ちょっと昔の思い出話。
忘備録として書きます。
アメリカで自家用車を売買予定のある方にはちょっとだけ参考になるかも。
その他の人にはあまり面白くない記事かも。
アメリカで二年間愛用した車、NissanのVersa君。(日本で言う、ティーダね。)
Bloomingtonに来たばかりの頃、とりあえず車がないと生活できない、と慌てて色んな中古車屋を巡り、購入した。
当時感じたのは、アメリカの中古車は日本のものと比べてかなりマイル数のかさんだものが多い、という事。
平均的な価格で、見た目も普通の物達の平均マイル数は、私の感覚だと大体6万ー7万マイル位。
要は、10万キロを超えているのだ。
車検をきちんと行う日本でも、「車は10万キロ行ったらそろそろ危ない」という感じなのに、車検のないアメリカでは、平然とこういう状態の車が売られている。
結構ビックリしたものだ。
結局、日本人はチキって(・・・というか、普通にお金がある人もいるわけで;)新車を買う人や、アメリカを発つ日本人から譲ってもらうパターンが多かった。
何となく、「日本人から買えば安心」的なとこ、ありますよね(笑)
そんな中、「とにかく安価なものを!」だった我が家は運良く地元中古車屋でこの子に巡り会えたのだ。
購入時点で走行距離二万マイル以下、二年落ちの日産。
値段は新車状態のものの7掛け位だったかな、元々が高級車ではないのでなんとかなる値段。
私は過去、実家にあった日産の愛車を相当長い年月「雑に」乗り回し、ボロボロになりつつも決して壊れなかった経験から、日本車への信頼感が非常に強い。
なので、今回も「日本車」は絶対必要条件だった。
慣れない異国の田舎で、車に壊れられたら大変である。
ともかく、そうやって「条件」のみで選んできたこの子だが、毎日乗っているうちに家族の様な愛着が湧いてきた。
そして二年間、灼熱の中も極寒の中も良く耐え、律儀に走ってくれた。
例えて言えばアレですね、
「お見合い結婚」が案外うまく行っちゃうって感じですかね(笑)
一方、知り合いの中で 「恋愛結婚」した何人かは泣きを見たこととなる。
「やっぱアメリカではデッカイ外車でしょ」
とか、
「スポーツカータイプに乗ってやろう」
とか。
はい、軒並み故障しておりました;
ま、日本では乗れないような好きな車に二年間乗れたんだし別に失敗って事ではないのだが、やはり無駄なコストはかかってしまう。
ま、そんなこんなで我が家の一員であったVersa君だが、別れの時はやってくる。
帰国前に彼を売らなきゃいけないのだ。
ここでは、二年間培った地元民との関係が役に立った。テニスでご一緒してたおばちゃん達が色々と親身になって車の売り出し方を教えてくれた。
まず、日本人的に驚きなのは、
アメリカは中古車を買う際、大体「個人取引」する、
という事。
地元民は皆口をそろえて、
「(ヤフオクの様な)インターネットサイトに売出情報を載せるといいよ。」
とか、
「私はこの車、新聞の個人投書欄で売りだされているのを見つけ、個人から買ったわ」
とか言う。
えー、そんなの危なくないのー??
実は不良品だったり、変な人が売り手/買い手だったりしたらどうするの??
とか、色々不安だったが、以下の事に気をつけて物事を進めた結果、別に何も危ない事はなかった。
まず、
1)サイトに載せる個人情報は限定する事。
ま、これは当たり前の話なのだが、個人のメアドが閲覧者に分からないようになっているインターネットサイトや、信頼のおけるインディアナ大学の物品売買サイト(学校関係者しか覗けない)しか使わない。
あと、私はアメリカで使っていた携帯電話はもう帰国後すぐに手放す事が決まっていたので、サイトを通じてコンタクトしてきた人々に自分の電話番号は教えていた。
万が一変な人間に番号が知れたとしてもさほどリスクはない。
2)試乗する/させる際には、スーパーマーケットの駐車場など、家から離れていて人気の多い所で落ち合う。
他人に自宅の場所を知られない方が良い。
万が一変な相手が来ても逃げられる。
3)ケチを着けられない様、予めオイル交換等はしておき、その証明書を見せる。
4)値切られるのは必至なので、それに対応できるような売出価格を設定。但し、高すぎても誰も寄り付かないので、そこは他に売りだされている車の価格を調べ、バランスを考える事が必要。
うちの場合、一般/学校のサイト経由で沢山の問い合わせが来た。
中にはもちろん、
「いくらだっけ?」
とか、
「日産のどの車種だっけ?」
とか、真面目にサイトを見ていないよなーこいつ っていう人間も多いし、
「試乗日程はいつがいいですか?」
という私の返信に対して何も返答が来なかったり・・・ っていう「冷やかし」の類もいる。
結局実際に試乗させたのが3人。
そのうち一人(中国人)は、
「買う!!」
と断言し、
「今、契約書にサインして一時間後に届けるから!」
と意気込んで帰っていった後に気が変わったらしく
「やっぱ他も見てみたい」
と言って断ってきた。
弱々しいキャラのその男、実際かなりVersa君を気に入ったみたいだったが結局気の強そうな彼の嫁が、「もっと安いものがあるじゃない!」とケチをつけ、それに屈した感じであった。
非常に迷惑であった。
もう一人は、試乗したが「他にする」と普通に断ってきた。
ま、これはしょうがない。
最後の一人、中国人の女の子は最初からメールの返信が遅い等問題はあったが、最後の最後までグズグズ迷った挙句、破断になった。
これも帰国日が迫ってきていた時だったので非常に迷惑。
こんな感じで買い手が決まらぬまま帰国日が迫り、新しくコンタクトしてきたアメリカ人と、少し割安の価格であったが試乗→売買の合意をほぼつけていたところで・・・
新しくブルーミントンに来る日本人からの鶴の一声!!!
奇跡のタイミングでVersa君を売る事が出来ました。
我々的にも、日本円を日本口座に振り込んでもらう取引の方が都合が良かったし、
きっと日本人ならVersa君を大切に乗ってくれるだろう、と。
引渡し場所の駐車場にVersa君を残して帰る時は涙が出そうになったけれど、
きっと彼は今、新しい持ち主を乗せて今日も元気に走っていることでしょう。
ありがとう、Versa君。