※初のトリップモノです。
そういう非現実的な話が苦手な方はこの先へ進まれないようお気をつけください。
読んでからの苦情はご遠慮願います。
続きものとなっております。こちらから先におお見ください。⇒ 1
恋愛ビギナー 返り咲き!?
昨日の・・・・・ってか、昨日なのかも定かではないが、私がまだ元の身体であった最後の日の事を思い出す。
残業のせいで飲み会に行けなくて、不貞腐れながら家路についていた時、
電車の中で隣り合わせた女子高生らしき女の子達の会話が耳に入った。
「で?そのあと手とか繋いだ?」
「そんなの無理だよ!!目を見て話すのも恥ずかしいのに!!」
「そっか・・・・。でも名前で呼んでくれたんでしょ?よかったじゃん!」
「うん。けど恥ずかしくて、2人して顔真っ赤になっちゃった。」
なんて初々しい。
そんな恋愛してきたことがあっただろうか?
いや。私にだって純情な恋愛ビギナーな時代があったんだ。
その時は今の子達のように、目が合うだけでときめいて、話しかけられるだけでドキドキしたものだ。
数ヶ月前に24歳の誕生日を迎えた私。
今現在彼氏はいないけど、それなりに恋愛を楽しんでる。
だけど、そんなピュアでキラキラした恋愛なんてものではない。
手を繋ぐだけでドキドキ?
名前を呼ぶだけでお互い顔を赤くしちゃう?
この年になれば手を繋ぐだけ、目が合うだけで・・・・なんて、それくらいでドキドキなどしなくなるものだ。
会ったその日に名前呼びなんて普通だし、ノリでキスもできちゃうくらいだし。
付きあって1ヶ月でキス。Hは3ヶ月・・・・・なんて、は?なにそれ?状態だ。
私も青い恋したいよー!!!!!
少女漫画みたいなべタな恋とかもう1度した~い!!!
電車を降りて、ホームから改札へと続く階段を登りながら心の中でそんな虚しい叫びを上げていた。
その時だ。
そんな事をボーっと考えていた私はうっかり足を踏み外し、あっと声を上げる間もなく身体が宙に浮いた。
そして次の瞬間、頭部に激痛が襲った。
あぁ・・・・私死んじゃうのかも・・・・・
『人生1度きりなんだしさ、楽しまなきゃ損でしょ?』
これ。私の人生論。
どんな時もポジティブに、過ぎた過去を振り返るより、明るい未来を探して歩け。
そうやって私は生きてきた。
だから後悔するような事もないし、思い残した事もない。
もちろん、もっと海外旅行したかったとか、1度くらいはウェディングドレス着たかったとか、
こんなことなら貯金なんてせずにパーっとつかいまくればよかったとか、
そういった未練みたいなものはあるけど、甦ってまで遂げたい思いってわけでもない。
だけど意識が途切れる瞬間、
「もし叶うならば、せめてもう1度、中学時代のような青い恋をしてみたかったな・・・・」
強く・・・・心から強く、私はそう思ったんだ。
「約2年ぶりか?元気になってよかったな。」
「はぁ・・・・。」
お母さんに付き添われて職員室に向かうと、なんだか暑苦しい熱血教師が迎えてくれた。
ジャージ姿って事は体育教師なのだろう。
どうやら私は中学へ入学後すぐに病に倒れ、それから約2年ほど入退院を繰り返していた。
・・・・・という設定になっているようだ。
風邪でさえほとんど引いたことがない私が入院するほどの大病って。
担任のあとに続きながら廊下を進む。
すでにホームルームが始まっているのか、廊下はとても静かだ。
「久しぶりの学校で色々不安もあるだろうが、昨日新学期を向かえてクラス替えしたばかりだからスタートは同じだ。それに皆いいヤツばかりだし、なんの心配もいらないぞ。」
「ありがとうございます。」
学校についてから気づいたことだが、今日は4月9日らしい。
私が階段から落ちたのが3月の半ばだっから、約1ヶ月ほど進んでいるようだ。
昨日が始業式だったらしく、クラス替えをしたばかりだと言う。
そう言えば学年が上がるごとにクラス替えがあった。
好きな子と同じクラスになれるかな?とかドキドキしたものだ。
『3年F組』の札のかかった教室の前で、担任は立ち止まった。
私が今日から過ごすクラスなのだろう。
これは偶然なのかそれとも必然なのか・・・・?
私が中3だった頃とまったく同じクラスに苦笑いが漏れた。
扉を開けて教室の中へ入っていく担任のあとに続く。
ざわついていた教室が一瞬にして静まり、好奇な視線が突き刺さった。
皆の視線をいっせいに受けて教壇の横に立つ光景は、入社式のスピーチを思いださせた。
「今日からこのクラスの一員になった花村瑞希さんだ。」
「花村瑞希です。どうぞよろしくお願いします。」
私が頭を下げると、担任は私が元々この学校の生徒だったことや、2年ほど入院していた事などを説明しだした。
数日程度通っただけの人間の事を、しかも2年も前となれば覚えているヤツなんていないだろう。
へぇ、そうなんだ。ってな感じの表情を浮かべる子達がほとんどで、これなら過去の思い出話などをされる心配はないとホッと胸を撫でおろした。
そういう設定にしてくれたのか、脳の柔らかさが中学生だからなのかはわからないが、
10年も前の勉強なんて忘れてしまったと思ったけど、それなりに理解できた。
いや、『それなり』どころか、かなり優秀な脳をもっているようだ。
中学時代の私の成績は中の下くらいだったし、やはりそういう設定にされているのかもしれない。
中学生と関わる事なんてなかったし、最近の中学生ってどんなもんなのよ!?
って感じだったけど、輪に入ってみれば意外と会話できるものだ。
大人とは違う純粋さとか幼さがすごく新鮮で、けっこう楽しい。
「一緒にトイレ行かない?」なんて誘われた時は懐かしいさに感動してしまったくらいだ。
そんな風に久々の中学生活を楽しんでいた私は、放課後になり帰宅しようとしたところで、
背の高いスラリとした男の子に声を掛けられた。
「どうだ?久々の学校は?」
「まぁ・・・楽しかったよ?」
「そうか。それはよかったな。」
確か柳君と言う名前だったはずだ。
生徒会の役員でもあるし、頼りになるからなにかわからないことがあれば柳に声を掛けろ。と担任に言われていた。
だけど私が誰かに頼る前に、周りの子があれこれと世話を焼いてくれたため、今日1日柳君に声をかける事はなかった。
中学生とは思えぬ長身に、最近の子は発育がいいのだと感心してしまう。
話し方も穏やかで優しく、雰囲気も落ち着いて見えるし、顔立ちも綺麗。
きっとモテるんだろうな・・・と思ったが、ただ1つ。さっきから不思議で仕方ないことがある。
彼はなぜ目を瞑っているのだろう?
これってもしかしてツッコむべき?
彼なりのコミュニケーションのとり方とか?
もし「心の目で見ている。」とか言われたら笑った方がいいのかな?
「ふっ。」
「え?」
「面白い事を考えるなと思っただけだ。」
「・・・・・・・・私、口に出てた?」
彼はその質問には答えず、またふっと笑った。
なんだろう?
危険信号が頭のてっぺんで点滅してる気がするんですが・・・・?
「それよりもこの後なにか用事でもあるのか?」
「いや・・・別になにもないけど?」
「お前さえよければ校内を案内するが?」
わざわざ案内してもらわなくても校内の事はいまだによく覚えている。
10年やそこらで大きく変わることもないだろう。
だけど彼の親切を無下にするのも申し訳ないし、なによりここで断るのは不自然な気がして
「じゃぁお願いしてもいいかな?」と、手に持っていたバッグを机の上に置いた。
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中途半端ですが一旦切りました。
前話の制服の話である程度どの学校かの目処はついていたと思いますが、今回も立海です!!
たまに他校を出すつもりですがメインは立海になると思います。
連載とまったく関係ない話ですが、とあるMっ子に「靴下を両手にはめて猫のマネをしな」と言ってみた所、
本当に手に靴下をはめた写メが送られてきました。
朝から爆笑させてもらいましたよ。ww
可愛いヤツめ♪←