『たかが世界の終わり』2/11satより公開 | vivienne sato
⭐️『たかが世界の終わり』2/11satより公開⭐️

グザヴィエ・ドラン最新作『たかが世界の終わり』。いよいよ2/11より恵比寿ガーデンはじめ公開です!!!
公式サイトとフライヤーにコメント寄せました。(案3が採用されました!)
http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

長編『私はロランス』(2002)では一時間程度のインタビューから10年+2年(出会うときの回想)の12年の回想の物語であった。
この『たかが世界の終わり』ではたった数時間の話。しかし、その数時間の間にはさらに長い記憶の時間が折りたたまれている。。。そして何億光年もの星々にまでその時間軸は拡張
されていく。。。
12年ぶりに帰った家族の帰郷は、いままでの不在と現実の隙間がうまく埋まらないことを証明してしまい、家族の心の傷や憎しみや痛みまで露呈してしまう。。。
ドラン映画における時間や記憶に関する捉え方がより一層明確化される作品。


⭐︎1:
かつて悪友と愛し合った煌めくような自分の部屋に、何光年も彼方の星々の光が届いていた事実を私たちは見逃さない。。星々はすでに存在しないが未だ輝き続けている。不在の家族と同じように。
 
⭐︎2:
長年不在の家族の帰宅が、家族関係を一瞬にして溶解し、心をざわつかせ、傷を一気に炙り出す。不在の家族とは見えるけれど存在しない何億光年の星そのものだ。いや映像のことなのかもしれない。
 
⭐︎3:
そこに居ないことで均衡が保たれることがある。それは家族でも何光年も先にすでに燃え尽きた星々でも同じだ。しかし、存在はしなくとも、その愛や輝きは私たちに影響を及ぼし続ける。
 
 
ヴィヴィアン佐藤
(アーティスト、ドァグクイーン)