障がいのある人たちの豊かな生活を支援していくためには、「生」の根本である「性」について学ぶことが大切です。でも一人では取り組みにくいし、だれに相談すればいいのかわからない・・・そんな支援者・家族・現場の声にお応えするために、《ゆいの会》という学習会を開くことにしました。気軽な情報交換からケース・スタディーまで、参加者のニーズに応える実践的な学びの場に、ぜひあなたも一度参加してみませんか。
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ゆいの会:東みすゑ yuinokaifukui@gmail.com
障がいのある人たちの豊かな生活を支援していくためには、「生」の根本である「性」について学ぶことが大切です。でも一人では取り組みにくいし、だれに相談すればいいのかわからない・・・そんな支援者・家族・現場の声にお応えするために、《ゆいの会》という学習会を開くことにしました。気軽な情報交換からケース・スタディーまで、参加者のニーズに応える実践的な学びの場に、ぜひあなたも一度参加してみませんか。
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4回目となる支援者・保護者のためのオンラインセミナーを11月5日(日)に開催しました。相談支援員、保育所等訪問支援員の寺部佳代子さんを講師にお招きし、「日々の生活の中に性の視点を!」と題しての講演でした。当事者、保護者、支援者を合わせ48名の皆さんが参加してくださいました。
講演では、まず「性」の学びは「生」の学びであり、自分の体を大切にすることから他の人の心を大切にすることまで、広くて深いテーマがある。愛着形成、基本的信頼感の獲得、基本的な生活習慣の形成、社会性の芽生えは幼児期から始まる。自分の体を知ること、自分を好きになることが『自己肯定感』の基礎となり、自分と周りの人の体と心を守ることにつながると話されました。
また障害のある人も性教育を受ける権利があることが国際社会では確認されている。包括的性教育は、性を禁止・抑圧したり、特定の価値観に基づく恋愛や結婚のあり方を押しつけたりするものではなく、科学的なさまざまな情報を基にして、自分やパートナーの尊厳を大切にしながら、自分がもっとも輝ける性行動を選ぶ力を身につけるために行われる。文科省が推進する「生命の安全教育」以前に、身につけておきたい3つの重要課題として、①自分の体が大切であるという自覚②快いふれあいと不快なふれあいを弁別できる力③それらの根本となる「自分は大切である」という気持ち(=自己肯定感)が育っていることが大切である。障害児教育では、「ダメダメ」、「やめなさい」、「いけません」ではなく、子どもたちが育つ日常生活の中で正しい知識を何度も繰り返しポジティブに。一人ひとりのwell-beingを目指して、生き方、学び方を一緒に考えていくことがポイントであると話されました。well-beingは「より積極的に人権を尊重し、自己実現を保障する」という意味。子どもは単に保護の対象ではなく一個の人間として、権利主体として認められることであり、そのために、まずは大人たちが正しい性の知識と理解のためにともに学び、その学びを広げていきたいと講演を結ばれました。
講師 寺部佳代子さん
講演後の年代別交流会では、3つグループに分かれ参加者の体験や実践を話し合い、お互いの学びを深めました。
①就学前~小学生グループ:他者との距離が近すぎる場合の対応について、距離感は人それぞれに違い、相手や日によっても違うため、毎回丁寧に伝えていくことが必要。その際「腕一本離れなさい」ではなく、大人が柔軟に対応することが重要であり、こうした学びの土台として、ふれあいや快の体験を多く積み重ねることが大切だと確認し合いました。
②中学生・高校生グループ:まず母親から中学生男子の性行動についての困りごとに対して、助言者から性教育の必要性についてのアドバイスがあった。各事業所から性教育実践が報告され、子どもたちの「ふれあいたい」という気持ちを大切にし、いろいろな方法で満たしていくこと、「自分が大切」ということが子どもたちに伝わる性教育に取り組みたいと話し合われました。
③成人グループ:グループホームは、大人が生きるために頼りになる大切な生活の場であり、性の学びを取り入れることで、より自由に充実して過ごすことができる。支援者は、当事者の性のニーズを把握し、肯定的に対応すること。性教育は構えず、ちょっとしたことから取り掛かればいい。大人の学びそびれに対して、気長に取り組むことが大事と話し合われました。
参加者の感想より『愛着形成の大切さを痛感しました。まだ満たされていない状態の時は受け入れてあげることも大事、でも全部OKではなく、嫌な時はきちんとそれを伝える・・など、考え方や線引きの仕方など参考になりました。子どもたちには、「腕1本分」「触らない」といつも言っていましたが、間違いだったんですね・・目からうろこでした』とあり、共に学び合えた貴重な一日でした。 (文責:松川里美)
10月2日(日)に講師に日暮かをるさんをお招きし、64名が講演、年代別グループ交流会を通して学びを深めることができました。オンライン開催でしたが、全国の皆さんとの交流する有意義な時間となりました。
講演 考えてみよう!人権としての「性と生」
元東京都支援学校教員の日暮かをるさんの講演では、まず、「大人が性を学び、学びあうことで社会に根付いた性の偏見から自由になりましょう」とエールを送っていただき、性の学びで大切にしたいことは、誰でも自分の「こころとからだの主人公」「人生の主人公」であり、「性」は人権の基本であり生きる基盤であること、性教育の大事な項目は「関係性」「多様性」であること、からだの学びは、早い時期から丁寧に繰り返し、個々の成長の時期に必要な学びを当事者・支援者がともに学習していくことであると話されました。
また、最近メディアから注目されている2003年の都立七生養護学校(現:七生特別支援学校)の「こころとからだの学習」への攻撃にも触れ、「七生養護こころとからだの学習裁判」において2011年に東京高等裁判所に提出した最後の意見陳述書から、担任として関わってこられた2事例を紹介され、性教育は、ただ授業をすればよいということではなく、日々の生活の中で当事者と支援者との安心できる関係性を作りながら生涯をとおして実践していくものであり、都立七生養護学校の性教育でも目指していたと述べられました。「子ども自身の発達や育ちを大切にする包括的性教育に皆さんで取り組んでいきましょう」と結ばれました。
年代別交流会
年代別交流会では、就学前から小学生、中・高校生、成人2つの4グループに分かれ、当事者・保護者・支援者からの発言をうけ、参加者の体験や実践をもとに話し合いました。どの年齢層でもみられる困りごとと捉えられる性行動について、育ちや背景にあるものを探り、禁止するのではなく学びのチャンスと捉え、性教育や周りの人たちとの関わりの中で適切に行動できるように、繰り返し支援していくことが大切であると確認し合いました。
青年のセミナー“まなぼう!はなそう!”を今年こそ開催できるかとコロナ感染者の状況を見てまいりましたが、残念ながら第7波に入り感染者は増加傾向です。この様な状況では青年たちの安全を保障することはできないと判断し、断腸の思いで中止とさせていただきます。
今回で3回目となる支援者・保護者のための障害児・者性教育セミナーを10月2日(日)午後1時30分より、Zoomにより開催いたします。今回の講師は元七生養護学校の教員、日暮かをるさんです。『考えてみよう!人権としての「性と生」』と題してお話をしていただきます。
皆さんと一緒に学びながら、今後の支援に繋げていきましょう。
講演後には年代別交流会を行います。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
障がい児・者の性を学ぶ会《ゆいの会》は、2021年11月7日(日)に2回目となる支援者セミナーをオンラインで開催しました。67名の参加者のうち約3分の2が県内からの参加であったことは、これまでの地道な活動の成果ではないかと考えています。
講演は「性教育実践、はじめの一歩~一緒に学び、語り合い、知ることからはじめよう~」で、講師は永野佑子氏(障害児・者サークル前代表)です。永野さんのお話は1週間前の選挙の話題から始まり、政治によって福祉や教育の制度は変わりますが、政権を変える力を持っているのが投票です。「日本の社会では政治と性に関する会話が遅れている」とのご指摘は、とりわけ刺さりました。
永野さんが半生をかけて実践してこられた性教育の根幹にある揺るぎない信念が、親しみやすい語り口から伝わってきました。生き辛さを抱える障害のある子どもたちにとって、性教育は人間の尊厳に気づかせ、自己肯定感を育て、人間の平等・同等を学ぶ人間回復の教育です。それには大人(支援者)にこそ性の学びが必要であり、禁止や抑制ではない本当の性教育を子どもと一緒に学ぶこと、まずは教材や絵本を読むことから始めては、ということで、たくさんの本を紹介し、大切なポイントも説明してくださいました。
◎年代別交流会
就学前~小学生グループでは性器タッチや距離感について、中学生・高校生グループではカップルの支援について、成人グループは2グループあり、矯正施設(刑務所)や地域生活定着支援センター(犯罪を犯した方の就労支援)での性教育の必要性、福祉施設での利用者への支援についての話題などが出ていました。少人数で気楽に意見や感想を交流することができ、助言者からの具体的なアドバイスがあったことも好評でした。どのグループにも共通して、「ふれあいの文化」を育むことが、障がいのある人たちの豊かな「生」への支援であることが確認できたように思います。
◎参加者の感想より
・最初に性教育が価値観を変えて、ひいては自信を持つことにつながるという話が、なぜそうつながっていくのだろうと感じました。しかし陰部を触ることでの快感や落ち着き、欲求を自分で満たす性的自立、そしてふれあいの文化を保証することで関わり方を学ぶ機会になったり、性的欲求が間違った方向にいかない関りになりえると納得できました。 そして、性加害者の支援にあたりながら、性に関しての話をしてこなかったことを、恥ずかしく思いました。ご紹介いただいた本を参考に、性教育について学び直すきっかけにし、性で困っていることがないかにも、丁寧に耳を傾けていきたいと思います。
・永野先生の講義を聞いて、今日からが性を学ぶ機会の始まりになりました。
・性について当たり前の教育が日本は遅れている。恥ずかしい、いけないこととの価値観を払拭して大事な体について学び合うことが必要だと思った。
・自分の施設内事業所全体において「ふれあいの文化」をつくり、育てていくことで、職員自身の学びにもなると思います。
・問題となる行動を消失させようという意識でいましたが、どのように付き合っていくかという認識がまず必要で、その為には、支援者自身のセクシャリティへの理解を深めること、そして対象の方の性の向き合い方を知ることが大切だと感じました。
今年度もコロナ感染拡大のため、青年のセミナー゛まなぼう!はなそう!”は、大変残念ではありますが中止とさせていただきます。
しかし、支援者・保護者の方々の学びは、続けたいと思います。
来る11月7日にオンラインで実施いたします。多くの皆様のご参加をお持ちしています。
オンラインによる支援者・保護者のための
障害児・者 性教育セミナーinふくい
障害児・者サークルの創設者の一人、永野佑子さんをお迎えし、性を人権として捉え、発達を保障する視点から話していただきます。性教育の必要性を感じていても、なかなか踏み出せない方、もっと性教育を学びたいと思っている方には、力強い後押しになると思います。また、講演後の各年代別交流会にはアドバイザーが入り、参加者の方々の日頃の悩み等に応えながら、共に学び合える交流会にしたいと考えています。講演の定員は100名ですが、年代別交流会の定員は50名となっていますので、お早めにお申し込みください。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
日 時:2021年11月7日(日) 午後1時30分~4時30分
【第1部 講演】1:30~3:05 ★演題:「性教育実践 はじめの一歩」 ~一緒に学び、語り合い、知ることからはじめよう~ ★講師:永野佑子さん プロフィール:障害児・者サークル前代表、『季刊セクシュアリティ』編集委員。 1966年から障害児学級の担任として中学校に勤務し、1986年、学級の子どもたちの性的問題行動をきっかけに性教育を始める。1989年「生きる力を育てる性教育」の実践論文で読売教育賞最優秀賞を受賞。38年間の障害児学級での経験を活かし、退職後は性教育を広めるため全国各地に足を運んでいる。 |
【第2部 年代別交流会】 ・3:10~4:10 A 就学前~小学生 B 中学生~高校生 C 成人 ・4:10~4:30 各交流会報告等 |
☆参加費:【1,000円】一般
【 500円 】サークル会員・性教協会員・当事者・当事者の家族・学生
振込口座(ゆうちょ銀行) 記号13320 番号15637251
【他行からは 店名三三八 店番338 普通預金口座番号1563725】
加入者名:障がい児・者の「性」を学ぶ会≪ゆいの会≫
(振り込み手数料はご負担ください。窓口での現金振込は手数料が割高になりますので、ATMをご利用ください。)
☆定員:講演…100名 ☆年代別交流会…50名
☆申し込み方法:Email:yuinokaifukui@gmail.com(ゆいの会)
①氏名 ②メールアドレス ③都道府県 ④所属・職種 ⑤希望の交流会(第2希望まで)
⑥電話番号 ⑦一般・サークル会員・性教協会員・当事者・当事者の家族・学生のいずれか
※メール本文に上記①~⑦をご記入のうえ送信してください。
☆申し込み締め切り:10月31日(日) (ただし、年代別交流会は定員になり次第締め切ります。)
★ご送金の確認後、受付完了メールを送信いたします。
★ご送金後4日以内に受付完了メールが届かない場合は、お手数ですがその旨をメールでご連絡ください。
★ご送金後のキャンセルや当日不参加の場合は返金できませんので、あらかじめご了承ください。
★セミナー2日前までに招待メールを送信しますので、届かない場合は、メールでご連絡ください。
★携帯電話会社などのメールアドレスの場合、Gmailが受信できないことがありますので、設定をご確認ください。
主催:障がい児・者の「性」を学ぶ会≪ゆいの会≫
共催:“人間と性”教育研究協議会 障害児・者サークル
寒い季節になり、新型コロナ感染症が拡大してきました。感染予防対策に緊張の日々が続いています。
さまざまなイベントが中止になるなか、今回、オンラインによる支援者のための障害児・者性教育セミナーを開催します。日本福祉大学 伊藤修毅先生の講演 分科会では、各年齢ごとに分かれて日頃の気がかりごとについて話し合いを行います。
集まってワイワイ話をすることが難しい今、オンラインではありますが、皆さんで学びを深めていきたいと思います。