のび太くん
友達のHちゃんの家に遊びに行った時のことです。
棚の上に水槽が２つ。
かなり大きな金魚だった。
「６年前かな～
お祭りでとった金魚がどんどん大きくなって・・・
その左の水槽にいる白い大きいのがジャイアンで
まだら模様のがスネ夫っていうの」
Hちゃんが紹介してくれた。
なるほど、そう言われてみれば・・・
いかにも強そうなジャイアンと、
ちょっと意地悪そうなスネ夫、そんな感じの２匹だった。
それから、Hちゃんは言ったわ。
へぇ～こっちの１匹だけ別にされているのが、のび太君ね？
と、右側の水槽を覗いた私は・・・
思わず、ハッとしてしました。
だって、だって・・・
のび太君は・・・のび太君は・・・
水面に白い腹を出し、ぷっかり浮かんでいたのだから！！
そんな状況とは知らず、
Hちゃんはのび太君の紹介をさらに続けた。
その話しぶりからは、
ダメな子ほど可愛いという愛情が伝わってくるようで、
私は頭が真っ白になっていった。
でも、このままではいけないわ。
のび太君のためにも・・・私は意を決して言ったのよ。
すると、Hちゃんは・・・
一瞬、言葉に詰まったけど、
その後すぐに首を激しく横に振りながらこう言ったの。
わかるわ・・・Hちゃん・・・
６年間も可愛がってきたのび太君だもの。
死んでしまったなんて、信じたくないんだわね。
よくドラマにもそんなシーンがあるじゃない？
医者が恋人に向かって、亡くなったことを告げるわ。
でも、その現実が受け止められない恋人
（キャスティングは潤くんで）は・・・
妙に明るく現実を否定するのよ。
そう、Hちゃんもきっと同じなんだ。
Hちゃんは、のび太が水面に浮かんでいる姿を見た。
気の毒だけど、Hちゃんは現実と向き合うことになった。
でも、潤君が目を覚まさず横たわる目の前の恋人
（キャステキングはこの↓方です）を見ても
まだ信じることができない、信じたくないのと一緒で・・・
Hちゃんは、のび太君の死をきっぱりと否定したわ。
そう、潤君が愛する恋人
キャスティングはこの方で↓・・・ってしつこい？
の死を受け止められないのと同じこと・・・
ついにHちゃんは、水槽を手でバンバンと叩き始めた。
潤君が目の前の恋人の体を揺さぶるように・・・
どんなに揺さぶったところで恋人は還らないのに・・・
Hちゃん・・・のび太君はもう還ってはこないんだよ・・・
そりゃ、のび太だって・・・
大好きなHちゃんに呼びとめられたら
なんとしても戻りたいと思っているに違いないわ。
私にはわかる。
でもね・・・それは無理なのよ、Hちゃん！
すると、Hちゃんは言ったわ。
ついに、Hちゃんの目には
幻想まで見えるようになってしまったのね？
Hちゃん、辛いのはわかるけど・・・
のび太君は・・・のび太君は・・・ほら！
そう言って水槽に目をやった私は目を見はったわ。
の・・・のび太くん？
いたって普通・・・元気に泳ぎ回っているじゃないの！
言葉を失う私にHちゃんは言った。
それにしても・・・
のび太君！！
皆さんも見てくれる？
私が見たのび太君よ！
ジャイアンとスネ夫も「またやっているよ」と意に介さず。
なんでもHちゃんが言うには、
のび太君は3年前から
このスタイルを通しているそうだ・・・。
始めの頃は、ドッキリしていたHちゃん家族も
今ではすっかり慣れっこになっているらしく、
のび太君は驚いてくれる来客を待っている？
そう・・・私のようにね。
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のび太君ウケる！ブログに書きたいなと思って、のび太君の休憩ポーズの写真を撮ろうと、Hちゃんのお宅に居る時に何度もカメラ向けたのに、全然休憩してくれず。Hちゃんいわく「あぁ、のび太君は目立ちたがり屋だから、カメラ向けると優雅に泳ぎ回るんだよ」と。結局、Hちゃんの家に居る時には撮れず、後でHちゃんに送ってもらうことになりました。Hちゃん、協力ありがとう！