南アフリカの洞窟(どうくつ)で、190万年前ごろの猿人の化石が発見された。この化石は猿人から原人への進化の過渡期的な特徴を持ち、現生人類(ホモ・サピエンス)を含むホモ(ヒト)属の祖先にあたる可能性があるという。南アフリカ、米国などの国際研究チームは新種の猿人として「アウストラロピテクス・セディバ」(セディバ猿人)と名付け、8日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。

 現生人類やネアンデルタール人、ジャワ原人などが含まれるホモ属は、およそ200万年前にアウストラロピテクス属の猿人から進化したという説が有力だが、その起源はよく分かっていない。

 研究チームは2008年8月、195万~178万年前の洞窟堆積(たいせき)層から、2体の部分的な化石骨を見つけた。30歳前後の女性と8~9歳の少年と推定され、身長はともに約130センチ。寄り添うような発掘時の状態などから、ほぼ同時に死亡したとみられる。

 頭蓋(ずがい)骨の大部分や骨盤、足首など見つかった化石の状態は良好で、研究チームは、脳の容量や上半身の骨格からアウストラロピテクス属の猿人と分類。歯の大きさや骨盤など初期のホモ属と同じ特徴がみられることから、ホモ属の祖先である可能性があるとした。

 年代的には、代表的なアウストラロピテクス属のアファール猿人よりも約100万年新しい。この時期の化石資料は極めて乏しく、今回の発見は猿人からホモ属の原人への進化の過程を探る手がかりになりそうだ。研究チームは「樹上生活が多く小柄だった祖先(猿人)から、大柄で完全二足歩行動物となったホモ属へと、徐々に進化を遂げていったことが、今回の発見で明らかになった」としている。

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