◇好奇心を育てる。
脳医学の観点から、「好奇心」が脳を育てるという見方があるそうです。
それでは、子どもの「好奇心」を大切に伸ばすために、保護者にはどのようなことができるのでしょうか。
◇1つのことに集中できない。
子供がやっていること、遊んでいることを親の都合で中断させる。それが2回、3回と続くと、子供は「どうせ、また・・・」と集中しなくなる。
熱中、集中している時はトコトンやらせる。
◇好奇心旺盛な子は、
・身の回りのことに対して知的欲求を満たしたい、もっと知りたいという気持ちが強い
・ワクワクする体験をもっとしたいという欲求がある
・いろいろなことに興味・関心をもっている
・欲求を満たすために努力する粘り強さ
このような力があると言い換えることができるでしょう。
また、何かに対して「美しいなあ」と思う「※審美眼」があるとも言えるかもしれません。
「美しいなあ」と思うのは、たとえば、楽器の演奏を聴いたとき、昆虫のはねを見たときや、絵を見たときかもしれません。
美しさに感動したりワクワクしたりするということは、興味がある対象への美しさを感じ取り、観察する力があるということです。
脳医学の観点から、脳には「※可塑性」という特性があります。自らを変化・成長させていくことができる力のことです。
興味のある物事を「どうなっているのかな?」「もっと知りたい!」と好奇心をもって取り組むことで、脳はどんどん変化します。
それによって、もっともっと! と成長するサイクルが出来上がります。
子どもは好奇心いっぱいな印象ですが、同時に、知らないことがいっぱいでもあります。
ここからは、子どもが好きなことを見つけたり、興味・関心をもったり、好奇心をさらに伸ばす方法や準備を紹介します。
【備考】
「審美眼(しんびがん)」とは“美を識別する眼力のこと”です。 美しいものや綺麗で価値のあるものを識別する眼識のことで、それらを見極める力や能力を指しています。
「可塑性(かそせい)」とは、個体に外から力を加えたときに変形させることができ、その後力を加え続けなくても元の形に戻らない性質のことを表した言葉です。 一般的には「塑性」と呼ばれるもので、形を自由に変えることができることを指しています。
脳には、ミラーニューロンという神経細胞があり、相手のまねをするときに活発に働きます。実は、ミラーニューロンは、相手の動きやことばだけでなく、感情も模倣するといわれています。誰かが楽しく活動しているまねをすると、楽しいという感情もコピーすると言えるでしょう。つまり、子どもにとって、もっとも身近な保護者が、楽しんで物事に取り組んでいる姿を見せることで、興味・感心をもつことにつながります。
大事なのは、保護者が楽しんで行うこと。
まずは、保護者自身が好きなことや趣味の活動など、ワクワクと楽しんでいる姿を子どもに見せたり、「いっしょにやろう!」と誘ったりすることで、子どもも「なんだろう? 楽しそう」と思うようになっていきます。
何度も目にしたり触れたりすることで興味をもつ、「単純接触効果」という効果も働くので、もし子どもに学ばせたいことがあるのなら、親子でいっしょに始めるのもオススメです。お互いが刺激し合って、成長することにつながりますし、親子で共通の興味や趣味があれば、それに関する話題が増えます。会話によるコミュニケーションも、脳の発達には欠かせません。
人には、何も知らない物事よりも、少しでも知っている物事に触れたときの方が、対象への興味関心がさらにわく、「※流暢性効果」というものがあります。