人間は2種類に分かれると思います。
ひとつは、「歌が楽しく歌える人」。
もうひとつは、「歌が下手で楽しく歌えない人」です。
「自分は音痴である」「歌が歌えない」(と自覚がある)人は、「歌えている自信がある人」の想像を絶する悶絶を味わっています。
過去何度か書いていますが、私はその苦界に、30年間以上、漂ってきました。
いえ、「きました」ではなく、現在進行形で今でも、です。
幼少時のエキセントリックなピアノ教師の暴力。
同じくエキセントリックな中学教師の奇行。
輝かしい大会入賞歴がある元連れ合いに10年間「下手」といわれ続けたこと。
またカラオケSNSで出会った同じアーティストファンに表面では仲良くされていたのに「あいつは採点ゲームで点数が出るだけの下手くそ」と陰口を言われていたこと。
その他、もろもろ。
これらがトラウマになり、人前で歌うのが怖いのです。アガります。
先日出たカラオケ大会で「あなたが世界一音痴ということはありえない」とお優しい方におっしゃっていただきました…。
たしかにカラオケ大会でも入賞できるようになりました(注・下位部門でなら)。
でも、それでも、時々「私は下手だからだめだ」という考えが、再びもたげてきます。
自分はまだまだ下手くそだな~という厳然たる事実が、常に私に押し寄せてくるからです。
その私が、唯一癒された瞬間が…、過去たった1度だけ…、あります。
それは、下記の、あるボイトレ書籍のまえがきに出会った時です。
(↓一部を引用します)
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はじめに
◆「歌オンチ」は「オンチ」の中のひとつ◆
もともと「音痴」という言葉はどのようにして生まれたのでしょうか。大正初期、東京大学教養学部の前身である旧制官立高等学校(一高)の寮の風呂場で、寮生が大声で調子はずれに歌っていました。その歌を聴いて、「頭はよいが音楽的にはにぶい(痴)」ということでつくられた言葉です。
しかし、今日では、さまざまなオンチがあります。例えば「味覚オンチ」「運動オンチ」、ちなみに私は重度の「方向オンチ」なのですが……。このように「オンチ」という言葉は、単にあることに関して「ちょっと苦手」といった意味にも使われるようになりました。
そこで、歌うときに音程やリズムがはずれてしまうことを、私は「歌オンチ」と命名しました。つまり、多くのオンチの中のひとつということにしたのです。
◆「歌オンチ」が原因で夢をあきらめる人も◆
「歌オンチ」が原因で、子どものころは音楽の授業になるとおなかが痛くなり、大学生になってもコンパに行けず、「彼女もできない」と嘆く大学院生。カラオケの席で歌わされるという恐怖から、吐き気がひどくなり救急車で運ばれたというOL。
これらの人のほとんどは、小中学校のときに先生や家族、クラスメイトから「オンチ!」と言われ、以来、成長しても人前で歌えないことが多いのです。「歌オンチ」を笑う側と笑われる側では、歌うことの意味に天と地ほどの差があるようです。
このように「歌オンチ」は長期に及ぶ精神的苦痛だけにとどまらず、職業選択にも深く関係する場合もあるのです。
例えば、「歌オンチ」が原因で小学校教員になることをあきらめた学生。子どもたちへの影響を考えると怖くなり、小学校教員をやめてしまった人。また、自分に歌を教える資格がないのではないかと悩んでいる幼稚園教員。賛美歌が歌えないので牧師になるのをあきらめた青年。
楽しく歌える人生と歌うことが怖い人生では、人生の豊かさや輝きが、大きく変わります。これは、また、人間関係にも及ぶ解決すべき重大な問題なのです。
◆どうしたら歌えるようになる?◆
しかし、「歌オンチ」の人たちのつらい心の痛みは、同情的な言葉や態度では、根本的に解消することはできません。本人が正しい音程やリズムで歌えるようになり、自信を持つ以外にその悩みから逃れる方法はないのです。(以下略)
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以上、出典は、三重大学教授・弓場徹氏の著書、『奇跡のボイストレーニングBOOK』(主婦の友社)です。
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改定前の絶版はこちら。
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文中の「「歌オンチ」を笑う側と笑われる側では、歌うことの意味に天と地ほどの差があるようです。」
そして、最後の一文。
「「歌オンチ」の人たちのつらい心の痛みは、同情的な言葉や態度では、根本的に解消することはできません。」
「歌えるようになり、自信を持つ以外にその悩みから逃れる方法はないのです。」
…これ、まさに真実だと思います。
もう何年か前になりますが…。
このまえがきに出会ったとき、胸を突かれ、私は初めて涙をボロボロ流しました。
ああ、同じように苦しむのは自分ひとりじゃないのだ、と…。
人生を変えてしまうくらい自分を責め、悩む人がほかにもいたのだな、と…。
今、JOYSOUNDのCMで、織田信成殿が、「カラオケは上手いか上手くないかじゃない!歌うか歌わないかだよ!」と言っています。
…が、そんな言葉は、私たちのように歌えなくて苦悩する人間には何の慰めにもならないのです…。
「歌えるようになり、自信を持つ以外にその悩みから逃れる方法はない」
まさに、これしかないのです。
これを目指して、私は引き続き、前進しようと思います。
たぶん、「歌えるようになり、自信を持つ」、ここに達成しなければ、いつまでたっても(人前で)歌うのが楽しくないままだろうから…。
楽しくなるためには、上手くなるしかないのです(ある一定水準までの上手さに)。
これらが、私が「公正なカラオケ大会」を探して出場し、客観的で正確な評価(点数)を得ようとしている理由です。
「上手い」「上手くない」の客観的評価(事実)が欲しいのです。
先日ある方にこの「まえがき」をお送りしました。
何度説明しても、こういった苦しみをかかえた人間の存在がご理解してもらえないご様子だったからです…。
どんな反応があるのだろうか…。
ないのだろうか…。
もし、この文章をお読みになってさえも、私たち音痴で苦しむ人間の気持ちがわかってもらえないなら…。
その人に、そっち方面を期待するのは、すべて諦めようと思っています。
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☆今日の体調
2016.02.20(土)
SpO2=96~98%、平熱、歩行数=平日は最低8000超えるはず
☆現在のお薬
1日1回 シーブリ
1日2回 パルミコート200
1日3回 エンピナース、ムコスタ、ムコダイン
その他うがい薬、たまに何かの病状によってロキソニン。
めったに使いませんがプリンペラン、メリスロン、ジェニドール、サルタノールなど。
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