10/20(木)IKEUCHI ORGANIC TOKYO STOREにて開催された「食べる野菜 X 食べない野菜」に参加しました。

IKEUCHI ORGANICの代表取締役(元社長)池内計司さんと、坂ノ途中の代表取締役小野邦彦さんの対談。ファシリテーターは京都市ソーシャルイノベーション研究所所長の大室悦賀さんです。

対談開始前に、坂ノ途中のお野菜の試食がありました。坂ノ途中特製のごま油に付けて食べます。これがひときわおいしい。

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大室さん:ファシリテーターの京都市ソーシャルイノベーション研究所(所長)の大室です。こう見えても、東京生まれ、東京育ち。小野さん、池内さんから、簡単な仕事の紹介お願いします。

小野さん(坂ノ途中):2009年7月に始めたので、8年目になる。野菜農薬や化学肥料を使わない野菜を売っている。
取引している農家約100社のうち9割が新規就農者である。直営店が4店舗あり、通販もやっている。
現代農業は危ういと感じている。低コスト、省力にフォーカスし、環境への負担を次の世代へ先送りしている。
新規就農者に助けられている。自ら志願して農業に従事しているので、いやいや働いているひとは少ない。出来た野菜は美味しく、バリエーションも多い。定期宅配も、飽きないように違うものが出せる。
週に2回メルマガを出し、定期宅配の内容を載せるが、なかなか予告した通りのものが出せないのは悩み。
京都にある自社農場は、農業をしたいひとの出逢いの場になっている。人も募集している。京都に移住したいひとはいませんか?
ごま油はウガンダ産。ゴマは乾燥しているところでも作れる。

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池内さん:坂ノ途中の定期宅配を利用しているが、半分は初めて見る野菜。
会社を設立してから63年になる。
2014.3.1にIKEUCHI ORGANICに社名を変更し、それ以降に作るものは全てオーガニックコットンにし、タオル以外もやることを決めた。エコテックス規格100は一番基準の厳しいクラス1を取得している。これは赤ちゃんが口に入れても大丈夫と言うレベル。
先日阿部さんに社長をお任せし、自分は作るのに専念することにした。
この先60年で、赤ちゃんが食べても大丈夫なものを作ろうと考え、食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000を取得した。
よく日本製品は安全と言われるが、日本で作っていることが安全を意味する訳ではない。

(ここで動画を2本見せる)
このパナソニックの洗濯機のCMに使われているのはIKEUCHI ORGANICのタオル。

こちらはアイルランドの方が作ったIKEUCHI ORGANICのイメージビデオである。
http://www.youtube.com/watch?v=zoBF1BUIquI&sns=em

綿は食べない野菜。なのに、野菜ではやっていけないことをやりまくっている。
2005年にインドに遺伝子組み換えの綿が入って来た。これは、綿の細胞の中に虫を殺すバクテリアの遺伝子を組み込んだもの。農薬と同じ効果がある。
遺伝子組替えの綿を収穫した後の土地で、牛や羊に草を食べさせると、羊は2週間で死ぬことがわかっている。

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小野さん:学生の時はバックパッカーで世界各地を放浪した。特にチベットが好きだった。チベットは高地にあるので、自然環境は厳しく、循環を考えシンプルに暮らしている。
遺跡好きで、行く先々で遺跡巡りをしていたが、ある時遺跡は社会が滅んだ残骸と気付き怖くなった。われわれも努力しないと終わってしまう。環境の負担が大きくないオーガニックなものを作りたいと思った。
農薬や化学肥料は便利。化学肥料はユンケルみたいなもの。人間の子にユンケル与えることを想像してほしい。
化学肥料により、野菜の細胞壁は薄くなる。
農薬は虫、草、菌のどれかを殺すものなので、生態系に影響が出る。農薬により微生物が減り、野菜の育ちが悪くなる→化学肥料をあげる→虫が付く→農薬をまくの繰り返しをしている。
農薬と化学肥料に依存していると、すかすかな土になる。
メキシコ湾は化学肥料の影響で窒素過多になり、赤潮が頻発しているうちに生き物がいなくなった。
日本ではまだそれほど深刻ではないが、危機感を持っている。農業のあり方を変えたいと思っている。

池内さん:1999年オーガニック120を発売した。発表した時は、コットンに枯れ葉剤を使うべきでないと主張していた。コットンは虫に弱く、農薬の60%は綿畑に使われている。綿を収穫する時に葉が元気だと綿につくことがあり、それを防ぐために枯れ葉剤をまくのが一般的である。
2011年頃からオーガニックコットンの畑に遺伝子組替えの綿が混じるようになった。オーガニックコットンの8割はインドで収穫される。種屋から買った時に既に混じっている。遺伝子組換えの綿を識別出来る薬を発芽してから塗ると1/3くらい混ざっている。
今はタンザニアの比率が増え、インドとの比率は50-50くらいになった。インドは契約農家なので遺伝子組替え種子が混ざっていても文句言えない。
コットンボールの繊維長は、長くなればなるほど高級とされる。ワイシャツ、スカーフ、タオル、ジーンズ、靴下の順である。

小野さん:Bt菌の遺伝子を入れた殺虫効果のある遺伝子組換え、とうもろこしでは一般的に使われている。

池内さん:95%は遺伝子組替えと言われている。

(続く)