父…
新年早々に逝きました。

一昨年、喉の癌と診断され、
一年前に手術し、声を失いました。

『声がなくなるだけ』
『元気に、元の生活に戻れる』
そう信じて、手術しました。

手術はたぶん成功しました。
その後の管理は、私としては納得いかないことはあったけど、
父は分からないなりに納得して、
医者にも看護師にもニコニコして、
全てを受け入れているフリをしていました。

家族の前では
自分の気持ちを伝えることができなくてイライラしたし、
自分の姿を受け入れることができなくて、鏡の前に立たなかったし、
リハビリも手を抜いていたし…

手術したこと、後悔したのかなぁ…
どんな気持ちだったのかなぁ…


父は気持ちを伝えることはしなくなり、
言われるがままに生活するようになりました。

昨年の夏には転移も見つかり、
抗がん剤治療も始まりましたが…

全ては延命のための治療。

医者が言う『今の最善』をしてきたけど、
悪くなるのは早かったぁ…

「家に帰りたい」
父が最後に望んだことでした。

「外出だけなら」と許可がでました。
「でも外出することで悪くなるのは早まりますよ」と言われました。

それでも父の唯一の願い。
母が「お父さんの願い叶えようと思う。かまんよね?」と電話してきたので即OKしました。
もうみんな、覚悟はしてましたから…

クリスマス、父は寝台車で家に帰ってきました。
目を見開いて、すごく喜んで…
親戚も集まり、みんなの話を起きて聞いて
みんながご飯のときは、父も胃瘻から栄養を入れて…
病院へ戻ると、
疲れからか熱が出たり、嘔吐したり…
目に見えて弱っていきました。

年が明け、しばらくして
痛みも苦しみも訴えることなく、
静かに穏やかに息を引き取りました。

家族と大好きな看護師さんとで最期を看取りました。

父さん、よく頑張りました。
タバコ吸って、ビール飲んで…
好きなことしてかまんよ。
時々は私らを見守ってよ。
あーちゃんを支えてやってよ。
あーちゃん、めっちゃ頑張ってるからね!