初めてヴェネツィアのアカデミア美術館に行ったのは旅行でイタリアに来た10年ほども前になるのですが、再度、行ってみて、10年前とは違う印象を受けました。


イタリアにいると、美術作品にあふれていて、何を見てもそれほど感動しなくなるか、というと、全然、違うのです。
美術史や修復を学ぶ前と、色んな見方で再発見ができて、昔は何を見ていたのだろう、と。
イタリア史に詳しければ、また別の見方もできるのでしょうし、知識とは関係ない感覚的な面からも、感じ方って変わるものですし。


ということで、強いていえば、一番印象的だったのはカルパッチョの間です。



vit carpa

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(過去記事 カルパッチョ


昔はミケランジェロやカラヴァッジョのようなアカデミックな正確なそして迫力のある絵が好きだったのですが、今は好みの範囲が広がったのか、カルパッチョ(またはその派)の大きな絵を見ると、圧巻で、ヴェネツィア自体の風景はそう変わってないだけに、不思議な感覚でした。
だから、サン・ジョルジョ信者会も気に入りました。


あの手の絵(ヴェネツィアの風景と歴史的あるいは日常的な中の大勢の人たち)はローマでは見られませんから....



その他の教会にもヴェネツィア派の作品がたくさんあり、楽しめたのですが、どの教会も有料なのにはびっくりしました。

(と、ローマ人に話すと「へえ、そうなの」とまたびっくりされました。)
確かに、名画があって、それだけの価値はあるとも思うし、教会もお金が必要なのでしょう。
でも、ローマは美術館は有料だけど、教会は中にどんな名作があろうと無料だから、それに慣れていると、「観光客からお金を吸い上げようとしてるな」と思ってしまいました。


入口には何も書いてなくて、ドアを開けて中に入ると受付があって「3ユーロ」とか書いてあって、「あら、有料だわ」と引き返す外国人観光客の姿もちらほら。
もしかしたら、近い将来、ローマの教会も拝観料とるようになるのかもしれません....