ゴムのようなじゃがいものピュレ | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

この前、ディプロム講座基礎のときに

じゃがいものピュレを作りました。

「とにかくじゃがいもが熱いうちにムーランにかけて、裏ごししてしまってくださいね。冷えてからやると、ゴムのようになって、外国人は嫌います!」

 

 

と説明しつつ、

「そうだ、じゃあ、比較をお見せしよう!」

と思い立ち、少し取り分けて、

温度が下がったところを、あえてブレンダーを使って、かき回してみました。

ねっちり、むっちり!

見た目にも、あきらかにむちむちしています。

 

食べてみると、すごくゴム!!

うーん、たしかにこれ、外国人なら嫌いそう!

(日本にはお餅があるので、少しくらいなら、

問題ないとは思います)

 

ジャガイモの細胞を繫いでいるのはペクチン。

お菓子を作られる方ならご存じだと思いますが、

ペクチンは高い温度で煮て、少しでも温度が下がるとすぐに固まり始めます。

 

つまり熱いうちなら、マッシャーやムーランにかけると

細胞同士がするっとはずれて、ピュレになりますが、

 

ちょっと温度が下がるとひっついてしまい、

これを強引に押し出すと

細胞が潰れて内側の損傷澱粉が飛びでてきてしまうため、

ゴムになる、とされます。

 

これはムーランを通したもの。熱いうちに1回、ないし2回だけなので、細胞が潰れることなく、ピュレになってくれます。

 

私はピュレにするのに、けしてフードプロセッサーは使いませんが、

なぜならカッターががんがんと細胞をつぶしていってしまうため、

高い確率でゴムになるからです。

 

カッターが細胞を1回か2回通り過ぎるだけなら

たぶん問題ないのでしょうが、

たぶんそこで止めることはできなくて、

あっという間に何十回転もしてしまうので、ゴムになるのでしょう!

 

ゴムになったのを食べてみて、

「告白すると、うちのピュレ、こんなのでした〜!」

と言った生徒さんが2名

みんなで、爆  笑爆  笑

大笑いでした。

 

 

ポトフを煮て、翌日作る

アッシ・パルモンティエに、

ちゃんとしてるほうのピュレを使いました!