昨日主人と二人で、映画・イニシャルD(頭文字D)を見に行きました。
朝8時10分からの映画です。しかも60分あまりと映画としては短いものです。
朝6時45分に自宅を出て新宿へ。
特急が走っていたので、7時20分には新宿についてしまいました。
ぶらぶらするのも面倒なので、映画館へ行くと、8時上演の映画のために結構人がいました。
そして私たちの見る映画も、昨日予約したときは、4・5人しかいなかったのに、3分の2ほどの席が埋まっています。小さな会場ですがその日は1回しかない(日曜で1回、しかも早朝だから平日はやってないのかも)、好きな人はとっても好きな映画なんです。
私も好きですが、主人は大ファンで、JCOMで放送されるたび録画、原作は本棚の一等席に日焼け上等と言わんばかりに並べてあります。
これは、30年ほど前のトレノというトヨタの車で、「藤原とうふ」と看板のついた、ハチロク(AE86)というシャシナンバーの車に乗っている、藤原拓海という青年??少年が主人公です。
当時はマツダのロータリーエンジンや日産のスカイライン、シルビア、などがブイブイ言わせていたころで、トレノAE86は若干時代遅れ、という頃です。
車に詳しくなくても楽しめるのですが、私も前の家が車の電気屋(今は息子が後を継いでいます)なので、車は知らないわけではないし、まあ好きなほうです。
今回は、藤原拓海君(主人公)と、高橋涼介さんという、公道最速のドライバーとのバトルで、私が見逃したのではないかと思っていたシーンでした。
でも、終わってみると見ていたんです。
最後のシーン、確かに見おぼえありました。
これだけ大きなバトルをなぜ覚えていなかったのか……
それはあまりにも卓越した心理戦のストーリー展開にありました。
面倒なので、ストーリーは省きますが、大体のレースものとか公道バトルという物は車の性能や、主人公の技術を競り合うもので、いかに性能のいい車で、いかに技術の高いレーサー同士が戦うのか、というのが主な展開の中心になります。でも
これは少し違うのです違うのです。
まず車の性能やドライバーの技術も書いてあるのですが、何より心理戦がすごい。
とうふやの息子(藤原拓海)が父親の車で豆腐の配達をすることで刷り込まれた運転テクニックを、バトルという公然の場で走ることで、成長していくストーリーなのですが、何より面白いのは心理戦で、どちらがどういう作戦や技術で戦うかという情景が見事に描かれています。
今日の映画だけではなく、イニシャルDそのものが車と公道を舞台にした、心理戦なのです。
その中でも今日の映画は、最高のバトルとされているシーンでした。
なので、最高に楽しい上映になり、映画が終わると皆さん無言で立ち去っていきました。私たちは最後に出ようと、皆さんが出ていくのを見ていました。
子供もいたのですが、その子でさえ父親と少し会話を交わしたぐらいで、静かに出て行ったのです。それほど余韻も強い物でした。
私も小説を書きますが、小説は情景描写、背景描写、心理描写など、すべてが文字で表現されます。
なので、文章テクニックがあればだれでも書けますが、だれもが面白いと言ってくれる作品を書くのは難しいし、何より書き上げられないと、話になりません。
今日の映画は、とてもいい刺激になりました。
書く目標を見つけたような気がします。
「現実では絶対にできないことを、かなえるにはどうしたらいいんだろう」と小学生の時アニメを見ながら思ったことがあります。
「そうだ、自分で作ればいいんだ、自分のやりたいことを書いてみたらその主人公になれる」
これが小説を書き始めたきっかけでした。
まさにそのロマンを書き上げ、運テク野郎や走りたがりを熱狂させる作品がイニシャルDなのでしょう。
でも、こういう人のファンて、大体運転マナーいいですよ、無茶なこともしないし、私も車の運転をしますが、公道レースのような品のないことは若いとき少しやったぐらいです。若いころは、追い抜かれたら、抜き返せって思っていましたからね。
まだイニシャルDを知らない頃です。
今はとてもしません、どうぞお先に。でもさすがにトロい車は抜きますけどね。
つづきます。