ちょっと五輪の映像と世界選手権の映像を色々見ていて思うところがあったのでそれについて少しばかり書きなぐりたくなりました。
五輪の結果も世界選手権の結果も当然の結果よ!という方はゴーバック推奨。
選手のこと悪く言うなんて!!という方もゴーバック推奨。
五輪と言うのは4年に1度。
中学生が高校生になっちゃったり高校生が大学生になっちゃったり大学デビューした子がドンになっちゃったりするほどの年月。
長いようで短くまた短いようで長い4年。
この4年にただ1回の大会を制するか制しないかで大きく人生がかわるのもまた五輪。
そして、その4年ごとに進化を楽しむのも五輪の醍醐味です。
さて、本題。
今回の金メダリストで面白いのが、アイスダンスと女子。
どちらも4年前のトリノ五輪のときは、ジュニアでまだ出場していなかったのが、4年後に金メダリストとなっているところです。
初出場で金メダルって女子はともかく(どっちかというと女子は初出場の選手のが強そうだ…というか、ここしばらくの五輪で初出場ではない優勝者は荒川さんだけじゃないかしら…)アイスダンスは珍しいと思ってしまいます。そうでもないのかな。
(アイスダンスは成熟したエッジワークを見せる競技と言う印象があるせいかしら)
男子の話。
世界選手権のときは感じなかったけれど五輪で感じたものが何かを最近理解しました。
時として反則だろっていう独自の世界観を武器とし、観客を魅了する(出来る)選手(エフゲニー選手、ステファン選手、ジョニー選手、高橋選手)がそのときの世界選手権にいなかったからわかっていなかったけど、エヴァン氏はまだその彼しか持ち得ない世界というものがなかったということ。
恐らく、今エヴァン氏はその世界観を持つべく色々とトライして試行錯誤を繰り返している最中なのかもしれない。
エヴァン氏はすでにそういうものを持ってるわよ!貴方の目、おかしいんじゃなくって?といわれたら、そういう解釈をする人も中にはいるざます、と答えさせていただきたく。
何度か見返して思った私の中の五輪の順位。
金:エフゲニー・プルシェンコ選手(4回転をショート・フリーをとおして決め、ミスがなかったため)
銀:ステファン・ランビエール氏(4回転をショート・フリーをとおして決めた)
銅:高橋大輔選手(4回転をとんだ)
4位:ジョニー・ウィアー選手(プログラムの世界観が完成されていた)
5位:エヴァン・ライサチェック氏(ショート・フリーを通して彼比でいい演技をした)
6位:小塚崇彦選手(4回転をフリーで決めた、いい演技をした)
7位:パトリック・チャン選手
8位:織田信成選手
男子はトリノ~バンクーバーの間に、ジャンプの技術がかなり落ちたなぁという印象。
実際にはトリノの段階で結構落ちていたのかもしれないけれども、少なくともメダリストは成否はともかく4回転を飛んでいる。金・銀メダリストは4+3+2のコンビネーション。ここも大きいと思うよ。
こうやってみると、私の中の男子の評価はトリノ五輪が基準なんだろうと思いました。
でもって、ジャッジの采配がああなった理由も個人的に考えました。
トリノ五輪以降競技会に出場していないプルシェンコ選手、競技会を一度後にしているステファン氏がトリノに続いてこのバンクーバーでも1・2フィニッシュされたんじゃたまらないからかしら?と。
競技が前進していないことも明らかになってしまうものね。
プルシェンコ選手がどこかのコンビネーションのサードジャンプに2Loをつければ勝てたという声も多く聞きますが、失礼ながらそうなった場合はPCSもしくはGOEを調整して彼の成績を2位に落とす気満々だったと思います。
女子の話。
女子に関してもショートの段階で色々と思うところがありました。
いかんせん、男子はジャンプの4+3と3+3ですごい接戦だったのに対して、女子はすでに点差が大きく開いていたんだもの。ショートの段階で。
技の出来栄えが違うのよ、といわれても…ねぇ??
金メダルは何があってもキムヨナ嬢に与えたい、ロシェットさんには何としてもメダルを獲得してもらいたい、アジアに表彰台を独占されるのだけは避けたい、それがジャッジ側の思惑だったんじゃないの?と邪推した人は少なからずいたと思うよ。
せっかく選手がいい演技をしても、採点でこうなると萎えるのよね…。心底萎えました。選手が全力を尽くしただけに残念だ。
さて、私が思った五輪の順位。
金:レイチェル・フラット選手(ショート・フリーをとおして3+3が入っている、フリーは5種類のトリプルジャンプを跳んでいる、他の要素でも様々な工夫がされていてプログラムの完成度も高かった)
銀:浅田真央選手(フリーの3Tのミスはあれど、プログラムの完成度が高く、他の要素でもみせどころがあった、3A+2Tの難易度の高いコンビネーションジャンプをショート・フリーを通して決めた)
銅:安藤美姫選手(ショート・フリーを通していい演技をした、完成度の高い見事なプログラムを見せた、ショートにおいて3Lz+3Loの最高難易度のコンビネーションを跳んでいる)
4位:長洲未来選手(ショート・フリーを通していい演技をした、2A+3Tを決めた、柔軟性にとんだスピン・スパイラルなどで魅了した)
5位:ジョアニー・ロシェットさん(ショート・フリーでいい演技をした、フリーでは5種類のトリプルジャンプをした)
6位:キムヨナ嬢(ショート・フリーでいい演技をし、3+3を決めた)
7位:ラウラ・レピスト選手
8位:鈴木明子選手
レイチェル選手はトップ選手の中で柔軟性はあまり高くありませんが、その弱点を上回る実力を彼女は持っています。5種類のトリプルジャンプ、ルッツ・フリップという難易度の高い2つのジャンプを2回飛べるだけの力、スピンについても細かい工夫を重ね柔軟性がなくてもレベルが稼げることを証明し、ステップも見ごたえのある力強い足捌きをみせた。作品としての完成度は語るまでもないので省略。
浅田真央選手については言わずもがな。世界選手権のすべりができていたのであれば、この大会の金メダルは彼女に輝くべきものだったと思います。ショートプログラムでは彼女がトップでいいと思います。
長洲未来選手と安藤美姫選手とジョアニー・ロシェットさんはどの選手もメダリストにふさわしい滑りで甲乙をつけがたかったのですが、ここは3Lz+3Loの最高難易度(3Aからのコンビネーションを除く)のコンビネーションジャンプを跳んでいる安藤選手に。回転不足ですか?なにそれ美味しいの?って話です。長洲選手はセカンドに3Tを跳んだこと、全体的にミスもなくクリーンに滑りきったことが理由です。ロシェット選手は細かいところで若干のミスがあったので。
キムヨナ嬢については、ジャンプはいいけれど、ステップとスピンとスパイラルもうちょいガンバ。と失礼ながら思うので。スピンは頑張ってきていると思うんだけど、ステップは去年より手抜きになっているように見えたし、スパイラルは…正直レベル4で高い評価がとれているの不思議なんだ…。
世界選手権はまた次の機会につれづれと語るかと。