roma

精神的にも肉体的にも、とても疲れていた時期があった。
仕事の帰り、バスに乗っていると、たぶんアメリカ人観光客と思われる若いグループの1人が外の景色を見て言った。
"What a beautiful!"
窓の外はライトアップされたコロッセオやフォロロマーノが。
「ああ、確かに。」と思った。
初めて見る者にとっては感動的に美しいだろう。
毎日見ていると、麻痺してしまって、何も感じなくなっているのかも、と。
こんなに美しいのに、疲れていて、目に映っているものが見えていなかったのかも、と。
網膜に映っていても、それを意識しないと、見たことにはならない
何も遺跡やローマの風景だけではない。太陽の光、緑、木々、風.....
周囲にまたは自分の中に何があっても、それを見ないと、何もないのと同じだ
幸福も、喜びも。
"What a beautiful!"という言葉で、心の中の目が覚めた気がした。