コペンハーゲン初日の締めくくりは、クリスチャニア。


クリスチャニアとは、政府より特別に認められた行政自治区のこと。

市の南東部に広がる人工の島、クリスチャンハウンの中に位置しています。



クリスチャニアの国旗



クリスチャニアについて軽く説明。


この島は、18世紀に城塁として構えられた後、軍の用地として使用され、兵舎が建てられた。35ヘクタールもの広大な土地は、その後荒廃し、1970年代からはヒッピーたちが兵舎跡に住み着くようになった。


彼らは自由を求めて、デンマークの法には頼らない独自のコミュニティを形成。当時のヒッピーたちの姿を見ることはできないが、彼らの意志を引き継いだ「後継者」たちが、現在も800人ほど、ここに暮らしている。


2004年に、政府によって厳しい取締りが行われるまでは、カナビス(大麻)の取引が公然と行われていた。カナビスのマーケットを求めて、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドからディーラーが仕入れにきていた時代もあったという。


さらに詳しく知りたい方はこちら↓↓

http://www.cannabis-studyhouse.com/52_travel_report/06_chiristiania/06_hippie_town_under_pressure/hippie_town_under_pressure.html


Wikipedia in English

http://en.wikipedia.org/wiki/Freetown_Christiania



お分かりの通り、安全な地域ではなかったです。夕方のまだ明るい時間に行ったからよかったものの、夜だったら間違いなく、危険だったと思います。もちろん、日本人2人だったら決して行かなかったです。何か起きたら守ってもらえるFrench and Austlian guysがいてくれたので。もちろん、アジア人には移民以外はすれ違いませんでした。


クリスチャニアは観光地ではないため、写真撮影が禁止されています。(本当の理由はカナビスにあると思いますが)


今までバンバン写真を撮り続けていたので、撮影禁止というだけで、妙に緊張。カメラの画面を通してではなく、直接目に飛び込んでくる光景に最初は動揺を隠せませんでした。


なので、別サイトからの写真を載せます


クリスチャニアの入り口。



私たちが訪れた26日はクリスチャニアの独立記念日だったので、昼間からお祭り騒ぎでした。

広場では、ステージでバンド演奏が行われる中、まわりのBarでは、大勢の人が昼間から酔いつぶれていました。

彼らの手には必ずと言っていいほど、「たばこ」が。匂いからして、中身はたばこではなかったです。

広場で煙に包まれた瞬間、今まで嗅いだことのない異様な匂いがするとは思っていましたが、あれがカナビスの匂いというやつなんですね。フランス人の友達は、この匂いが好きだと言ってましたがww


そして、みんな目がおかしい。視点がさだまっていないし、風貌も一昔前のような人たちばかりだった。

低所得者やホームレスが多いだけに、みな薄汚れたかんじ。

一見、みなすごく楽しそうに見えた。何を気にするでもなく、自由に生きている姿が。

でも一方で、何に生きがいを見つけるでもなく、孤独や淋しさを抱えて、お酒とドラッグに頼って生きているように感じたのは気のせいかな。


驚いたのは、子どもが多いということ。クリスチャニアでは子どもがいる家族もふつうに暮らしている。

こんな環境で育ったら、子どもも間違いなく同じ人生を歩むに決まってる。


10代の子たちはみなおしゃれで、この子たちはここの住民ではない気がした。

カナビスを買い求めてやってきているんだろうか。

人ごみから少し離れた路地では、12~13才の子たちが平然と吸っていた。

2004年に禁止されたとは言え、まだまだ無法地帯。この日はお祭りだったせいもあっただろうけど。



クリスチャニアに来るまで、この地域の実態についてほとんど知らなかっただけに、ショックが大きかった。

デンマーク=福祉大国、男女平等社会、デザイン先進国 ぐらいのイメージしか持っていなかった。

コペンハーゲンという名前の美しい響きからは、想像もつかない世界。映画の中に迷い込んだようだった。そう、たとえるならパイレーツ・カリビアンの海賊たちの雰囲気。


暗くなる前にクリスチャニアをあとにした。しばらく、コペンハーゲンという街が分からなくなって、運河からのきれいな夜景を見ながらも呆然としてしまった。

オーストリア人の友達も、「人だけでなく動物もおかしかった。

あそこは特殊な世界だ。何で存在し続けられるのか不思議でしょうがない。」とぼやいていた。





日本にいたら決して味わうことのなかっただろう感覚。久しぶりに恐さを感じた。

クリスチャニアでもまた、日本がいかに安全な国であるか思い知らされた。

少なくとも、大麻に依存して生きているような人は日本にはいない。

大麻はアルコールやタバコより依存度は低いというけれどね。


同じ地球であっても、まったく異なる境遇で生きている人の方が、圧倒的に多い。その事実を目の前に突き出されたような気がする。

クリスチャニアに暮らす人はまだ、幸せだと思う。彼らは彼らなりに仕事を持って、毎日楽しく暮らしているのだから。(次の日、街の中心部の市場でクリスチャニアの住民と思しき人たちがマーケットに出店してた。)


一緒に行ったメンズがいなければ、クリスチャニアに行ってこんな貴重な体験をすることもなかっただろう。

感謝せねば。


コペンハーゲン初日。たくさんのきれいな景色と出会い、色んな人を見て、頭が疲れました。

夜行バス明けだったから余計に。コペンハーゲンの印象について整理がつかないまま、11時には就寝したyuridonでした。