010 田中文男 妻有田中文男文庫 越後妻有トリエンナーレ2009
作品番号 : 10
作家名:田中文男 (タナカ・フミオ)【日本】 1932年茨城県生まれ。一級建築士。
作品名:妻有田中文男文庫
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/artworks/index.php?id=024
制作年:2007年 NO : 024
関連サイト
※改修・設計=山本想太郎
ECHIGO-TSUMARI Art Triennial 2009
Artist Name: Fumio Tanaka [Japan]
TITLE: The Tanaka Fumio Library, Echigo-Tsumari
http://www.echigo-tsumari.jp/2009en/artworks/index.php?id=024
「現代棟梁 田中文男」さんの、蔵書や資料のアーカイブが、ここです。
旧・上新田公民館の建物を再利用しています。
田中文男さんは、「板倉工法」のスペシャリストであり、今でも現役バリバリの棟梁、つまりスーパー大工さん。
「板倉工法」とは、柱と柱の間に板を落としこむ建築方法です。
伊勢神宮、正倉院は板倉工法にて建てられています。
昨今の木造建築は、筋交い(すじかい・斜めにバッテンの補強)を入れて、断熱材などを入れて作るのですが、
板倉工法はなんと、筋交いがありません。なのに地震に強いのです。
秘密は、全体が「田の字型」に設計されていること、板が3~6センチと分厚いこと、などに、あるらしいです。
金属も極力使わないので、さびやゆがみなどとも縁がなくなります。釘の代わりにダボを使うそうです。
板倉工法にてぴしっと建てられた家は、強風にもびくともしないんだそうです。
田中文男さんは、20代の頃に、越後妻有地方を訪れ、秋山郷(津南エリア)の古民家を調査しました。
秋山郷は、たいへん雪深い場所で、現在でも大雪の時は一時的に陸の孤島状態になったりします。
そんな厳しい自然の中で、百年レベルでしっかり建っている民家の建築スタイルを徹底調査し、
後に筑波大学の安藤博邦教授(民俗学)と共同で、「板倉工法」をよみがえらせたんですね。
田中文男さんは、吉野ヶ里遺跡などのプロジェクトにも尽力されているそうです。
校倉造など、古い工法を研究し、現代の建築に取り入れています。
キャラクターも、「これぞ職人」という、素晴らしいお人柄で、建築関係以外にもファンを持っています。
「大地の芸術祭」が、空家プロジェクトを行うにあたり、田中棟梁の監修が入ることとなりました。
中越地震後の古民家修復には、田中棟梁の診断が欠かせません。
とにかく、芸術祭をまわって驚かされるのが、「百年超の木造建築が、しっかりと建っていること」です。
豪雪地帯なのに!
ここが、「板倉工法の素晴らしさ」なのです。シンプルな工法だから、メンテナンスが非常にしやすいそうです。
筋交いやら断熱材やら入れる工法だと、補修が難しく、また、接着剤を使うのでシックハウスの原因になります。
板倉工法は、分厚い板を2枚重ねて使うだけで、壁とするので、それ以外のものが全くないから、
シックハウスになりようがありません。結露もしないそうです。知れば知るほどその魅力に驚かされます。
さて、この記事には、「肝心の蔵書室」の写真がありません。
その「メイン」は、カン・アイランさんによって、インスタレーションになっているんです。
後ほど、「アート空間になった田中文男文庫」を、ご紹介します。おたのしみに。
作品の場所へのアクセス
シャトルバス:Dコース・十日町川西シャトルバス(土日のみ運行)
レストランなし・売店なし・自動販売機なし
トイレあり
使用機器:OLYMPUS E300
撮影日:2009.8.1.
撮影地:妻有田中文男文庫 新潟県十日町市下条1-307 旧上新田公民館
Photo:松本由歌子
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ECHIGO-TSUMARI Art Triennial 2009 http://www.echigo-tsumari.jp/2009en/
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