仁王誕生日企画第2弾!! お題SS⑤ | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

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妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

※お題SSは全て未来設定となっております




「なんか仁王いいことあった?」

「べつに?」

「なんか機嫌よさそうじゃね?」

「そうかの?」




別になにもないが・・・?とでも言うような素振りをみせたが

内心苦笑いを浮かべていた。


他人にばれてしまうほど顔に出とったとはのう・・・。

俺もまだまだじゃ・・・。



ポケットの手を入れ歩き出す。


指先に冷たい金属が当たり、それを手の中にギュッと握り締めた。



バタバタとしていてなかなか作りに行けんかったが、

昨日やっと時間を見つけて作りに行ってきた合鍵。



もちろん渡す相手は一人しかおらん。



どんな顔で、なんて言うかを想像するだけで顔が綻んでしまう。


きっと驚きながらも嬉しそうに笑うんじゃろうな・・・。

雪のことじゃからしばらくはよう使わんのじゃろうけど・・・。



いつ渡そうか?

なんて言って渡そうか?



色々と考えを巡らせながら歩いていると、

早く逢いたい気持ちからか、かなり歩くスピードが早かったようで、

約束の時間より1時間も前に着いてしまった。



どこかで時間でも潰すか・・・?

じゃがウロウロするのも面倒じゃのう・・・。


駅前の雑踏とした光景に視線を向け、近場に茶店でもないんかと眺めていると

小さな雑貨屋が目に入った。


特に今欲しいものがあるわけでもないが、時間を潰すにはちょうどいいかと

ふらふらと雑貨屋の中に足を踏み入れた。



薄暗い店内は、アジアンチックというかエスニック風な作りで、

上から布やらランプやらがぶら下がり、香を焚いとるんか独特な匂いが充満していた。


なんや色々あるんじゃのう・・・と、店内を物色していると、

その一角に、ターコイズアクセが並べられていた。


トルコ石と言えば、12月の誕生石。

以前雪が「同じ誕生石やな」と、言っていたのを思い出した。


普段こういうアクセはつけんが、なんとなく手にとって見る。


数珠状に連ねられたものや、皮や銀細工と一緒に合わさったもの・・・・

ターコイズといっても色々と種類があるようで、石の色もさまざま。


そんな中で、濃い目のブルーに黒の混じったビーズ状の石を

皮で編みこんだキーホルダーが目に付いた。


どちらかと言えばメンズ向きのデザインじゃが、女が付けとっても変ではないじゃろう。


同じ作りで若干石の大きいものが隣に並んでいて、その二つを手に取ってみる。



鍵にジャラジャラ付けるのは趣味じゃない

雪もキーケースを使っとるし、恐らく俺の合鍵もその中へと入るじゃろう。

ケースの中に入れるのにキーホルダーなんぞ邪魔でしかない。

じゃがせっかくの合鍵。

何か揃いの物を付けていたい。



しばらく悩みはしたが、いざとなれば「俺の鍵だけ別で持っとけ」とでも言えばいいかと、

二つのキーホルダーを持ってレジへと向った。










「のう、雪。渡したいものがるんじゃが・・・・」




雪の希望で映画を見に行った後、二人して俺の部屋へ帰ってきた。


夕食の後片付けが済み、俺の隣に腰を下ろした雪にそう言えば、

「渡したいもの?何よ。」と訝し気な顔で俺を見てくる。




「なんじゃその顔は?」

「えー。だってなんかまた変なもんちゃうん?」

「変なもんなんて渡した事ないじゃろ?」

「この間真田そっくりなモアイ像渡してきたやろが!!」




あぁ・・・そう言えばそんな事もあったのう。


結局あのモアイ像は赤也の部屋に置いてきたんじゃが、

「捨てるに捨てられないんッスけど!!」と半泣きになっとった。


またそんな類のものが出てくるのかと身構える雪に

「今日はそんなんじゃなか。」と、ポケットの中から鍵を取り出した。




「なにこれ?」

「見たまんまじゃろ?」

「鍵?」

「雪のな。」

「え?私の?」




じっと鍵を見つめたまま固まる雪の手をとり、掌の上に鍵を乗せる。

雪が飯を作っとる間にコッソリ付けたキーホルダーが、鍵に当たってチンと小さな音がした。




「好きに使ったらよか。」

「えっと・・・・・え?」

「なんじゃ?嬉しくないんか?」

「いや・・・そうじゃなくて・・・・」




嬉しくないわけじゃない事くらいわかっとる。

うまく言葉が出んのじゃろうが、鍵を見つめる顔は何よりも雪の気持ちを表していた。




「なんか指輪より恥ずかしいかも・・・」

「失くさんようにしんしゃい。」

「うん、ありがとう。・・・・嬉しい。」




やっと聞きたかった言葉が聞けて、俺の胸は温かくなる。



キーホルダーが同じ事は照れくさくて自分からは言えそうにないが、

ちゃんと気づいて欲しいから・・・わざと無造作にチェストの上に置いてある。



雪がそれに気づいた時、また今と同じ顔を見せてくれる事じゃろう。




「このキーホルダーは?」

「なんとなく付けただけじゃ。」

「雅治が選んだん?」

「さぁのう。」

「なんでそこで誤魔化すんな?」

「・・・・・・なんでじゃと思う?」




さて、どうやって見つけさせようか・・・・?






   合い鍵

(いつか『お邪魔します』やのうて、『ただいま』と言うてくれるその日まで・・・・)



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この仁王も乙女チック♪

愛されたい願望が滲み出てますか?ww


お題消化完了!!

このSSは冬の間サイトの拍手に使用します!!


未来設定でお送りしたお題SSでしたが、色々妄想できて楽しかったです♪

同棲もいいけど私は半同棲くらいがいいです。

通い妻☆みたいな?ww


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キミの記憶、ボクの記憶 様からお題をお借りしました。