蓮二SS | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言


「何か食べたいものでもあるのか?」

「カレーが食べたい。」

「・・・・・。もう1度聞こう。何か食べたいものでもあるのか?」

「カレーが食べたい!!」



せっかくの休日。

本当ならデートに行く予定だった。

だけど今私はベッドの上で寝かされている。


朝目覚めた時にはすでに熱があって体が危険信号を出していた。

それでもそれほど高い熱でもないし大丈夫だろうと待ち合わせの場所まで向かったんだけど・・・・・。


会った瞬間蓮二は私の体調の悪さに気づいてしまった。

そして否応なしに腕を引き、自宅まで連れ戻された。


せっかくおしゃれした服はパジャマに着替えさせられ、

頑張ってUPした髪は一瞬で解かれてしまった。


ふくれっ面でベッドで横になる私をいつものすまし顔で見下ろす蓮二が憎らしい。

楽しみにしてたのは私だけ?



「風邪の時は消化はよく体の温まるものが好ましい。」

「カレーは身体が温まるじゃん!」

「消化がよくないだろう?」

「誰が言ったの?」

「医学的に証明されている。」

「え~!?でも私の体は例外なんだよ!」

「今日はやけにつっかかるな・・・。どうした?」

「病気の時くらい甘えたいの!!」



それは甘えではなくただのワガママだ。

わかってるよそんな事・・・。

だけど今日は久し振りのデートだったし・・・ずっと蓮二といれると思ってたのに・・・。


別に本当にカレーが食べたいわけじゃないし、蓮二を困らせたいわけでもないけど

きっと薬を飲んで寝てしまったら蓮二は帰ってしまう。

だから・・・・こうやって無理を言ってでも、できるだけ引き止めていたい。



「フッ。」

「何がおかしいの?」

「そんな事をしなくてもちゃんと傍にいてやる。」

「なっ!?」

「俺とてお前との時間は大事に思っている。」



ベッドの横に腰を下ろした蓮二の瀬線が、寝ている私と同じ高さに合わされて

なんだか気恥ずかしくて視線を逸らすと、ひんやりとした手がおでこに添えられた。


悔しいな・・・・。

蓮二は何でもお見通しで、こうやって欲しい言葉を欲しい時にくれる。



「寝ても帰っちゃヤだからね。」

「なら・・・離れられないように手を繋いでおくか?」



デート中に手を繋ぎあって歩くのもいいけれど、

こんな風に弱った私を守るように優しく握られた手は安心と安らぎを与えてくれて、

私はその手を離すまいと、強く・・・・きつく握り返した。






   1番の薬

             (トイレ行きたい時は離していいよ?)

             (そんな気遣いはしなくていい。)


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久々の拍手用SS。第・・・何弾?←


蓮二もいいですよね~。

立海はどのキャラも素敵で困っちゃう♪


蓮二はしっかりとした大人チックな彼女でも、甘えたなワガママな彼女でも

どんな相手でもうまくやっていけそう・・・・。