【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】


各所に報告編
メロもキュンもなければ完全に中間ストーリー的なものになってしまいました~


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side-蓮


移動中の車内で助手席に座るマネージャーは朝から改めることなくニュフニュフと笑みを溢れさせキラキラと輝く瞳で蓮を見てくる。


「そ、れ、で~ 蓮くぅ~ん? 昨夜はアレから、、、 どうなったのか、お兄さんに教えてくれるよね~~♪ 」


キョーコからのカミングアウトに全身赤面、な敦賀蓮を目撃された上、先に取り付けていた夕食作りを大義名分に一緒にマンションに帰ったことで『その後』について聞き出す気満々の社を横目に蓮は短く息を吐いてその後の時間を正直に話しだした。


「ご期待に添えないようで申し訳ありませんが、、、、 」


口を開いた途端、社が目に見えて萎れていく、、、


「、、、特別なことは何もありませんよ、夕食を作ってもらって2人で食べて、暫く会話をしたあと下宿先に送って行きましたから、、、」



常時と変わらぬ様子で至極アッサリ答える蓮に、社のほうが困惑の色を強めていく。


「い、いや、蓮? おまえ、、、、 本当か? それ? 」


「このごに及んで嘘なんて言いませんよ、、、」


「いや、そりゃあキョーコちゃん相手にいきなり一足飛びの進展はないだろうけど、、、 こ、恋人同士になったんなら、少しはなにかあるだろ? 」


「確かにお互い気持ちを確認しましたし、帰ってから報告する先についての話はしましたけど、社さんが期待するようなことは特にしてないですよ」



「れれれれれれれれ、るぅ~ぇ~~ん~~~っ!! おまえっっ、大丈夫かっっ?! キョーコちゃん、彼女になったんだぞっっ! その日にお持ち帰りしたんだぞっっ!! なんっにもしなかった、てどっかおかしくなったのかァァァァ!!?? 」



社の狼狽ぶりにも蓮は穏やかに微笑むだけで、、、、


「いえ、そんな、、、 だからって、すぐ手を出せばいいものでもないでしょう? まあ、色々したいのは否定するつもりはないし、最上さんに隠すつもりもないのでスキンシップは増えましたけど、、、、 」


(、、、、、こいつの言うスキンシップってどの程度のものなんだ、、、、? しかも色々したいのをキョーコちゃんに隠してないって、、、 引かれてないんだろうな、、、、(汗))


「そうか、、、 まぁ、、程々にしておけよ、、、? 」


「? そうですね」



会話の意味合いが微妙にズレていくTOP俳優とそのマネージャーは互いが認識する『度合』が著しく異なっていることに気づくことはなかった。



≒≒≒≒≒≒≒≒≒≒ξ
side-キョーコ


「それで? 纏まったわけ? 」



既に御用達となっている密談場所、カラオケBOX『Hot Shout』

その店の一室では奏江は向かいに座るキョーコの指に頑なに返すと宣言していたモノが在ることで現在の状況を的確に判断した。


「ま、まと、、、? えと、うん、、、 」


「なによ、まだなにか問題でもあるの? 」


「ううん、問題じゃなくて、、、、」


そもそも、奏江が賭けと称して蓮の所に行く時に指輪を付けて行けと条件を出さなければ結果は全く違うものになっていただろう、と思うと、、、、

それを大義名分にした自覚は多分にあるが、どこか奏江に嵌められたような引っ掛かりも感じる、、、、


「あ、あのね、、、 モー子さん、、、、 」


「、、、、なによ? 」


「う、うん、その、、、、 」


「もーーー、言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ? 」


「、、、モー子さん、もしかして知ってたの、、、、? 」


『何を』とは口にしないままのキョーコの問いかけに、奏江は至極アッサリ答えてみせた。


「知ってたって、敦賀さんがアンタのこと好きだってこと? あんだけハッキリ意思表示してたら誰だってわかるでしょ? 」


『なのにアンタはあの、プリンセスローザとやらを《伝説が実際に眼の前に現れた》とか言って考えることすらしなかったんじゃない、、、』と続いた言葉にキョーコは小さくなっていく。


「それにまえにアンタに言ったでしょ、あの時は戦慄の表情で否定してたけど、、、、」


「うぅ、、、、、」


確かに、初めてこのカラオケBOXで密談をした時に、なぜ蓮の怒りを買ったのかわからない、、、、 と相談した際、経緯を聞いた奏江は『嫉妬ぽい』と答え、その後『あんたのこと好きなんじゃない? 』と続けていた、、、、


「だ、だって、、、、 そんなの、、、 わからなかったんだもの、、、、 」


「だけど、アレから、2年? 敦賀さんって結構、一途なのねぇ 」


奏江としては相方ほど接点を持たない先輩俳優の為人は業界内で知られる話とキョーコから聞く話程度にしか見知っていない。

言わずもがなの容姿と奏江的見解による『温和な雰囲気と紳士っぽさで手練であることを隠してる』といったイメージから1人に一途に思いを寄せる姿は少々意外な感を持たなくもなかった。


「、、、まぁ、あんたの方は去年のクリスマスにソレのことで話をした時になんとなく、、、 とそんな感じがしただけなんだけど、、、」


「う、え、、、 う、、、? 」


「あんたの方はいつから敦賀さんのこと好きだったのよ? 」


「うぇっ? い、いつからって、、、、? 」


「クリスマスからってわけじゃないでしょ? 」


「、、、、、気持ちを認めたのは去年の今頃、、、かな、、、、 」


「ふーん、、、、 」


認めたのは、だけで認める前の気がついたのはいつか、は口を割るつもりがなさそうなキョーコにチラリと目をやり奏江は溜息をついた。

(ホントにこの子って自分のことになると口が重くなるわよね)


「まぁ、いいわ。それで? 敦賀さんと恋人同士になってそこから進展したの? 」


「? 進展って、なにが、、、? 」


「あんた、、、、 まさか、このごに及んでまだ敦賀さんに我慢させるつもり、、、、? 」


さすがにここまで口を挟むつもりは面倒この上ないと思うことから毛頭なかったが、あまりにもソッチに思考が及んでいないキョーコの様子になぜか奏江のほうがムキになってしまう。


「、、、我慢って、、、、」


「先に行っておくけど、後ろ向きに考えるんじゃないわよっ! 敦賀さんだって健康な成人男性だってことを言ってるんだからっ!! 」


奏江の言わんとするところに思考が到達したキョーコは見る間に全身を染め上げていった。


「モ、モー子さん、、、 でも、そんなの、、、、 」



「今度のバレンタインにキスの一つもプレゼントしてあげたらいいじゃない、、、」


「わっ、私から、、、っ? そんなの、、、、っ 」


さすがにキョーコ相手に『首からリボンでも下げていけば、、、? 』とはハードルが高すぎるだろうが、これまで発揮してきたスルースキルを考えれば妥当な線のプレゼントだろうと奏江は再度、親友に発破をかけるのであった。



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蓮/キョ

本日の業務終了した2人は事務所ではなくローリィーの屋敷のリビングで所属事務所社長と対面していた。


「んで? 報告のラストは俺ってことか? 」

些か、順番において不満があるのかそのセリフには含みを感じる。


「遅くなってすみません、ゆっくり時間が取れそうなのがこの時間だけだったので、、、」


蓮が謝辞を口にするとローリィーはフフン、と鼻を鳴らした。

「まぁ、いい、、、 確かに俺んとこにはそれなりに時間をとれる頃にしか来ねーと思ってたからな、おまえだけじゃなく、今や最上君もスケジュールは詰まってるとなりゃ、仕方ねぇってもんだ」


既に心得ているにも関わらず、相手には最初に一番に感じたモノを表すあたり、遊ばれている感が拭えない、、、、


「しっかし、アレから1年くらい経ってんのか? おまえの鈍さも最上君のことは言えんだろう、、、」


昨日、キョーコと話した様々なことのなかに『社長には気づかれてた』と言われていたこともあり、蓮は言葉に詰まってしまう。

「まぁ、それだけ最上君の演技が凄いってことか、、、」


うんうんと、感慨深げに頷く姿が態とらしいものに視えるのは何故なのか、、、、


「付き合いの報告もですが、それとは別に社長に話しておくことがあるんですよ」


このままローリィーに会話の主導権を握らせていてはいつまでも遊ばれると察した蓮は話しの軌道修正を行うべく、自身の極秘事項について伝えておくべき事柄を口にする。


「と、言うわけで事後報告になったのは申し訳ありませんが、最上さんには日本で秘密にしている俺の素性や事情も全て話したので、、、」


「別に申し訳がることなんてないだろう、おまえの問題なんだ。俺はその件に関して最低限のフォローをしてるだけでそこまで関与しようとは思っとらんからな」


勝手に話してしまったことに多少なり咎められるのを覚悟していた蓮はローリィーのあまりにもアッサリとした返答に目を見開いている。


蓮の隣でその流れを見ていたキョーコは、そんな2人の様子に顔を綻ばせていた。


「以前にな、最上君にお前の事情を知っていたら教えて欲しい、と頼まれたことがあったんだが、、、、」


「し、社長、、、? 」


去年、TRAGIC MARKER撮影中に蓮の様子が目に見えておかしいと思った時に蓮がなにか事情を抱えていることを感じて確かにキョーコはローリィーにその手がかりを求めた、、、、

しかし、その話をここで出されるとは思っていなかったキョーコは思わずローリィーに声を上げた。



「そんときに、おまえの事情をお前の許可無く話せない、と言ったんだが、、、、」


『その逆については全く問題なかろう? 』と続けてローリィーは2人に穏やかに微笑みかけた。



「ま、でも、全部話しとくのは最上君だけにしておけよ。最上君も、、、、 」


「はい、私からに誰かに話すことではありませんので」


身近な人間を信用しないわけではないが『秘密』を知る人間が多くなればそれだけ周囲に漏れ広がる可能性は高くなり『護る』ことが難しくなる。


それ以前にローリィーと同じようにキョーコもまた『蓮の事情を』蓮に許可無く自分が明かすことはあり得ない、のだ。

キョーコの答えに満足気な笑みを浮かべたローリィーは、再び話しを2人の『お付き合い』について戻した。


「で、最上君はどうしたい? 」


「、、、はっ?」


主語をすっ飛ばしたローリィーの問いかけにキョーコは何を問われているのかわからない様子でキョトンとしている。


「どうしたい? とは何をでしょう? 」


「蓮と君の付き合いを公表するかしないか、についてだ」




「、、、、、あ、それについては、、、、」


「社長? なんで俺には聞かないんですか? 」
 

「おまえは最上君さえ良けりゃァ、公表する気満々だろうが、聞く必要があるのか? 」


「、、、、、、それは、、、そうですが、、、、」


的を射たローリィーの言葉に、ぐぅの音も出ず、蓮は大人しく言葉を引くしかなかった。


「まぁ、公表云々はともかくとして、今日一日で俺の耳に入るくらい業界内じゃ広まってるんだがな」


「俺達が来るまえに知ってたって言うことですか? どうして、、、、? 」



「どうしても糞もあるか、現場廊下スタジオ、処も人目も構わずイチャついてりゃァ噂になって当然だ」



確かにこの日蓮とキョーコはたまたま会えた事務所のロビーからラブミー部部室まで手を絡めて歩き、同じ局での仕事の際は別番組の収録にも関わらず時間が許す限りともに行動し(この時の蓮は常時キョーコの腰に腕を回していた)共演しているドラマの現場では疑いようもないLoveオーラを2人でまき散らしていた(この時は2人向い合って蓮はキョーコの腰を抱えるように両腕を回していたという)





「、、、、、、、、、」

「、、、、、、、、、」



思い当たる事柄ばかりの蓮とキョーコは二の句も告げず、黙りこんでしまった。

「隠そうって気もないなら公表したほうが変にスっぱ抜かれる心配がなくて良さそうだな」


「そうですね、、、、、」

「仰る通りだと思います、、、」

この日の自分たちの行動を顧みた蓮とキョーコはローリィーの言葉を素直に受け止めその意向に異論を唱えることはなかった。


~go to next~
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家主の独り言、、、、
一旦書き終わったあと、これローリィー必要か?と思い(全然別の所にピントが行ってたから)でもこれはこれで、、、、 と思ってもメロは? キュンは?て感じになって、、、

もともと最初に落ちてたネタが方向が変わることになったキョコさんのセリフで潰されてたことに気づいて元の方向性に書き直しました(ハフゥ~)

メロ キュンないのは変わらないんですが、各所への報告回てことで、ご勘弁を。

ざっくり削ったところは別の話で使おう、、、、