Yuhbassの『弦の数を数えるな!』

Yuhbassの『弦の数を数えるな!』

ベースは好きだから止められない_
それだけのこと
楽器をケースから出したとき、ステージに出たとき、
指で差しながら弦の数を数えられるのはとても恥ずかしい
ペグ(糸巻き)の数を数えればいいのに_
人々がこの楽器を珍しがらないようになるまで
弾き続けるよ

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ベースの弦が切れることは
珍しいことでも
特に不吉なことでもない

9弦ベースにいたっては
最も細い弦は0.12というゲージで
張っている途中で日の目を見ないで切れることも良くある

しかし、今日は5弦ベースを普通に弾いていて
一般的な太さの1弦が切れた訳で、
これは今までの自分としては考えられないことだった


その昔、F1が大人気の頃
セナプロ時代というのがあった

アイルトン・セナはご存知のとおり
1980年代後半から90年代にかけて
無敵のドライビングで人々を魅了し
若くしてこの世を去ってしまったが
今でも心の中に残っている

僕はセナも好きだったが
プロフェッサーと呼ばれた
アラン・プロストが大好きだった

皮肉屋で計算高く狡い感じがして
始めは好きになれなかったが
マシンやタイヤに優しい美しい走りは
今でも忘れられない

この頃から、F1とは関係ないが彼に影響されて

『楽器に優しく美しく弦を振動させる』

ことを心がけてきた

たぶん僕は他の人より
フレットを何倍も減らさないと思うし
弦が切れるということなどあり得ないことだった

最近、スラップ研究会の縁で
水野正敏さんとお近づきになれて
手解きを受けるようになって
ピッキングを試行錯誤するようになった

きっと今日のことは
それによる可能性が高いと思う

あえてネタバレはしないけど
機会があったら僕のプレイを見ていただくと
分かる人には分かるかも知れない



今日はランチを食べながら
フレットレスベースのソロライヴを観るという
贅沢な時間を過ごした

織原良次さんというフレットレスの名手の方だが
かねてから一度見てみたいと思っていたところ
比較的近い王子のカフェレストランで
何とソロをされるということで足を運んだ

織原さんが気になっていたのは
私が池田芳夫氏の弟子で
池田先生のライヴで太田朱美さんというフルートのお姉さんのファンになり
その太田さんと一緒に活動されているベースの人はどんな人だろう?
…というところからだった

とにかく
美しいトーンと素晴らしいサウンド_
そこに音楽が存在していたということが
何よりも重要なことだった

佐藤ハチさんといい織原さんといい
若くてスゴいミュージシャンがたくさんいる

若い頃、ずっと演歌や歌謡曲の伴奏に時間を費やしてきたことを
今の実力の言い訳にしないように
私はもうほとんど先が見えてしまっているけれど
それでも少しでも前に進みたいと思う_


$Yuhbassの『弦の数を数えるな!』
ベース仲間であった、9弦さんこと栗林学氏が他界した
私が親友のA氏を通じて彼と知り合ったときには
先になって彼が超多弦ベースを弾くようになるとは
思ってもいなかったが
いつの間にかコンクリンの9弦ベースを弾きこなしていて
ネットでは有名になっていた

彼が亡くなって意外なことが分かった
それは彼が9弦ベースを弾くのをみて
7弦以上の超多弦ベースに興味を持ち
実際にプレイし始めた人が多くいることだった

私は彼よりも随分と早くから9弦ベースを弾いているけれど
全く無名だし若い次世代を担うベースプレーヤーに
少しなりとも影響を与えることすら出来ていない

私は彼の通夜に参列し流れていた彼の曲を聴きながら
改めて彼の人生に敬意を抱くとともに
いつまでも忘れることなく心の中でいつも一緒に
ベース、とりわけ超多弦ベースを愛し続けて
行くことが出来たら良いと思った

数日して
ふと思いついた_

これを機に以前から構想があった
超多弦ベースの会を発足して
某地下室の会のように会員番号を付け
栗林学を永久会員に迎えよう

A氏にお伺いを立てると賛同していただいたので
「9弦さん」だから9番に_

私の番号は決まっていませんが
まずは旗揚げしたいと思います

皆様、どうぞお見知りおきを_

通勤途中にあるホームセンターには
廉価版のDVDやCDなどが置いてある小さなコーナーがある

通りがかると異色なオーラを放つDVDが
綾小路きみまろさんのコーナーの隣に…
(関係ないが、まろさんには演歌バンドのとき大変お世話になった…)

このミュンヘンのライヴは彼の生涯で最も後期のものだが
いわゆる有名なメンバーはケニーギャレットくらいで
ギターレスでリードベースとかいう不可解なパートが存在し
ベースは歴代のプレーヤーからすると地味な印象で
何度か見たことはあったが興味が湧かなかった

980円で寂しく売られているのを見て
クルマで見られることもあってカゴに入れてみた

もともと私はマイルスが非常に好きで
最も敬愛するミュージシャンの一人だ


正直なところ
いろいろなことが分かった
マイルスのプレイは
ひとつひとつの音の全てが真実で
「そのとおり」と思わざるを得ない


すべてが「そのとおり」なのだ






$Yuhbassの『弦の数を数えるな!』
縁があって
スペインのルシアー、
イエージー・ドロッドの7弦ベースがやってきた

デザインもサウンドも唯一無二と思われる
彼の創造するラインの中でも
もっとも個性的なLegendというシリーズ

ピックアップカバーに削りだしのブリッジ
サウンドホールは何故この形なんだろう?

見た目も不思議な感じだが
弾いたフィーリングも
言葉では言い表せない不思議さ

ピエゾとマグネットのバランスは
言葉も無いほどパーフェクト

ピエゾはオマケ
みたいな発想は皆無だろう
ピエゾオンリーで弾くと
スパニッシュギターのような
エキゾチックなサウンドになる

おそらく日本の音楽業界で
お仕事をするにはかなりハードルが高い
いわゆるツブシのきかない楽器

でも、今の自分には
ワクワクするような素敵な楽器

ただ、イエージィと同じような
緻密なタッチを持ち合わせていないと
たぶん、この楽器を奏でることはできない

だから、まだまだ修行だ_

Yuhbassの『弦の数を数えるな!』
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ちなみに
弦の数ならぬ
フレットの数を数えるのもやめてくださいね
36フレットです
(24フレットの9弦ベースより高い音が出ます)