α受容体とβ受容体 | きくな湯田眼科-院長のブログ

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横浜市港北区菊名にある『きくな湯田眼科』

アドレナリン受容体にはαとβがあることは前回記載しました。


Raymond Ahlquistはそれまで考えられていた概念、すなわち交感神経伝達には2つの作用の相反する神経伝達物質(sympathin E と sympathin I) があり、この違いによって促進的な作用と抑制的な作用が発現すると言う考えを覆し、効果器官による作用の違いは受容体側にあるのであって、αとβという異なった作用を発揮する受容体があり、伝達物質とこれら受容体との結合性の強弱により作用が変わると考えたのです。


彼の説に基づき、彼が実験に用いた6種類のカテコラミンの内、代表的な3種、ノルアドレナリン、アドレナリン、イソプロテレノールについて受容体との関係を見てみましょう。


彼の実験で、アドレナリンはα作用が最も強くβ作用は中間で、イソプロテレノールはβ作用が最も強く、α作用は殆ど見られませんでした。ノルアドレナリンはα作用は両者の中間で、β作用は一番弱い効果を示しました。


これら3種のカテコラミンの化学式を見るとカテコール核にアミノ基が付いた形(それ故カテコラミンと名付けられました)をしています。ノルアドレナリンは最も分子量が少なく、ノルアドレナリンのN端にメチル基CH3が付いたものがアドレナリンで、さらにアドレナリンに2つメチル基が付き分子量が最も大きいものがイソプロテレノールです。


カテコール核


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その分子の形とα、β受容体の形を照らし合わせると、図のような受容体が想定されます。分子量が大きくなるほどβ受容体との結合が強くなることが分かると思います。



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今日ではこれらの受容体は作動薬の薬剤特異性によりさらに細かく分類されており、α受容体はα1、α2に、β受容体はβ1、β2、β3と計5つに分類されています。