7.29国会大包囲において、逮捕者が2人あったが、本日7.31に釈放された。
喜ばしいことだが、まだ不起訴が決まったわけではない。今後の動向に注目したい(救援活動は、「官邸前見守り弁護団」と救援連絡センターの共同で行われているようである)。


今回の逮捕につき、主催の首都圏反原発連合(略称: 反原連。首都圏の反原発グループのネットワーク)は、逮捕されたこと、釈放されたこと、をアナウンスするのみで、釈放前に主催としての声明や、事実経過を告知することはなかった。


内部決定に時間がかかることを考慮しても、逮捕者が出たことについて主催として事実関係等を公表しないことは、参加者である被逮捕者を切り捨てることになってしまう。


参加者に不足の事態が生じた場合、
これを公にし、支援を呼びかけずに参加者を孤立させる主催であれば、自らは覚悟して臨むとしても、人に参加を勧めることはできない。


そこで、事後報告や今後の方針を明らかにして頂くため、私は一個人として反原連のHP記載のメールアドレスにメールを送付した。
反原連の対応を期待したい。



逮捕者が出たことについて、無関心であったり、逮捕者が出たことは残念などの反応があった。さらには、勝手に逮捕されて、と蔑むものもあった。


これらが示すのは、「不当逮捕」なるものがこの世に存在すること、「逮捕されるということ」が如何なることかあまりにも知られていないということである。

実態を知れば「自ら望んで逮捕される人などいない」「被逮捕者は行動を共にした仲間として助けなければならない」と感じるはずである。

なぜなら、逮捕されるのは“特別な誰か”ではなく、“誰も”にその危険性があるからだ。逮捕されるか否かは警察組織の胸三寸である。


少しでも情報共有できることを願い、抗議行動における逮捕の実態について、以下に述べる。私に被逮捕経験はないが、すべてともに東電前や官邸前で声をあげてきた仲間から見聞きした話である。より具体的な内容は救援連絡センター発行の『救援ノート』や、園良太さんのBlogに詳しい。


★『救援ノート』は500円という手頃な値段で、逮捕~起訴までの基本事項・注意点がコンパクトにまとめられており、ぜひ一読して頂きたい。



【警察は人によって態度を変える】
まず、基本的なことを共有したい。あなたに対して警察は丁寧に接してくるかもしれない。しかし、同じ人間がフル装備でデモ参加者を威嚇し、命令口調や罵声を浴びせる。それが警察組織である。
抗議者間の悲劇は、この差別扱いを知らない人々が、警察批判をする人々に無理解であることから生まれる。

官邸前に絞れば、人々は原発反対を叫びに来ている。誰も警察と揉めたくはない。しかし、警察が歩道に人々を押し込めたり、根拠もなく通行止めにするからこそ、怒号が飛ぶのである。

なぜ警察に抗議するのか、一歩立ち止まって考えてみて頂きたい。




【不当逮捕とは何か】
警察は何もしなくても逮捕することがある。軽く手が触れただけで「公務執行妨害」、デモ隊が広がらないように呼びかけていた人を、デモを広げたとして「公安条例違反」として現行犯逮捕。これらは現実にあったものであり、不当にも逮捕された例である。公安条例違反や公務執行妨害は、警察が不当逮捕に使う常套手段。



【逮捕されたらどうなるか】
既出の『救援ノート』に詳しい。

ここでは、東京の場合を例に挙げる。
逮捕されると警察署で持ち物を取り上げられ、身体検査をされ、写真や指紋をとられる。取り調べが始まる。

弁護士を呼ぶことができるが、接見(面会)が制限されれば家族とすら会うことはできない。

24時間監視され、警察署の代用監獄に監禁される。

次の日は手錠と腰縄をかけられて検察庁にバスで運ばれる。検察庁の地下の硬い板の椅子に私語厳禁・姿勢を崩すことを許されずで7~8時間座らせられたあと、検察官と面会
(映像描写は、映画「それでも僕はやってない」が参考となる)。


検察官が勾留請求すれば、そのまま裁判所の地下室へ連れていかれる。
酷ければ裁判官がたった2~3分の勾留質問を経て、10日間身柄拘束が延長される。

勾留は最大23日間に及ぶ。
この間、あなたが誰にも連絡を取れなかったら?
職を失い、人間関係も損なわれる。

逮捕は、社会生活を破壊する。

ちなみに、私は真っ当な裁判官や検察官がいることも知っている。警察官個人としては人格者もいるだろう。しかし、組織としてこのような実態があることも、また事実である。

逮捕者は孤独である。
社会と強制的に隔離されるからだ。
だからこそ、逮捕がわかったときから、支援を広める必要がある。


主催が被逮捕者を切り捨てるということは、いつかあなたも切り捨てられるということだ。

私は、抗議行動に集まった人々は、
行動を共にした時点で仲間だと感じている。限りなく横につながる力が、原子力村に対抗する力だ。

仲間を切り捨てるようなことには賛同できない。信頼関係が保てないからだ。


今後の動向を見守りたい。








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