帰宅して再び一人暮らしに戻った。
ほっとする。
今回、義父と実母と夫の単身赴任先を訪ねた。
義父は義母が亡くなってから数年一人暮らしをしていたけれど…
脚が弱くなり転倒するようになって義理の兄のところに引き取られていた。
義理の兄の家には娘が二人いて若い者も集まるらしく賑やからしい。
先々月、義理の兄の家で義父の米寿のお祝い会が開かれた時、
「高齢になって大家族の中で暮らせるって幸せだなぁ」と私は義父を羨ましく思った。
何も作ってきていない私にはどんな老後が待っているんだろう…。
でも現実はちょっと違ったらしく、
義父がコツコツ貯めた貯金は義理の兄家族の冷蔵庫やらテレビやらカーナビやら長女の結婚式にやら使い込まれたらしい。
その上、賑やかな若い者の会話に付いていけるはずもなく…
ずっと気を遣って貰えるわけもなく…
挙げ句の果てにがみがみ怒らるらしく,先月義父は怒って一人暮らしに戻った。
「もう一人で死ぬ」とまで言っていたらしい。
気の毒だなぁと思った。
年を取るって耳が遠くなるし脚も弱くなる。足手まといになるのだろう。
実の子供にもバカにされるんだな。
私は…老人の世話の大変さはよく分からないけれど、
カネを貰っても出来れば避けたいと思う。
自分自身のイヤな面を見るのがイヤだ。
私の知っている人は、面倒を見ている義父の「嫁の悪口ノート」を,見つけて読んでしまったという(笑)
若い時は医者をしていたらしくプライドもかなり高く「お迎え」に来るのを待っている感じだった。
年を取ってからは…年寄り本人のためにも…
面倒見はカネで解決するのが一番何ではないかと思うよ。
つまり施設に世話になる。
施設でもバカにされたりするのかもしれないけれど、
実の子供に金づるにされたり疎まれたりするよりマシなんではないかと思う。
義父は遠慮深くて大人しい善良な人なのだけれど…
数日一緒にいただけで私には結構なストレスになった。
血の繋がらない人へ愛情は偽物だし
一方的なや優しさは続くものではない。
今日一日だけでも思い出してみると色々とあった。
朝私の煎れたコーヒーに
爺「このコーヒーは濃いねぇ…」
夫と私の母は黙っていた。
イヤミなわけではなくてタダの感想。
新幹線の乗り継ぎの時間を考えて在来線に乗る時間を決める時に
「ボクはあんまり早く行って待つのはイヤだなぁ…」
皆が自分の切符の管理がきちんと出来てさっさと歩けるならば
乗り継ぎ時間なんて短時間でいいんです。別に。
新幹線で食べる昼ご飯を買う時に…
義父は選ぶのにも時間がかかるから
私「何がいいですか?」
爺「ボクはサンドイッチとかでいいかなぁ…」
ヴィドフランスのサンドイッチのケースの前で
私「これはお義父さんの好きなエビが入っていますよ。これにしますか?」
パン屋の店員の如く色々商品説明をするわけよ。
最終的に新幹線の私の小遣いで買ったサンドイッチを
爺「これマズイなぁ…捨てていこう」と半分捨てて行った。
悪気はないのはわかっている。
色々な事に鈍感になっていくのも分かっている。
最初は気にならなかった些細な行動や言葉が…
鬱積して胸に残っていく。
今回私の母が一緒だから息が抜ける場所があったし手伝ってくれたから本当に助かった。
母は「年を取ったら皆が通る道なのよ」という。
義理の兄の家族も大変なのだろうと思った。