ざんねーん!! が響く5月末 | 日々の凧あげ通信アネックス
【あらすじ】東京の西のほうに暮らす、ぱっとしないライター・ゆきよは、今晩も、UFOキャッチャーでとってきたお気に入りのクマのぬいぐるみ・たらおと会話するのであった。

――たらお~、Negiccoの『アイドルばかり聴かないで』が話題だよ~。
「ああ、小西康陽さん提供の!」
――そんで、評判が知りたくて、ネットみてたんだけどさ。
すっげ~見当違いな意見がいっぱいでビックリした! 音楽ファンが絶望的に少ない。そもそも小西さんを知らない人が多い。
「若いのかな?」
――そうなのかな? でも渋谷系を知らなくても、「慎吾ママのおはロック」とか深キョンの曲とかは、知ってたり、しない?
「だよねえ。女子アイドルファンってアラフォーが多いのかと思ってたけど、実は在宅派は、若い層までいってるのかもねえ。」
――うーむ。ま、でも、見当違いが多いっていうのは、喜ばしいことだよ。有吉弘行さんの名言で、『ブレイクする、ということは馬鹿に見つかること』というのがありますが……ソレじゃないかと。
……みんなね、歌詞にまともに反応してるんだよね。歌詞の意味としては、アイドル応援してもアイドルと付き合えませんよ、それより私を見てよね、っていう可愛い嫉妬ソングなんだけどさ。
それに本気で怒ってるんだよ。こんなサブカルい、メタアイドルソングなんか、あざといって。気分悪いって。アイドル好きで悪いかって。
「………そういうもの?」
――んで、私、女性アイドルだと同性なのでピンとこないから、自分仕様に歌詞を直して、どんな感じがするのかな? と考えてみたんだけど…。

サブカルの子は 普通のコより ずっとロマンティスト
だけど 大人にしては 夢を見てる 時間が永過ぎるのかも
どんなにキミがSHINeeを 好きだとしても構わない
でも どんなに握手をしたって ジョンヒョンと デートとか 出来ないんだぜ
ざんねーん!!

こんな感じなのか??
「そうなのか?」
――これ、こう言われたとしても、なんとも思わないんだよね…。
「思わないの?」
――そもそも、デートするつもりはないからな~。妄想っていうか、心の恋人ではありますが。
っていうかさ、アイドル好きなアラフォー男性って、今のアイドルと、あわよくばデート出来るつもりで生きてるの?
「そりゃあ、ロマンティストだから。」
――ロマンが過ぎるわねえ。
「ロマンが過ぎちゃダメですか。」
――ダメじゃないけど、やっぱり男子ってアレだな~と思う。
「アレって何よ、アレって。」
――アレったらアレですよ。……。
この曲のいいところは、歌詞の最後で、

アイドルばかり聴かないで 大人にならなきゃダメじゃない
アイドルばかり見てないで ねえ、わたしを見ていて
ねぇ、そんなにアイドルが好きなら じゃあ、Negiccoにしてね

って、自身のグループ名が出てくるとこ。
アイドルばかり聴くなと、ひっくり返して歌った部分が、もう一度ひっくり返って、Negicco本人に合流するとき、カタルシスがある。ふわーっと許される感じがする。盛り上がる部分ですよね。
「いい曲よね。」
――いい曲です。でも私個人の好みとはちょっとズレてるんだけど…。
「え、ええー。」
――渋谷系の女なので、ピチカート超えしないと、萌えないんですよ。
「そりゃまた設定高いなあ…。」
――何が足りないのか、考え中ですよ。まったくもう。
「考えなさい、ほんとにもう…。」





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