父宅。ドクダミも咲きだした。
と、いうか、一昨年くらいから、
父は大好きだった庭の手入れもしなくなり、
結局、私が時間がある時にしかやらないがために
今年のドクダミは居場所をさらに広げ・・。
いやちょっとそれは困る。
そして去年か一昨年、同じくずっと父宅にあったグミの花も初めて見つけたが、
新たに見つけたのが柘植(つげ)の花。
そやった。濃紺の実はいつも見てたのに、
実があるということは当然花もあるということやわね。
小さい小さい5mmもあるかどうかというような小さい白い花。
知らなかった。
これからも、まだまだ発見があるかな。
自宅では鉢植えの小梅が、かれこれ9年かけて、
ようやく本当にちゃんと育って収穫できるようになった。
と、いっても、100g
ジップロックで梅シロップを作ってみている。
ちょっとずつ氷砂糖が溶けてきて、らしくなってきている。
さて、建って半世紀以上経つ実家は木造。
人の出入りが無いと、朽ちていくのも早いだろうと、
毎朝、雨戸をあけに行き、晴れの日はあちこち薄く窓を開け、空気を入れ替え
雨の日は室内で扇風機をかけ、夕方には雨戸を締めに行きつつ、
朝夕で少しずつ不要物を処分している。
この1か月でかれこれ60袋以上、処分したかな。
父が働き、ボランティア活動をしていた長い長い期間は
個人情報保護法も始まっていない時代もあったので、
職員名簿が毎年冊子で配られていたし、
シュレッダーの無い時代の仕事場で破棄出来ないマル秘書類は
全部持って帰ってきて、押し入れにしまっているし。
というか、昭和30年代のものから書類があるし・・。
かといって、処分する判断力も、もうずっと無かったのだろう。
自宅に居たときから、「書類、ほかそうか?」と言うと、
「大事やから触らんといて!」って怒られるし、何もかもがそのままやったのを、
ここんところ、1つ1つ、確認しながら、
そのまま燃えるゴミで出せるか、古紙回収か、シュレッダーかを分けて捨てている。
父、几帳面やったので、本来ならそのまま捨てられるものも、
書類・冊子の全ての表・裏表紙に自分の判子を押している。
めずらしい苗字なので、そのままゴミに出すと、ヘタすると身バレするから、
捨てるのも一手間かかる。
絶対に開けんといて。と、言われた押し入れにはいくつかの空箱だったり。
母の名前と遺品と書かれた小さな箱。
開けたら、中学・高校の生徒手帳とか、折り紙の切れ端大量とか。
折り紙て・・。
他には洋裁をやっていたので、その端切れが数枚とか。
50年以上前の服が数着とか。
それが大きな段ボールにちょこっと入っていたり。
どう考えても、誰も着ないよ。
これらの為に、この押し入れは10年ほど前、
開き戸を折れ戸に替える工事を、ぼったくり金額でやってもらっていた領収書も出てきた。
きっともう何が何やら分からんようになり始めていたのかもしれない。
そして戦前生まれの人、あるあるだろうが、
とにかく捨てるのを嫌がった。
趣味はそれほど種類は無かったけど、
それに対する量が、それぞれかなりのもの。
そやわね。60年以上かけて残してきたものやものね。
私としては早くあらかたのものを処分し終わりたい。
まずは、父がグループホームに入る前日に壊れた薄型テレビと
いつか高く売れるかもしれへんからと、どうしても手放さなかった
ブラウン管テレビを処分したい。
そしてテレビ台も処分したら、手が届かなかった、動かせなかった
埃まみれの床を掃除したい。
掃除機が入れられないコンセントの差込口も
埃がたまって、火事にならないだろうかとずっとひやひやしている。
そのテレビの処分も、下弟が知り合いのテレビ引き受け業者さんまで
「来週持って行くわ」と、言ってかれこれ1か月。
埃による火事が怖くて、早く片づけたい。掃除したい私。
急ぐことと違うと思い、掃除にあまり興味がない下弟。
テレビ2台は、どこに持って行こうが、リサイクル料金は決まっているので、
もう父が懇意にしていた電気屋さんに持って帰ってもらうことにした。
そして父が大切にしていたアップライトピアノ。
これも、ずっとピアノの後ろ側のドアを閉めたままだったので、
少しカビが出始めている様子。
慌てて下弟の了解を得、引き取り業者さんに相見積もりを出した。
これ以上、劣化させるのはピアノも可哀そう。
あ、ピアノの引き取りは、
絶対に相見積もりをしたほうが良いと思いました。
引き取り金額がピンキリです。
製品番号の調べ方はネットで載っています。
あとはオーディオセットをどうするか。
リビングに置いてあったスピーカーは、
つないでみたらちゃんと鳴った。
今は無き山水電気のスピーカー。
どうやら1970年代のものらしい。
古いオーディオ引き取り専門業者さんもおられるらしい。
と、知り合いに言われる。
「そんなに片づけて、処分してやけど、
盆暮れ正月とか、お父さんは自宅に戻ってきてお泊りしないん?」
いやもう、正直、グループホームさんから
「睡眠薬飲んでも、二日に一回は夜中、寝られなくて起きてはります」
と、言われて、下弟も
「コロナがおさまったら、正月とか1日だけ俺の家に連れてきて、
ご飯食べるとかの外出はいいんやろ?
体調とか状況によったら俺の家にお泊りとかも考えるかもしれへんけど。
まぁ、そんときは俺の家族みんな居て、みんなで見れるときやけど・・」
って言っていたし、私も父と二人で時々外食や近所に車でお出かけ出来たらいいな。
とは思っていたけれど、父宅へ連れ帰って、食事して寝てもらって。
と、言うのは自己中心的かもしれないけれど、全く想定していなかった。
と、いう話しをすると、
「それは可哀そうやわ。お父さん、自分のおうち大好きなんやろ?
そん時だけは身内で寝ずの番で見てあげないと」
うーん。かなり年上の方なので、そういう考えなのかもしれない。
親戚一同が集まって、みんなで父のような症状の、
その方のお婆さんの面倒を見ていた。と言っておられたが、
うちでそれが出来るのは、私と下弟の二人のみ。
私達姉弟3人で集まることも無いので、
当然、3家族みんな揃って父を囲んだことも無い。
そういう家族の状況もその人とは全く違う。
でも、それを言われて、急にテレビもオーディオも処分していいのかどうか
不安になってきた。
言われるとね。ゆらゆらするのは私の悪いところ。
ネットで「施設入居 実家片づけ」でググってみると
何らかの理由で退去して自宅へ戻り、本人が大切だと思っているものが
処分されて、ショックを受ける場合も・・と、あり、そりゃそうやわな。とも思う。
で、何らかの理由ってどんな理由?と、考えたら、
例えばグループホームで、暴力沙汰・暴言沙汰を起こしての強制退去が
想定されたけど、いや、あの父に限って、それは無いと思う。
家族で一番上品でおぼっちゃまっぽいのが父やったのやもの。
今もグループホームのそれぞれ別々の3人の施設の方々から口々に
「お父さん、穏やかな方ですね・・」
と、言ってもらえてるし、どうかそのまま穏やかでいて・・。
そして火事を起こさない家にするために、ごめんなさいやけど、
お父さんの大好きなものを、
必要としてる人、欲しいと思っている人のところに
動かせるものは動かさせてください。
認知症とはいえ、勝手に処分して、ほんまにごめんなさい・・。
で、いいんよね?
と、ゆらゆらしている。