Benettonが支援するユッスー・ンドゥールのマイクロクレジットプログラム | 一日一冒 (いちにちいちぼう)

Benettonが支援するユッスー・ンドゥールのマイクロクレジットプログラム

アーティスティックで大胆な広告コミュニケーション手法で物議をかもすファッションブランドのベネトンがセネガル出身の世界的ミュージシャン、ユッスー・ンドゥールが主催するマイクロクレジットプログラム”Birima ”のサポートを始めた。このポスターはベネトンによるマイクロクレジットプロモートキャンペーンのポスターである。

マイクロクレジットとは開発途上国で生まれた仕組みで、失業者や十分な資金のない起業家に小額の融資をするシステム。貧窮のどん底にある人々(ほとんどは女性)が個人事業に従事し、収入を得て、そして多くの場合、貧困を脱することを可能にさせ、成功を収めている。

例えば、借り手は家族を含まない5人のグループを形成することを求められる。周囲からの圧力と支援が、現実的に担保を不要にするようだ。契約はないが、「決意」を守るという合意を交わす。「決意」には子供を学校に行かせる、避妊をする、結婚持参金を授受しないなどの基本的な事項が盛りこまれている。借り手の女性は、たとえば牛を買い、牛乳を搾って近所に売り、借入を返済し、牛を所有する。

それにしてもピーターガブリエルとの出逢いでセネガルから世界へと羽ばたき、坂本龍一とのコラボ等で日本にもなじみの深いアフリカンミュージックの世界的スター、ユッスーが自国セネガルでこういうプログラムの提供していたとは知らなかった。彼はグリオの末裔と言うことでも知られている。グリオというのは、アフリカ各地に残る伝統で、歌によって伝説を語り伝える語り部だ。時に王様に仕える予言者のような政治的アドバイザーだったりもするようなので、この活動自体がグリオとしての彼の役目だと自分で考えているのかもしれない。







マイクロクレジット”Birima”のシステムは以下。



1980年代末からのベネトンのポスターやカタログには、基本的に商品は登場しない。社会問題をとりあげてベネトンの企業ポリシーを示すことをクリエイティブデザインコンセプトにしているためだ。広告は人権問題をテーマにしたものが多く、国連を始めいろいろな団体と共同でキャンペーンを展開するのも特徴的だ。