私は実は双子。二卵性です。
そのため身長も違うし、性格も違います。顔も!
確か中学の3年生の時のこと。双子の方割れをYとしましょう。Yは、母とある約束をしました。
どんな約束かというと、もし、次の教研テストで400点以上とれたら、1万円もらえるという約束でした。
教研テストとは、茨城県内の中学生が、多分、全員受けるテストで、その点数次第で、どこの高校に行けるかを試す、いわゆる模擬試験のようなものでした。5教科、500点満点です。
Yは、それまで250点前後を取っていたはず。
それが、400点を目指すというのです。
私は、たぶん無理だろうと思いました。母もそう思っていたことでしょう。
でも、それでも挑戦しようとするチャレンジ精神に、母は1万円にOKを出しました。
本人としては、何かを欲しいものがあったようです。
さて、試験が近づいてきて、Yは、勉強を結構、やっているようでした。身近で見ていた私としても頑張ってるなと思いました。
そしてどんどん試験は近づき・・・・試験は終わり、
結果が出る日となり。
なんとYは、400点以上の点数を取ってしまったんです。
私自身もすごいなと思いました。
ただですね、身内としてすごく、嫌だなと思ったことがあります。
「カンニングしたんじゃないか」という声をいくつか聞いたことです。
頑張ったことの事実を認めて、「よく、やったね」と言えばいいのに。
とにかく、Yは、みごと1万円をゲットしました。
しかし、・・・・・・・
数ヵ月後に行われた教研テストでは、なんとYは、元の点数に戻ってしまったのでした。
周りの友達は、「あれは、やっぱりカンニングだったんじゃないか」と言うものもいました。ある意味、そう言われてもしょうがないですね。私はしていないと信じていますが!
さて、なぜ、こんな身内の恥をさらすようなことを書いたかというと、(本人が見たら怒るかな?)子どもに勉強をさせるのに何かで釣るというのが、あまりよくないからです。
アドラー心理学では、褒美を与えることを戒めています。
ふつう、ほうびは、上に立つ人から下の位置の人に与えられるもので、そこには相互に尊敬しあうという姿勢はありません。
それは、しばしば「えさ」として使われ、その結果、価値あるものが無償で与えられることは決してないことを教えてしまうのです。
親が与えるほうびは、しばしば子供が目に見えるほうびをもらえなければ何かをすることを拒否するようになった時にツケが回ってきます。
まあ、今回の例は、本人が「えさ」を欲しくて自分から言い出したのであって、親が「えさ」でつって勉強をやらせようとしたのではありません。
でも、「えさ」自体が目標であったので、その「えさ」をとらえるという目標を見失ってしまうと勉強に関心が向かなくなってしまったという事例なんだと思います。
アドラー心理学的に考えれば、Yが勉強している時に「よく頑張ってるね」などと母が声がけをして、その努力を認めてあげていたら違うことになっていたかもしれません。
まあ、母もそんなこと知らなかったのでしょうがないですが!
だからこそ、知らないというのは、ある意味、こわいことですよね。
東京や埼玉、千葉などでは、スマイルという親子関係セミナーが行われています。
今の「えさ」で釣ることが、どうしていけないことなのかなど、体系的に学ぶことができます。
以下にそれを行っている方たちのHPをご紹介しておきます。
ここをクリック!
ところでYは、2人の子どもを大学に入れ、上の子は今年就職しました。
Y本人は、高卒です。それでもりっぱに子育てという役割を果たしたんだと思います。
幸せってなんだろうと考えた時、Yを見ていると奥さんとも仲が良く、学校の勉強が、できるできないなんてあまり関係がなさそうだなと思います。
- アドラー心理学への招待/アレックス・L. チュウ
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
この本、とってもわかりやすいです。