「えらかったですね。」
「だから子供扱いしないでってば!!」
朝起きたら熱があった。
体もだるいし、寒いし、関節も痛い。
これからまだまだ熱が上がるんだろう。
昔から私は熱を出しても意外と元気で、食欲もある。
グッタリとしたりしないから、熱があるなんて気付かれない事も多い。
だけど今回は珍しくしんどい。
起きるのも辛い・・・。
とりあえず病院でも行こうかな?でもしんどいし・・・・・。
あっ!!こういう時こそ比呂士じゃん!!
って事で、彼氏である比呂士を呼び出した。
「で?例の物は持って来てくれたの?」
「診察もせずに薬だけなんてもらえるはずがないでしょう?」
「はぁ!?なら何しにきたのよ!!」
「あなたの看病をしにですよ。」
比呂士のお父さんは病院の先生だ。
開業医ってヤツで比呂士の自宅横で医院を経営している。
だから薬貰ってきてって頼んだんだけど・・・・・。
「看病って・・・。別にいいよ。寝てりゃ治るだろうし。」
「そういうわけにもいきません。愛する彼女が風邪と聞いて何もせずになんていれるはずがありません。」
「またそんなセリフを恥しげもなく・・・・」
「とりあえず病院まで私がお連れしましょう。」
「ちょっと待ってよ!!」
起きるのしんどいし、病院行くのだるいから薬持ってきてって言ったのに!!
それじゃぁ何の意味もないじゃん!!
「病院はいいよ。薬貰ってこれなかったなら市販の薬でいいから買ってきてくれない?」
「いけません。ちゃんと診察してもらわないと。」
「どうせ風邪だって!病院行っても同じ事言われるだけだよ!」
「素人判断はいけません。」
なんなのよもぉ~!!
こんな事なら電話するんじゃなかった!!
てきぱきと「ではまず着替えてください。」とか指示を出してくる比呂士だけど
マジで行きたくな~い!!
「あ、なんか元気になってきたかも!!」
「そんな嘘をついても無駄ですよ。」
「も~!!!本当に病院とかやだ!!しんどいもん!」
「では私が抱き上げてお連れしましょう。」
「そんな恥しい事できるわけないでしょう!?」
比呂士なら本当にやりかねない!
もうここは泣き落とすしかない!?
「ねぇ、こんなに嫌がってるのに無理やりなんて酷くない?」
「そんな顔してもダメですよ。あなたの為ですから。」
「はァ・・・。」
「溜息をつきたいのは私ですよ。仕方ないですね・・・ではちゃんと病院に行くならご褒美をあげましょう。」
「ご褒美って・・・小さい子供じゃあるまいし・・・。」
「病院が嫌だなんて駄々をこねてる時点で十分子供ですよ。」
悔し~い!!
行けばいいんでしょ!!行けば!!
ってなわけで・・・・・・嫌々ながらも病院に行き、診察を受けてきた。
で、診察を終えた私と比呂士との会話が冒頭の会話である。
「ではお約束通りご褒美を差し上げなくてはなりませんね。」
「じゃぁ・・・・なにか甘い物がいい。」
子ども扱いは嫌だけど、貰える物は貰っとかなきゃね!!
比呂士からご褒美もらえるんなんて滅多にないし!
何がいいかな~?
アイスにしようかな?プリンでもいいな・・・・。
そんな事を考えながら病院の外に出た時
隣に並んだ比呂士に肩を叩かれた。
「そうですか。ではこれを・・・」
「え?」
これ?これって何?
そう思って比呂士の方を見上げたと同時に、唇に柔らかい温もりが・・・・・・。
放心状態で立ち尽くす私に、「甘かったですか?」
なんて言いながら、眼鏡を光らせ微笑む比呂士が憎らしくて
アッカンベーと舌を出して拗ねた素振りを見せたけれど、
確かにそれは・・・・甘い、甘いご褒美だった。
ご褒美のキス
(風邪うつっても知らないから)
(私もご褒美は甘い物がいいです。)
(バカじゃないの!!)
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お次はぎゅ様でした♪
ぎゅ様の計算は完璧です!!ww
さてさて、後は・・・・ユッキーか?
ユッキーなんも思い浮かばんわ・・・。