The Elegant Other. | Raison d'être

The Elegant Other.

 

「The Elegant Other: Cross-cultural Encounters in Fashion and Art. 」

 

 =「ファッションとアート 麗しき東西交流展。」

 
 
 
 
 
 
 
4/15 より 横浜美術館にて スタートした
 
「ファッションとアート 麗しき東西交流」展 特別内覧会 に
 
ご招待 頂きました(´-`)
 
 
ファッション と アート の 結びつき は
 
近年 ますます 強くなっており、
 
モードの歴史 に 関する 特別企画展 が 組まれたり、
 
ファッションブランド が 美術館 で 回顧展 を 行なったり、
 
海外ブランド の アート・エキシビション が 日本凱旋する など
 
昨年は 特に 大きな 盛り上がり を 見せました。
 
 
現代ファッション に おける ファストファッション の 台頭、
 
そして その位置づけ は 一定のシェア を 獲得したとはいえ、
 
オート・クチュール を 始めとする 職人による 手仕事の系譜、
 
また テキスタイル や ファブリック の 進化 や
 
パターンニング の 模索 は 今日も 止まることなく、
 
日々 私たちに 新しい驚き を 与えてくれています。
 
 
その中でも マスターピース とも いえる 作品群 は
 
芸術的価値 も 高く、 ファッションだけ の 枠組みには
 
収まりきれない パワー が 宿っていると 思います。
 
 
本展では 世界でも 有数の 服飾資料 や 文献 を 所蔵している
 
京都服飾文化財団(KCI) から 貴重な アーカイヴ が 登場。
 
 
また 「東西交流」 という 観点にも 軸を置き、
 
ジャポニズム の 影響 を 受けた スタイル を 厳選するなど、
 
" 感じるだけではなく 考えさせる " 豊かな内容 と なっています。
 
 
 
< 第1章 東西文化の交差点 YOKOHAMA >
 
 
1859年 海外との交流 が 再開し、
 
その扉 の 役割 を 果たした地、 横浜。
 
この度 横浜美術館 で 19世紀 の 世界観 を
 
再現させることが できたのは 感慨深いものだったと 思います。
 
 
内覧会にて 展示構成 を ご案内してくださった
 
横浜美術館 の 学芸員の方 の お話に
 
並々ならぬ 熱が 篭っていたのを 感じました。
 
 
 
 
 
 
左 : 飯田髙島屋 「輸出用室内着」 1906年頃 KCI蔵
中 : 「輸出用ティー・ガウン」 1895年頃 KCI蔵
右 : 「輸出用ティー・ガウン」 1895年頃 KCI蔵
 
 
✴︎ すべて 画像は 主催者 の 許可を得て 撮影したものです。
 
 
展覧会 の テーマ で ある ファッション と 東西交流 を
 
体現した 室内着3着 と 設え が 鑑賞者 を 迎い入れます。
 
刺繍 に 施された 超絶技巧、 装飾家具 の 綿密な 彫り。
 
西洋への 憧れ と 日本の誇り の 見事な融合 が 感じられます。
 
 
 
 
 
 
初代 宮川香山 「高浮彫桜二群鳩大花瓶」 明治前期
 
 
今まで 出会った 宮川香山 の 中でも 1番 驚かされた作品。
 
これほどの 高浮彫 は 見たことがなく、
 
今展覧会 の 中でも 是非 注目して欲しい 作品!
 
文字通り 今にも 羽ばたき立ちそうなほどの
 
リアリスティックな 表現に 息を飲みました。
 
 
 
 
 
 
左 「通常礼服(ローブ・モンタント)」 1895年頃 東京国立博物館蔵
中 「ヴィジット(コート)」 1888年頃 KCI蔵(寺島宗従氏寄贈)
右 「イヴニング・ドレス」 1908年頃 KCI蔵(寺島宗輝氏寄贈)
 
 
 
ボリューム と シェイプ操作 の バランス、
 
生地 を ゆったり 使った エレガントな 表現。
 
ローブ・モンタント の ジゴ袖 の パターン二ング が
 
素晴らしく しばらく 見惚れてしまいました。
 
 
 
 
 
 
山村耕花 「少女」 1935年 横浜美術館(山村行輝氏寄贈)
 
 
洋装の流入 に 1番敏感に 反応していたのは
 
実は 芸術家だったのかも しれません。
 
これまでも 被写体として 映っていた 女性たち、
 
直線的な 着物から 洋装に 変わり、
 
女性美の定義 が 変わり始めた この変革の期 を
 
如実に 捉えた 絵画作品 も たくさん 展示されていました。
 
 
 
< 第2章 日本 洋装の受容と広がり >
 
 
 
 
 
「昭憲皇太后着用大礼服(マントー・ド・クール)」 1910年頃
共立女子大学博物館蔵
 
 
今回の 大注目作品 の 1つが こちらの マントー・ド・クール。
 
気品 と 重厚感溢れる 濃緑 の ベルベット地 に
 
トレーン 一面に 施された 絹糸刺繍 の 大小の菊花 が
 
非常に 艶やかで 多くの 羨望 を 浴びたことでしょう。
 
トレーン の 長さ は 3・30m にも 及びます。
 
ですが お召しになった 昭憲皇太后 は 非常に 小柄だったそうで、
 
正面から 観ると この大礼服 の 秘密に 驚かされると 思います。
 
 
 
 
 
 
左 : ターナー 「デイ・ドレス」 1872年頃 KCI蔵
中 : ドゥーセ 「デイ・ドレス」 1893年頃 KCI蔵
右  : ドゥーセ 「デイ・ドレス」 1890年頃 KCI蔵
 
 
18世紀 ロココ を 頂点に ボリューム誇張 の 時代 を
 
駆け抜けてきた 女性ファッション の 歴史 ですが、
 
19世紀末 は 臀部に ボリューム を 盛り込んだ
 
バッスル・スタイル が 流行 を 迎えます。
 
こちらに 並んだ 3体は シルエットこそ 西洋そのものですが、
 
使われている 生地 は 楊柳 着物の帯 など 日本由来のもの。
 
バッスル・スタイル は 少し屈んで (私は 座って見ますが)
 
下から 見てみると ボリューム操作 が 面白く 見えるので
 
是非 試してみてください!
 
 
チラシのメイン で 使われている 左の デイ・ドレス は
 
日本の小袖 を 使って 仕立て直しているものですが
 
フルレングス に するには 生地 が 全然 足りていません。
 
西洋 の 豪奢の時代って 想像以上に 凄かったんだな。。。 と
 
思わずには いられませんでした。
 
 
 
 
 
 
左  : 作者不詳 「デイ・ドレス」 1895年頃 KCI蔵
右 : パンガ  「デイ・ドレス」 1883年頃 KCI蔵
 
 
写真左 の デイ・ドレス は 非常に 私好み(´-`)
 
淡墨 で 描かれた 菊柄に 山水画のような 風流 が 漂い、
 
右側の ドラマティックな ボルドー色 の ドレス は
 
小菊柄 の シルクカット・ベルベット で 作られた
 
立体的な 生地感 が 魅惑的。 是非 袖を 通してみたい作品。
 
 
 
 
 
 
左 : ルフ 「舞踏会用ドレス」 1888年頃 KCI蔵
右 : 「イブニング・ドレス」 1895年頃 KCI蔵
 
 
ドレスそのもの も 美しかったですが、
 
ウエスト の 極地的な細さ に 驚いてしまった。。
 
 
 
 
< 第3章 西洋 ジャポニスムの流行 >
 
 
開港によって 日本に 流入してきた 西洋文化 は
 
急速な 広がり を 見せましたが、
 
同時に 西洋に 流れ込んだ 日本文化 と その美意識 は
 
真新しい感性 として 大ブーム を 巻き起こします。
 
 
 
 
 

左 : ルシール 「イヴニング・ドレス」 1910年頃 KCI蔵
右 : キャロ姉妹店 「イヴニング・ドレス」 1908年頃 KCI蔵
 
 
バッスル・スタイル が 衰退 を 迎え、
 
コルセット解放 が 謳われた 20世紀。
 
身体の誇張の時代 は ついに 終焉 と なり、
 
ナチュラルで 落ち感のある スタイル が 生まれます。
 
その時期 と 重なるように 開催された 万国博覧会 で
 
ジャポニスム が 紹介され、 驚きを持って 歓迎されました。
 
このドレス にも 西洋風に 再解釈された要素 が
 
たくさん 盛り込まれています。
 
 
 
 
 
「輸出用室内着」 1906年頃 KCI蔵
 
 
打掛 を ロングガウンとして 仕立てた こちらの室内着 も
 
是非 正面から ご覧ください!
 
西洋の衣服 との コンビネーション なのですが
 
とても 上品な色気 が あって すごく 気に入りました。
 
スタイリング として この作品 が 一番好きかも。
 
 
 
 
 
 
左 : ルーゼ 「パリの装い127」 1913年 
中 : ジョルジュ・バルビエ 「パリの装い46」 1912年 
右 : ジョルジュ・バルビエ 「パリの装い69」 1913年
すべてKCI蔵
 

当時の パリ・モード を 牽引した
 
オシャレな マダムたち の イラスト画たち。
 
 
 
 
 
 
手前 : ポール・ポワレ 「ドレス」 1920年代 KCI蔵
左奥 : ジャンヌ・ランヴァン 「イヴニング・コート」 1929年 KCI蔵
右奥 : ジャンヌ・ランヴァン 「イヴニング・ドレス」 1928年夏 KCI蔵
 
 
こちらは 日本の着物 に インスパイアされた グループ。
 
着物の仕立て を 参考にしたような 袖や 打ち合わせ、
 
帯のような ウエストベルト。
 
大好きな LANVIN の ドレスに 出会えて 嬉しかった!
 
 
 
 
 
左 : キャロ姉妹店 「イヴニング・ドレス」 1922年 冬 KCI蔵
 
中 : マドレーヌ・ヴィオネ 「ウェディング・ドレス」 1922年 KCI蔵
 
右 : マドレーヌ・ヴィオネ 「イヴニング・ドレス " アンリエット "」 1923年頃 KCI蔵
 
 
フィナーレ は ゴールド を 基調とした ドレスたち。
 
荘厳とした中でも 身体のライン を 出さない
 
スレンダーな シルエット が 際立ち、 とても モダン。
 
中央 の ヴィオネ の ウェディング・ドレス は
 
トレーン が 直線断ち の 生地 を つけただけのもので、
 
ミニマリズム の 極致 を 感じるもの。
 
現代の視点から 見ても 斬新な 印象でした。
 
 
このドレスたち の 横には ガラスケース に 入って 横たわる
 
LANVIN の シルククレープ の ドレス が あったのですが、
 
生地 の 繊細さ と 装飾された ビジュー の 重量 で
 
着せ付けての 展示 は 不可能だったと 伺いました。
 
(吊ると ドレス が もう 裂け崩れてしまうくらいだそう、、、)
 
 
2年前 パリ で LANVIN展 を 観たときも
 
ガラスケース の 什器に 入った ドレス が 多かったのを
 
思い出し、 その理由 が やっと わかりました。
 
やっぱり LANVIN は 永遠の憧れ の ブランドです。
 
 
 
 
 
 
 
「横浜美術館 は ついつい 盛りすぎちゃうんです、、、笑」 と
 
学芸員の方 も おっしゃっていたくらい
 
テーマに対して の ヴォリューム が しっかり 詰まった 展覧会。
 
 
日本から見た 西洋、 西洋から 見た 日本、
 
それぞれの文化 の 相互受容 を 比較して 観ることができ、
 
展覧会の骨子 が しっかりと 太い、 良い 企画展でした。
 
 
また 会場の一部 が 写真撮影 が 可能に なったり、
 
キモノ割引 が 開始されたりと コンテンツ も 豊かになってます。
 
たっぷり オシャレして お出かけしてみてください(´-`)
 
 
* 由 *