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2月13日



「優樹菜っ!一生のお願いっ!!」



「茉央…あんた一生のお願い、何回使うのよ…。」



「これで最後だからっ!!」



「どうだか…。」



あたしは今、親友の茉央に、一生のお願いをされている。



何度一生のお願いを、されたことか…。



「今度こそ運命の人に、出会えるって!!」



「別に、あたしは望んでないし。」



「もう、いつまで引きずってんのよ。」



「……だって総司は、あたしにとって、かけがえのない人なんだもん。」



「でも、もう総司くんは、彼女がいるんでしょ?もう忘れなさい。」



「他人事だと思って…。」



「うん、他人事だもん。」



「……一生のお願いは却下。」



「うそうそうそー!!総司くんのこと、忘れなくてもいいから!!だからお願いっ!!」



「はぁ…。分かったわよ。今回で最後だからね。」



「ありがとう!!優樹菜大好きっ!!」



結局あたしは行くことに、なってしまった…合コンに。



あたしには忘れられない人がいた。



それが総司。



彼とは、あたしが19歳の時から、付き合っていた。



喧嘩もあったけど幸せだった。



5年も付き合ってたから、結婚もあるんだろうな…そう思ってた。



だけど将来を考えていたのは、あたしだけだったみたいで…



「好きな人ができたんだよね。別れてくれない?」



あたしは振られた。



5年も付き合ったのに、別れはアッサリだった。



本当は



「イヤだっ!別れたくない!!」



って言いたかった。



でも、あたしは2つ上ってこともあって



「そっか…その人と、付き合えるといいね?幸せにね?」



総司の前で大人ぶって、こんな強がりを言った。



心の中じゃ、そんなこと1ミリも思ってなかったのに。



結局あたしは総司の前で、泣くこともなく1人になっても、泣けなくて1年経った今も、あたしは泣いていない。



泣いたら負ける気がしたから。



2月14日



今日はバレンタインデー。



そして茉央に無理矢理、参加させられた合コンの日。



そして…総司と別れた日。



去年の2月14日の前日、あたしは総司にチョコレートを、渡そうとガトーショコラを、作ることにした。



仕事から帰って来たあたしは、ヘトヘトになりながらも作った。



1年目はチョコレートマフィン。



2年目はトリュフ。



3年目は生チョコ。



4年目は焼きチョコドーナツ。



どれも美味しいって、喜んで食べてくれた。



ねぇ、総司。



今日は彼女からもらった、チョコを食べるの?



あたしが頑張って作った、ガトーショコラ食べてほしかったよ。



「美味しい!」



って言ってほしかった。



あたしだけに見せてた、笑顔を見せてほしかった。



それも、もう彼女にしか、見せないんだね。



苦しいよ…総司っ。



PM:19時



約束の5分前に店へ着いた。



ドタキャンしてやろうと思ったけど、茉央の仕返しが怖かったので諦めた。



「あの…予約していた、永倉ですけど…。」



あたしは予約してくれてた、“永倉”という、まだ見知らぬ人の名前を告げた。



「永倉様ですね。どうぞこちらへ。」



店員さんに連れられテーブル席へと、案内された。



えっと…誰か来てるかな…?



「……っ。」



あたしは言葉が出なかった。



だって…だって…テーブル席に総司が、座っていたんだから。



あたしが突っ立ていると、総司が、こちらを見た。



一瞬、目を見開いたがすぐに笑顔になり



「久しぶりだね、優樹菜ちゃん。」



優樹菜ちゃん…。



付き合ってた時は“優樹菜”って、呼び捨てだったのに…。



だから、あたしも笑顔で言った。



「久しぶりだね、総司くん。」



総司は左の1番端っこに座っていた。



だから、あたしは右の1番端っこに座った。



「あれ?向かいの席に座らないの?」



なんて真顔で言う。



なんだろうな。



あんなに好きだった人。



愛してた人。



彼じゃなきゃダメだった。



あんなに会いたかった。



もう1度好きと言ってほしかった。



もう1度愛してると言ってほしかった。



もう1度“優樹菜”と呼んでほしかった。



なのに…なのに…



“優樹菜ちゃん”って言われて、あたしの中で何かが吹っ切れた。



だから…



「あたしは、この席が良かったの。」



笑顔で言った。



その直後、他の人達が来た。



「おっ、総司早かったんだな!あ、初めまして!」



茶髪で短髪の男。



背は170cmくらいで体格が良かった。



そして、もう1人。



無言で入ってきた男。



彼は黒髪で背は高くて180cmくらいあった。



すごく機嫌が悪そうで話しづらそうだった。



そんな黒髪は、あたしの向かいに座り、茶髪の男は真ん中に座った。



それにしても何でこの黒髪は、、機嫌が悪いのだろう。



あたしと一緒で無理矢理だったんだろうか。



じゃなきゃ、こんな機嫌悪いはずないよね…?



そんなことを思っていると茉央たちが来た。



「優樹菜ーっ、遅くなった!!ごめ…!?」



多分、総司を見つけたんだと思う。



つづく…