新連載☆ | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

このお話は高校2年という設定です。
そういうのが苦手な方は観覧にご注意ください。





Just for you





私には中等部の3年間、ずっと好きだった男の子がいた。

彼はいつでもクラスの人気者で、可愛いかと思えばかっこよかったり、

憧れや恋心を抱く女子は少なくはなかった。



特別仲がよかったわけではないけど、2年の時に同じクラスにもなったし、

『そこそこしゃべる同級生』という位置づけだったと思う。



だけど恋愛対象として見られてないのはわかっていたし、

告白とかそんな無謀な賭けに出る勇気もなかった。



片思いは楽しいばかりじゃなく、辛い事の方が多かった気がする・・・・。



そんな3年間にさよならする為に、高等部に上がってからは、

自分の気持ちを誤魔化して、違う男の子と付き合いだした。



気持ちのない恋愛なんて長く続きはしなかったけど、

私の彼への恋心を薄れさせるには十分で・・・・・気がつけばいつしか過去の人となっていた。



それでもなにかの拍子に思い出すのは、彼が初恋の人だからか・・・?

それともまだどこかで好きという気持ちがあるからなのか?



ふとそんな事を考える時もあったけど、すぐに『思い出』という便利な言葉の箱へとしまいこんだ。




ただ・・・・中等部の卒業式の時に、勇気を出して彼に描いてもらった変な絵のテニスボールだけは

いつまでも部屋の窓辺に飾られたままだった・・・・・









彼に再び恋をしたのは高校生活を1年間終えた春休みの事。


友達と行ったカラオケボックスで偶然出会い、なぜか一緒にカラオケをする事となった。



卒業式以来に交わした会話。


あの頃と変わらぬ笑顔。


覚えていてくれた私の名前。



全てが嬉しくて・・・・・消えたはずの恋心はあっという間に火を灯した。



たった数時間一緒にいただけで、また恋に落ちてしまった私。

いや・・・・もともと本当はずっと好きだったのかもしれない。


気持ちを誤魔化していただけで、本当はずっと彼を・・・・・・・




その日の夜


窓辺に置いてあったテニスボールを握り締めながら、私は覚悟を決めた。


もう・・・誤魔化すのはやめよう。


たとえ振られたとしても、自分の気持ちに正直になりたい。


好きだという気持ちを・・・・大切にしたい。
















「好きなんだけど・・・・付き合ってくれない?」



震える指を握り締め、精一杯の想いを告げた初めての告白。



「別にいいけど?」



なんとも簡単に返された返事に、私への想いがない事はすぐにわかったけれど

それでもOKの返事がもらえた事がただ単に嬉しかった。



「じゃぁ・・・・よろしく。」



ニヤけそうな顔を必死で引き締めながら差し出して手に、

「なんだよそれ!」なんて笑う彼の笑顔に胸が熱くなる・・・・。


握り返された手がいつまでも離れなくて・・・・このままずっと離れなければいいと思った。



肌寒さを感じる夜の公園で、肩を寄せ合いくだらない話をし続けた。

話の中に甘さなんてものは微塵もなかったけど、繋がれたままの手に鼓動は大きくなるばかりだった。



「付き合ったんだし名前で呼べよ。」



彼らしい理屈に、笑いながら初めて呼んだ名前。

彼は満足そうに頷いて、今度は私の名前を呼んでくれた。




全てが夢のような夜だった。



本当に・・・・・・・幸せな夜だった。




このまま永遠に続くなんて思ってはいなかったけど、

できるだけ長く続けばいいと・・・・・・星に願った、春休み最後の夜。



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新連載始めちゃいました。

またかよ!って感じですね、(笑)

すみませんね。本当に。←


これはず~~~~っと書きたいと思っていた連載なんですけど、

多分今までの中で1番シリアスな感じになると思います。

ギャグが出てこないから書き上げられるのかかなり不安なんですけどね。ww


あ、お相手の名前もまだだった!!

さて・・・誰でしょうね?(オイ)


当分はこれに力を入れたいと思います!


かなり長いお話になる予定ですけど、予定は未定ですからね。ww

目指せ30話越え!!(大きく出たな・・・・。)


凝りもせずに新連載始めてしまったわけですが、またよければお付き合いください。