101 ステファン・バンツ 私たちのための庭園 越後妻有トリエンナーレ2009
作品番号 : 101
作家名:ステファン・バンツ 【スイス】 1961年スイス生まれ。
作品名:私たちのための庭園
http://www.echigo-tsumari.jp/2009/artworks/index.php?id=477
制作年:2009年 NO : 477
関連サイト http://www.banz.tv/welcome.php
ECHIGO-TSUMARI Art Triennial 2009
Artist Name: Stefan Banz【Switzerland】
TITLE: I Built This Garden For Us
http://www.echigo-tsumari.jp/2009en/artworks/index.php?id=477&year=2009
大人気だけど、見るのが大変・・・という傑作を、ご紹介します。
前にご紹介した、「日本一の河岸段丘」を見るために作られた、山頂の展望台が、上の写真。
ここから正面に見られる風景はこちらのリンクから。
http://ameblo.jp/yukko-i4r/entry-10343581236.html
そこから、くるっと回れ右して、背中合わせの反対側に、この作品があります。
遠くの方に、黄色く、花畑が見えます。
わかりますか?
わからない人のために、ヒント画像を作成しましたよ。↓を見てね。
紫の矢印が指している黄色いエリアが花畑です。
望遠レンズをツアーバスの中に忘れてきたので、写真はこれだけです。
でも、遠くに見えるってのがコンセプトなので、拡大撮っても意味があんまりないように思いました。
なぜこれが、「私たちのための庭園」なのか・・・
花畑のある「樽田」は、廃村となり、そこに集落はもうないのです。
樽田集落には、一番多い時で、44戸あったそうです。ということは、200名程度は住んでいたでしょう。
でも、昭和38年に石炭の採掘が終了し、昭和49年に小学校が廃校、昭和52年にバス路線が廃止、
現在は2戸だそうです。もう集落とは呼べません。
そんな、人気の絶えた場所に花を植え、展望台から見るというのが、この「私たちのための庭園」という作品。
普通の庭園は間近で眺めるものですが、これは遠くから見るんです。
作品のビューポイントまで登るのは大変です。この庭園が見える眺望は、そんな苦労へのご褒美みたいです。
わーカワイイ、ほんとだほんとだ! あそこだけ花が咲いている! と、
見つけたときに、ちょっとはしゃぎたい気分にもなります。
しかし、「大地の芸術祭」の作品の中でも、
これほど「過疎の厳しい現実」を突きつけた、シビアなものはありません。
廃校プロジェクト、空家プロジェクトも、「今までいた人間がいなくなった」という事実が、重いんですけどね。
絶滅の危機に瀕しているのは動物だけじゃなくって、村落もなんだよって、教えてくれます。
作家のシュテファン・バンツさんは、「越後妻有はスイスと似ている」と感じたそうです。
確かに、山と谷のたくさんある雪国で、カラフルな三角屋根のおうちが並んでいるのって、スイスにつながるかも。
可愛らしさと、雄大な自然と、過疎の村の寂しさと・・・複雑な思いを次々と呼ぶ作品でした。
作品の場所へのアクセス
ツアー:越後交通・里山アートツアー南回り1 http://www.echigo-kotsu.co.jp/gt/ (平日奇数日・土日に運行)
森宮交通・津南エリアツアー(土日に運行)
使用機器:OLYMPUS E300
撮影日:2009.8.15.
撮影地:マウンテンパーク津南 新潟県中魚沼郡津南町大字上郷上田甲174-1
Photo:松本由歌子
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http://ameblo.jp/yukko-i4r/entry-10337812312.html
大地の芸術祭・越後妻有トリエンナーレ2009 http://www.echigo-tsumari.jp/2009/
ECHIGO-TSUMARI Art Triennial 2009 http://www.echigo-tsumari.jp/2009en/
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