ボクたちの交換日記 | 脇田唯公式日記~甘味種唐辛子~

ボクたちの交換日記

皆様、おはこんにちばんは
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脇田唯の公式日記ですカチンコ

さてさて、昨日の夜、
とっても素敵な映画を観て参りました。

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『ボクたちの交換日記』

公式HP
http://koukan-nikki.jp/


伊藤淳史さん、小出恵介さんの豪華ダブル主演!!

監督/脚本に内村光良さん!!
そして原作は、鈴木おさむさん!!

これだけでも、豪華な映画なんですが、
こちらの映画、キャスト陣がそうとう豪華です。
そして、どのキャスティングも秀逸です。
細かい役、本当に、どの役もぴったりです。
なかなか、ないです。
それくらいキャスティングが素晴しかったです。


架空のお笑いコンビの話とは思えないリアルな描写、
そして、そのお笑いコンビが始めた交換日記を元に進行して行くストーリーは、
とてもテンポがよく、2時間半くらいあった上映時間を一切感じさせませんでした。
本当にあっという間に、登場人物に感情移入し、
夢中で観ている間にエンドロールを迎えました。

何かに向かって懸命に頑張っている男の人は、
どうしてこうもキラキラと格好いいのでしょうか。

女の子の絆とは、また少し違った美しさがあります。
たまに、その輝きが、とてつもなく羨ましくなってしまいます。

今回の作品で描かれるのは、結成12年目にして、
未だ鳴かず飛ばずのお笑い芸人「房総スイマーズ」というコンビ二人の絆と渇望。
30歳になった今、お笑いへの情熱は失っていないものの、
崖っぷちに立たされているのも事実。
今まで、面と向かって話せなかった、それぞれの本音を
「交換日記」というアイテムを介し、キャッチボールしていく。

お笑い芸人ではありませんが、私の胸には、ものすごく響きました。
それは、もう、痛いくらいに。
「感動のエンターテイメント」と聞いていたので、
泣くことも覚悟してはいました。

でも、ここまで、突き刺さるとは予想していませんでした。

物語が始まった、序盤の方から、涙が止まらなくなりました。

この映画は、夢を持った人なら、絶対に一度は通る痛みを知っています。
それは、お笑い芸人でも、役者でも、タレントでも、絵描きでも、
漫画家でも、料理人でも、研究者でも、会社員でも、
きっと、誰にでも当てはまる・・・
誰もが一度はぶち当たる「人生の壁」なんだと思います。

人は夢を描きます。
そして、自分が描いていた自分に少しでも・・・
本当に少しでも近づこうと努力します。

でも。
どうやっても。
どう頑張っても。
追いつけないときがあります。

自分に自信がなくなって、恐くって。
堪らないときがあります。

大人になってからは、尚のこと。
寝て起きたら、傷が癒えている。
そんな都合のいいことはなくて、
明日からの自分を選択しなくてはいけない時があります。

床に寝転んでも、
地団駄を踏んでも、
物に八つ当たりをしても、

変えられないことがあります。
それを一番理解しているのは自分自身なんです。

だから悔しい。

解ってしまったときの、あの痛み。
この映画には、その痛みと、それを取り巻く優しい温もりが描かれています。

観ていられないくらい、私には刺さりました。
でも、同時に、背中を叩かれたような気もします。
勇気をもらえる映画は、今までも観てきましたが、
この映画は、実際に、見終えた瞬間から一歩を踏み出す、
リアルな勇気を与えてくれたと思いました。

そして、この映画の中に登場する女性像。
小出恵介さん演じる甲本を、懸命に支えるけなげな彼女に長澤まさみさん。
伊藤淳史さん演じる田中を、温かく見守る彼女に木村文乃さん。
このお二人の姿は、女性として見習いたい部分や共感出来る部分がありました。
正直、男性の描く、この手の「支える女」は、女子から見た場合、
「こんな女いない」とか「男性の身勝手な理想の塊」になることが多いと思うのですが、
彼女たちの描き方が、とても現実的で、細かい手の演技や接し方の描写が、
そのような気持ちを排除してくれました。
不器用で、わがままで、夢を追い続ける男性。
そんな彼氏との接し方、生きて行く方法、とても素敵でした。

この映画、全編に渡って、ほんわかとした空気感が漂っているのですが、
リズムを落としている訳ではなく、アクセントもスパイスも利いているのがすごいと思いました。
しかし、景色の切り取り方や台詞のないシーンの描写には、本当にやられました。
東京の美しさ、人と人との関係性の細かい目や手の動き。
とても繊細で綺麗な映画です。

本当に、多くの方に観て頂きたいと思いました。

2013.3.23 全国公開だそうです。