3/14(月)、旅立ちの日。
震災の影響で、この日から停電が始まった。
成田空港までは、川越からリムジンバスを使う予定だった。
当日朝、やはり電車は運休。
タクシー会社に数社電話するも、全て配車不可能との返事。
飛行機は飛んでいるし、リムジンバスも動いているので、
これで乗れなかったら全て台無しになる
そこで、旅行で使う予定だった画用紙を取り出して、
大きく「川越駅」と書き込み、7キロのバックパックを背負って家を出た。
「誰か、私を川越駅まで乗せてください!」
1時間以上歩いたところで、紙を見た車が一台止まってくれた。
こんなに大変な日に、大きな荷物を背負った怪しい人を、
自分の車に乗せるなんてなかなかできることじゃない。
本当にありがとうございます
私も困っている人を助けようと、心に誓った。
混雑が予想された道路は意外にも空いていて、
リムジンバスは12:30に成田空港到着。
一時はどうなるかと思ったが、なんとか旅行ができることになった(*^ ・^)
たくさんの日本人旅行客を乗せた飛行機は、時間通りにローマに到着。
しかし、カサブランカへ乗り継ぐ日本人乗客は私ひとりのようだ。
しかもその便、どうやら機械トラブルで2時間以上の遅延。
日付が変わったくらいの時間にようやく離陸。
やっと乗れた飛行機の中。
深夜便で暗い機内で、突然、すぐ後ろの席の読書灯が全部ついた。
豊かな白ひげをたくわえ、丸い帽子を被った、
いかにもイスラム教徒のおじさんたちが、
お祈りを始めたのだ。
これから自分はイスラム文化圏に行くのだなと、
胸が高まる思いで、その声に耳を傾けていた。
モロッコ&ヨーロッパ旅行記②へ続く