約束の空 卒業 1 | ★妄想変態恋愛小説★

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今日は高校の卒業式。



あたしは、いつも通り保健室にいた。



「はい、先生。紅茶。」



「おっ、ありがとな。」



今日で先生とは最後だ。



「琴海…お前どした?」



「……え?」



「泣きそうな顔してる。」



「だっ…だって、ここで先生と、過ごすのも最後だって思ったら…あたし。」



だめだっ…泣きそうっ。



「琴海?」



「……ん?」



先生を見ると



「オレは嬉しいぞ?」



「な…んで?」



毎日あたしと会えないんだよ?



何で嬉しいの…?



「だって…やっとオレのもんになんだろ?」



先生があたしを見つめ言った。



「……っ!!」



「卒業式終わったら家来いよ?」



「う…うん。」



何か怖くなってきた…。



「そんな怯えんな。オレだってすぐに、食ったりしねぇよ。」



「……。」



食うって…。



「琴海いるかー?」



ノックもせず入ってきた平助先生。



3年間担任は平助先生だった。



「へ…平助先生っ!?」



「おっ、入っちゃマズかったかー?」



「いっ…いえ。そんなことないですっ。」


ブンブン顔を横に振った。



「そっか!なら良かったー!…って左之さん睨むなってー!!」



先生を見ると平助先生を睨んでいた。


「あ、先生。あたしに何か用ですかっ?」



あたしは平助先生に話しかけた。



「お、そうだった。何か用…じゃなくて、もう卒業式だぞ?教室戻れ。」



そうだった!!



「あっ、はい。じゃぁね、先生。」



原田先生に手を振り、平助先生と教室へ向かった。



「琴海。」



「なんですか?」



「ちょっといいか?」



「……?はい、いいですけど。」



先生は空いてる教室に入って行った。


「あのさ。」



「はい。」



いつもの平助先生と違って、元気がないように見えた。



「卒業したら、お前左之さんのもんになるから言っとく。」



「……?……は、い。」



「ずっと琴海が好きだったよ。」



「……へっ!?」



思いもしていなかった言葉に、変な声が出た。



「お前が入学してオレの生徒に、なった時からずっと…だ。」



先生は、あたしを見つめ言った。



「う…そ…。」



先生の言葉が信じられなかった。



だってあの時、背中を押してくれたのは、平助先生だったんだから…。



「嘘じゃないって。でも左之さんのツライ過去…オレは知ってる。だから琴海なら左之さんのこと、任せられると思ったから…だから引いたんだ。」



“でも…”



と、あたしから目を逸らした先生。



「やっぱり言わずには、いられなかった…ごめん。」



そう言って申し訳なさそうに謝った。



「いえっ…そんな…。」



正直なんて言ったらいいのか、分からなかった。



「あっ、でもさ!お前を困らせようとか、そんなんじゃないんだ!ただオレが前に進むために、言わなきゃって。だからこれからも普通に、接してくれよな?」



いつもの先生だった。



つづく…