とやりたいことを見つけられる世の中にできるのではないかと思います。
特に教える側の人間(教師や教授、親等)の環境が良くなればなる程、
全ての人がやりたいことを見つけられる状態を作りやすいと考えています。
例えば教育現場では黒板やノートは電子化され、
生徒の成績は小中高大一貫してDBに蓄積された情報から分析できたり、
生活の中では今日の自分の体調を判断してくれて、部屋が自動で
温度湿度調節や料理のメニューを提示してくれたり、などといった、
テクノロジが世の中に溢れているような状態を望んでいます。


それは私一人で全て作るよりも、いわゆる、文科省のトップにも、
家電メーカーのトップにも、テクノロジを深く理解している
スティーブジョブズみたいな人が就いているような、
当たり前に、当たり前が存在する時代が来て欲しい。
そんな風に考えています。


また、私は9歳からプログラミングをしてきました。
普通に考えれば、小学生でプログラミングしていたら「変なヤツ」と思われるはずです。
しかし私の周りはそうではなく、技術を評価してくれる友人が多く居ました。
楽しいと思える事を蔑まれれば、本当にやりたいことであっても
それを仕事にしようと思ったり、実際にそうしたりは難しいと考えています。
当時私を評価してくれた友人達に感謝しつつ、
自分もそういう人間になりたいと思っています。


特に「就職活動」になると、なぜか今までやりたいと思っていた事を
仕事にできない人が多く居ます。
それはもちろん上記のやりたいことの見つけ方を間違えてる可能性もありますが
むしろ今時点の世の中ではそのやりたいことを実現できる環境が整ってないとも思えます。


エンジニアの皆さんにはこのことを「世の中をハッキングしたい」と言っています。
ハッキングというと"侵入"という悪いイメージに聞こえがちですがそうではなく、
世の中の動作を解析して、それをより良くエンジニアリングする、ということです。
たとえ自分の名前が世に出なくとも、それが達成できればと考えています。



②エンジニアの時代を創る

①を実現するために必須なのは、やはりエンジニアの存在です。
全ての人がテクノロジを深く理解している、いわばエンジニアの時代を
作り上げるための環境は、日本ではまだまだ足りていません。


シリコンバレー界隈では年収や待遇、労働環境など、
エンジニアにとって最高の環境が用意され始めています。


クリエイティブなオフィス。
充実した福利厚生。
高水準の給与。
仕事から、世界に与えられる影響力の大きさ。
さらにはエンジニア各人に個室を与えたり、フリーの食堂があったり、
無限に休暇を取れたり、無償でハウスクリーニングされたりといった事までしており
充実していっているように思います。
ちょっと行き過ぎかもしれませんが、それぐらいが普通だと思っています。


他にも世界ではプログラミングが高校授業の必須科目になっていたり
会社のトップ陣には必ずCTOが居たりします。


私もエンジニア人事という立場から、
エンジニアの環境をより良いものにして、
エンジニアにとっての楽園を創ったり、
まだエンジニアではない人たちもエンジニアになりたいと考えるような、
共にこの時代を創る人をもっと増やしたいと思っています。



③最も成し遂げやすいのはサイバーエージェント

では、なぜ人材企業でも教育企業でもなく、サイバーエージェントなのか。


いつ聞いたのかは忘れてしまいましたが、入社前、こんなことを聞いた事があります。
"うちはメディアや広告が無くなっても潰れないけど、人事が無くなったら終わる"
少し言い過ぎかもしれませんが、これはかなり正しいと感じています。
当社は社長が常々言っているように、人材をとても大事にする組織だからです。


厳密に比較すると明確になると思うのですが、当社は非常に人事の施策が多い会社です。
新イベントや新人事制度、新活性化案など、人事が扱える裁量権がとても多いです。
私が任せていただいたことを少しだけ挙げたとしても、
例えば数千万円かかるプロジェクトの戦略立案から実行まで、や
入社2年目にも関わらず1年で2回も海外遠征して採用活動を行ったり、といった
普通あり得ないほどの裁量権を渡してもらえます。
人材を大切にする企業で、大きな裁量権を持って仕事ができる。
それだけでも大いにやりがいがあります。


また、エンジニアの気持ちを最もわかるのは、元エンジニア人事だと思っています。
うちの人事にも、エンジニア上がりの人事は多いです。

シニアマネージャーのW田さんや、中途採用チームのW林さんは
元他社でSEとして働いており、当社に転職してから人事をやっています。
他にもマネージャーのO八木さんや本部採用チームのY田さんは
元々当社子会社でクリエイターをやっていて、今人事に抜擢されています。

経営層がこの方々を配置しているという視点から考えても、
テクノロジの事が理解され、かつ、自分の力を生かせる環境が、
サイバーエージェントにはあると感じています。


これらのことから言える通り、
サイバーエージェントは世界でも有数の、人事が活躍できる会社であり、
自身の力が最も活かせる環境だと感じました。



以上の理由から、私は9歳からプログラミングをしているにも関わらず、
現在では人事をしています。


なぜ元エンジニアが人事をやっているのか気になっていたみなさんへ、また、
これから様々なキャリアを目指している方へ、少しでも参考になれば嬉しいです。