ノルアドレナリンの血管平滑筋に与える作用はαは収縮させる効果、βは拡張させる効果で、αとβで全く正反対になっています。
α1作用はホスホリパーゼCの活性からイノシトール3リン酸を経由し、小胞体からCaイオンを放出させ筋収縮を引き起こすのに対し、β2作用はアデニル酸シクラーゼ活性からcAMPをセカンドメッセンジャーとし、プロテインキナーゼAを活性化し、活性化されたプロテインキナーゼAは小胞体からのCa放出を抑制し、筋弛緩を引き起こします。 下はその解説図です。
瞳孔括約筋は副交感神経支配であることはこれまでも何回か記載しましたが、この括約筋には交感神経枝も入っているのです。
上の図からお分かりの通り、その意味は交感神経β2作用により括約筋を弛緩させ、交感神経の瞳孔散大筋に働くα1作用を増強していることが推定されます。
瞳孔筋および頭部諸器官の自律神経支配をまとめると下図のようになります。
LCは脳幹の青斑核Locus Coeruleusで、脳幹のアドレナリン作動性神経核ですが、その上位中枢は視床下部の室傍核になります。青斑核からは抑制系のα2により副交感神経核であるエディンガーウエストファル核EW核に抑制が働いています。下の図は脳幹における青斑核の位置とその結合の様子を示しています。
視床下部の核です。このうち室傍核が交感神経系の上位中枢となります。